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青山・表参道のオアシス 建築も所蔵品も庭園もすべてが美しい 隈研吾設計 根津美術館


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南青山の根津美術館

南青山の根津美術館は東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎が収集した日本・東洋の古美術品のコレクションを保存・展示するためにつくられた私立の美術館です。

初代の遺志を継いだ二代根津嘉一郎が、1940年に財団を創立し、その翌年に根津美術館が開館しました。

東急電鉄の礎を築いた五島慶太のコレクションを保管展示している五島美術館と成り立ちが少し似た感じです。

隈研吾設計 根津美術館
印象的なアプローチ

▲入口へ続く竹を使った和モダンなアプローチ。

ここを通ることで美術館への期待が最高潮に高まる効果があります。ここからすでに都内じゃない感満載なのです。

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設計隈研吾

美術館はこれまでに戦災で消失したのちに再建し、幾度かの増改築を行ってきました。

そして現館長・根津公一のもと、2006年より3年半をかけて、以前の新館を建物免震の収蔵庫に改築し、3つの倉庫と旧本館を取り壊し、新たな展示館(本館)を建設するなど大規模な工事を行いました。その設計は隈研吾によるものです。

本館

和風家屋のような大屋根が特徴の建物です。

「コンクリートの箱として閉じたミュージアムではなく、大きなガラスの開口によって庭と一体化した展示空間をつくり、庭と建築とアート作品とがひとつに融合した状態を作り出そうと考えた」と隈研吾氏が語っているように、大きなガラスの開口でエントランスロビーはすごく開放的で、庭側からも圧迫感がありません。▼

隈研吾設計 根津美術館
庭園側の美術館外観

館内

上の写真のガラスの開口部を内部上階から撮影した写真。庭園の緑が目に眩しいくらいの開放感。

隈研吾設計 根津美術館
エントランスは広々吹き抜け空間

展示室内は撮影禁止なのでエントランスロビーの写真だけになりますが、ここだけでも十分この美術館の良さは伝わると思います。

大屋根の傾斜がダイナミックなエントランスロビー空間。▼

隈研吾設計 根津美術館
エントランスにも作品展示が
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NEZU CAFE

本館から少し庭側へ行った別棟にあるNEZU CAFE

ここは美術館の入場料を支払わないと利用できませんが、それでもいつも大人気で混雑しています。

天井は和紙で木漏れ日が透けて見える美しいデザイン。

隈研吾設計 根津美術館 NEZU CAFE
NEZU CAFEの天井は和紙

▲窓の緑が夏は青々と秋は見事な紅葉に変化し、四季折々の借景が楽しめる本当に気持ちの良い大人のカフェです。

以前はランチメニューなどもありましたがコロナ禍で休止したままです。その代わり現在はサンドイッチなど簡単なフードメニューを提供しています。

▲これは2023年3月現在のカフェメニューです。

パンデミック中は臨時休館していた時期もありましたが、今は以前のように美しい庭園を眺めながらのひとときを過ごすことができるカフェに戻っています。

隈研吾設計 根津美術館 NEZU CAFE
コロナになってテーブルレイアウトが変わった

庭園

この美術館の最大の魅力は素晴らしいコレクション、借景の美しいカフェだけでなく、なんと言っても庭園です。

ここ青山なの?と疑いたくなるような景色が広がります。

▲庭園のマップ かなり広いのでとてもいい散歩コースです。

GWはいつも庭園の燕子花が美しく咲き、その時期に合わせて美術館では尾形光琳(1657~1716)の国宝「燕子花図屏風」を展示するというのがこの美術館の毎年の恒例行事です。

隈研吾設計 根津美術館 庭園
根津美術館の紅葉は必見

5月の燕子花の時期の次に紅葉の季節が美しいです。

もちろん、四季折々の美しさがあるので、いつ行っても素晴らしい庭園であることには違いありません。

海外からの観光客もたくさん来訪する人気の庭園です。

隈研吾設計根津美術館 庭園
もみじが美しい

▲美術館入り口にも庭園内にも桜があります。2024年4月13日の様子

コロナで休館が続いていましたが、2022年から国宝「燕子花図屏風」と庭園に咲く燕子花の公開を再開しました。

2024年燕子花図屏風公開

2024年は国宝の燕子花図屏風(尾形光琳)をオブジェを抽象化した ”デザイン画” として捉え、日本美術に見られるデザインされた作品で構成するものでした。

特別展 国宝・燕子花図屏風

尚、毎年大人気のこの展覧会は庭園の燕子花が蕾を膨らませる頃から日時指定の入館予約が始まります。4月上旬の桜の時期が終わったら予約サイトをチェックしてください。 

2024年は4月末が一番の見頃でした。

ほぼ毎年4月末からGW明けまでが見頃ですが、燕子花は2回開花するので混雑を避けてGW明けに訪問するのも良いかもしれません。

2023年の燕子花の開花の様子を時間を遡ってレポートします。

▲2023年5月11日の燕子花

▲2023年5月10日の様子です。連休も終わり、燕子花も終盤です。

▲2023年4月27日の様子。晴天の日の燕子花、本当に美しい!

▲2023年4月26日の様子です。雨の日だってしっとりとしていて美しい。この庭園の本当の美は雨の日にあるのかも。

ただし、燕子花の花がたくさん咲いている時は、人も多いです。雨が降っていても予約制なのでとても人は多いです。

根津美術館

▲2023年4月16日 藤の花は満開ですが、燕子花はまだまだ

▲2023年3月の燕子花の様子です。

▲リピーターにとっては雨の日の庭園もまた美しくてたまりません。

根津美術館では、今の庭園の様子というのを逐一HPにアップしているのでチェックしてから出かけるのもいいかもいしれません。

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水琴窟←オススメ!

近所なので、何度も通っている私のオススメをご紹介します。

人目につきにくい場所にあるため、ほぼほぼ皆さんスルーしています。

▲場所は竹林の横の薬師堂のすぐ隣です。

▲こちらが水琴窟。蹲から落ちた水滴が、甕の中に落ちて、それはそれは美しい音楽を奏でます。誰が言ったか「静寂の次に美しい音楽」とも。

根津美術館の水琴窟は、複数の甕があるので、奥深い音が出るのだそうです。何度も通って分かったのですが、雨が降っていると雨音にかき消されあまり音が聞こえません。

雨の日の翌日は、水量が多く、スピード感のある音楽になります。

普段は緩やかで涼やかなメロディです。季節や天候によって日々変化するので、毎回水琴窟の音楽を聴くのが楽しみです。

ぜひ、耳を澄ませてみてください。

根津美術館の紹介記事

アクセス

根津美術館の最寄り駅は地下鉄「表参道駅」です。

表参道の交差点からみゆき通りを西麻布の方に10分ほど歩いた「根津美術館前」交差点の角になります。

駐車場もあるのでクルマでの訪問可能ですし、港区のコミュニティバス「ちぃばす」の青山ルートですぐ近くまでアプローチすることができます。

近隣には隈研吾や安藤忠雄など著名建築家の建築が点在しているのでアート巡りだけでなく建築巡りもできるロケーションです。

基本情報

根津美術館