美術館は日中に訪れるものというイメージが強い場所ですが、実は夜間開館を定期的、あるいは時々おこなっている美術館があるのをご存知ですか?
仕事の後の疲れた脳にアートで刺激を与え、1日の終わりにリフレッシュなんてことも可能なんです。
今回は、東京の美術館で夜間開館をおこなっている美術館の特集です。コロナ禍でほとんどの美術館では夜間開館が休止されていましたが、今はもう再開しています。
基本的に展示室には自然光が入らないようになっているので、展覧会を鑑賞するのは昼でも夜でもあまり関係はないのですが、美術館によっては夜には夜の美しい表情を見せる美術館建築もあります。
ですから、わざわざ夜間開館に訪問するというのもアリなんです。
通い慣れた美術館の夜間開館の時間に訪問して、ナイトミュージアム体験をしてみませんか。
日々忙しい方、リピーターの方、遠方の方、必見の東京の夜間開館美術館特集です。
美術館としてではなく、建築目線の夜の建築の見ごたえを星で評価してみました。(独断です)
夜の建築巡りの際の参考にしてください。
PR国立新美術館(金土)
夜の建築の見応え度 ★★★★★
乃木坂駅直結の国立新美術館は、通常18時に閉館ですが、企画展開催中の金曜と土曜に20時まで夜間開館をおこなっています。
「企画展開催中」というところがポイントなので要注意です。公募展のみしか開催されていない時は夜間開館していませんので事前に調べてから訪問してください。
なお2023年秋の「テート美術館展」最終週は9月25日から10月1日までの毎日、20時までの夜間開館を実施しています。
▲黒川紀章設計の美しい建築は、夜の表情もまた素敵です。
▲エントランスの吹き抜け空間のダイナミックさと誰でも利用可能なレストランやカフェの充実度は他の美術館の追随を許しません。
昼も夜も訪れたい美術館であることは間違いありません。
企画展と公募展って何が違うのかは以下記事を参照ください。▼
基本情報
国立新美術館
企画展開催中の金土は夜間開館 〜20:00 火曜休館(祝日の場合開館し翌平日休館) チケット料金は展覧会によって異なる 東京都港区六本木7丁目22−2 MAP アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口(美術館直結)、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分 |
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東京都美術館(金)
夜の建築の見応え度 ★★★★★
上野にある東京都美術館は、特別展開催中の金曜20時までの夜間開館を実施しています。
上野の美術館は、東京国立博物館も含めて朝が早く、9時半から開館しています。その代わり17時半に閉館するので、17時までに入館しないと鑑賞出来ません。日中仕事をしている人にとってはかなりハードルが高い設定です。
▲しかし、金曜は20時まで開館してますから平日の展覧会鑑賞も可能です。
また、国立新美術館同様に前川國男の美術館建築が、夜の表情がたまらなくいいのです。
▲建築巡りで訪問するなら夜もかなりオススメです。
東京都美術館の詳細はこちら▼
基本情報
東京都美術館
第1、第3月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)休館 特別展・企画展は月休 チケット料金は展覧会によって異なる 台東区上野公園8−36 MAP アクセス:JR上野駅公園口より徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分、京成電鉄京成上野駅より徒歩10分 |
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東京国立近代美術館(金土)
夜の建築の見応え度 ★★★
竹橋にある東京国立近代美術館も実は金土夜間開館を開催しています。
通常は17時で閉館するのですが、3時間延長の20時まで開館です。
▲東京国立近代美術館は、企画展も常設展示も全部観ようとするとかなり時間がかかります。
ゆっくりみていたらあっという間に閉館時間になってしまった経験をした方も多いでしょう。
仕事の後に訪問するなら金曜日、休日にじっくり鑑賞するなら土曜日の夜間開館に行ってみましょう。
基本情報
東京国立近代美術館
所蔵作品展 観覧料:一般500円、大学生250円、17時から一般300円、大学生150円 企画展のチケット料金は展覧会によって異なる 月休(祝休日は開館し翌平日休館)、展示替期間、年末年始休館 千代田区北の丸公園3−1 MAP アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩3分、東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅4番出口より徒歩15分、東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線神保町駅A1出口より徒歩15分 |
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東京都写真美術館(木金)
夜の建築の見応え度 ★★
恵比寿にある日本で唯一の写真専門の公立美術館、東京都写真美術館(TOP Museum)も夜間開館を実施しています。
ここの夜間開館日は、木曜と金曜の平日2日間です。
▲恵比寿ガーデンプレイスというオフィスビルを併設した複合施設という立地の為か、仕事にフルタイム勤務している人に優しい平日夜間開館です。
▲3つある展示室は全てほぼほぼ同じ面積で、多過ぎず、少な過ぎずの程よいボリュームの展覧会が鑑賞できます。
近くに勤務していたら、仕事帰りにフラッと立ち寄ってみたいナイトミュージアムです。
東京都写真美術館の建築自体は夜でもあまり変わりませんが、恵比寿ガーデンプレイスが季節によってはイルミネーションされていたりするので夜の見ごたえ度は星二つです。
基本情報
東京都写真美術館
月休(月が祝休日の場合開館、翌平日休館) チケット料金:展覧会、映画によって異なる 各種割引、展覧会セット料金あり 目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内 MAP アクセス:JR恵比寿駅東口より恵比寿スカイウォークにて徒歩約7分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より恵比寿スカイウォークにて徒歩約10分 |
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渋谷区立松濤美術館(金)
夜の建築の見応え度 ★★★★
松濤にある渋谷区立の美術館です。
コンパクトながらも白井晟一設計の名建築なので、建築目当てで訪問も多いにありの美術館です。
通常は18時閉館ですが、金曜は20時まで開館しています。また、金曜は渋谷区民無料の日でもあります。
▲白井晟一が手がけた美術館建築は2館だけで、そのうちの一つがここ松濤美術館です。
設計の時期は、もう一つの美術館建築、静岡市芹沢銈介美術館 石水館とほぼ同時期のため、共通点が多くあります。
▲夜間に行くと照明の効果が高まるエントランスのオニキスの天井
▲美術館の中心にはエントランスからは想像もつかない大空間が広がります。
松濤美術館も展示室の規模が仕事帰りに鑑賞するのにちょうど良いのでおすすめです。
さらに、建築としても白井晟一晩年の傑作ですし、夜と昼と両方の表情を見ておきたい美術館です。
ただ、外観は夜でも照明が当たるだけで大きな変化がないので星4つです。
白井晟一設計松濤美術館の他の記事▼
基本情報
渋谷区立松濤美術館
月休 (祝日の場合開館し翌平日休館) チケット料金は展覧会により異なる 渋谷区民割引あり、金曜は渋谷区民無料 土日、休日、夏休み期間中、小中学生無料 東京都渋谷区松濤2丁目14−14 MAP アクセス:京王井の頭線神泉駅より徒歩約5分、JR・東急線・東京メトロ渋谷駅より徒歩約15分 |
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サントリー美術館(金土)
夜の建築の見応え度 ★
東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館は、金土の2日間20時までの夜間開館を実施しています。
東京ミッドタウンという場所がら週末にかけてナイトミュージアムなのは嬉しいですね。
美術館の内装は隈研吾によるもの。
ただし、単独のファサードなど夜間ならではの表情が変わる場所はほとんどないので、建築的な夜の見応えは星一つです。
基本情報
サントリー美術館
火休 チケットは展覧会により異なる サントリー美術館 東京都港区赤坂9丁目7−4 東京ミッドタウン ガレリア 3階 MAP アクセス:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結、東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結、東京メトロ乃木坂駅出口3より徒歩約3分 |
東京ステーションギャラリー(金)
夜の建築の見応え度★★★★
ジョサイア・コンドルの弟子であり日本の近代建築の父と言われる辰野金吾の名建築をそのまま復元した東京駅直結のその名も東京ステーションギャラリーも金曜の夜は20時まで開館しています。
▲ライトアップされた夜の建築も美しい東京駅
展覧会もそうですが、内部も外観も建築探訪でも訪れたい美術館です。
基本情報
東京ステーションギャラリー
10:00 – 18:00、金曜夜間開館 – 20:00 月休 チケット料金展覧会により異なる 千代田区丸の内1丁目9−1 MAP |
三菱一号館美術館(2024年秋頃まで休館中)
三菱一号館美術館も金曜の夜間開館、また展覧会によっては会期最終週の平日も21時まで開館していました。
しかし、現在建物のメンテナンスのため2024年秋頃まで長期休館中です。
リニューアルオープンしてからもナイトミュージアムが実施されることでしょう!
基本情報
三菱一号館美術館(2024年秋頃まで休館中)
金と会期最終週平日、第2水曜日はは21:00まで 月曜休館 チケットは展覧会によって異なる 千代田区丸の内2丁目6−2 MAP アクセス:JR東京駅(丸の内南口)徒歩5分、JR有楽町駅(国際フォーラム口)徒歩6分、東京メトロ千代田線二重橋前〈丸の内〉駅(1番出口)徒歩3分、東京メトロ有楽町線有楽町駅(D3/D5出口)徒歩6分、都営三田線日比谷駅(B7出口)徒歩3分、東京メトロ丸ノ内線東京駅(改札口・地下道直結)徒歩6分 |
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国立西洋美術館(金土)
夜の建築の見応え度 ★★★
上野にあるル・コルビジェ設計で世界遺産登録されている国立西洋美術館は、金土20時までの夜間開館を実施しています。
内部の明かりが見られるような設計ではないので、夜の建築の見応え度は低めですが、建築としては星5つ以上です。
基本情報
国立西洋美術館
月休(祝日の場合翌平日) 企画展入館料:展覧会により異なる 常設展:一般500円、大学生250円、高校生以下無料 Kawasaki Free Sunday(原則毎月第2日曜日)、国際博物館の日(5月18日)、文化の日(11月3日)は常設展無料 東京都台東区上野公園7番7号 MAP アクセス:JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分、京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分、東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分タイ |
いつでも夜間開館 森美術館
夜の建築の見応え度 ★★
六本木ヒルズ森タワーの53階にある森美術館は火曜日以外毎日夜22時まで開館しています。
いわば毎日がナイトミュージアムという都会ならではの美術館です。
館内は夜でも昼でもあまり変わりありませんが、52階の東京シティビューでは東京の夜景が一望できてデートにぴったりの場所です。
美術館と展望台両方楽しめる満足度の高い場所です。(入場料金は別)
森美術館の建築そのものではありませんが、東京シティビューから眺められる東京の夜景の美しさが素晴らしので、夜の建築の見応え度は星2つです。
しかもすごいのは、展覧会期中は無休です!
基本情報
森美術館
会期中無休 チケットは展覧会により異なる 港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階 MAP アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩3分、都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩6分、都営地下鉄大江戸線麻布十番駅7出口徒歩9分、東京メトロ南北線麻布十番駅4出口徒歩12分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5出口徒歩10分 |
春と秋の期間限定 夜間開館 東京都庭園美術館
夜の建築の見応え度 ★★★★
日本でも貴重なアールデコ建築の旧朝香宮邸、東京都庭園美術館は、定期的な夜間開館はしていませんが、季節ごとなど期間限定で夜間開館を実施しています。
これまでは春と秋に夜間開館を実施していました。春と秋の約3週間の金土日です。
▲公式サイトなどでまめに情報をチェックしていると夜間開館情報が出ていますよ!
私は秋の夜間開館に何度か訪問したことがあります。
例年秋の夜間開館は11月、春は3月でした。
今年も秋の夜間開館が実施されると思います。
夜の落ち着いた邸宅建築の建築の見応え度は星4つです。
基本情報
東京都庭園美術館
月休 東京都港区白金台5-21-9 MAP アクセス:JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分、都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分 |
年に一度の夜間開館 根津美術館
夜の建築の見応え度 ★★★★
通常17時で閉館する根津美術館は、冬場であってもなかなか夜の様子を見ることは難しい美術館です。
しかし、根津美術館が最も混雑する大人気の尾形光琳の燕子花絵図と庭園の燕子花が見られる5月に期間限定で夜間開館を行います。
私が知る限り、根津美術館の夜間開館は燕子花の時期だけです。
隈研吾設計の和モダンな建築空間は、夜も当然美しいです。
なかなか見られない根津美術館のナイトミュージアムはレアなので建築の見応え度を高めに設定しました。
次回のナイトミュージアムは来年の春かな。
基本情報
根津美術館10:00 – 17:00 月休 チケットは展覧会によって異なる 東京都港区南青山6丁目5−1 MAP |
サマーナイトミュージアム2023
ここで紹介した美術館のうち、東京都立の美術館では夏季特別企画「サマーナイトミュージアム2023」として、夏の間に特典付きで夜間開館する企画が4年ぶりに再開しました。
企画の概要や期間、そして気になる特典の詳細については次の記事でチェック!
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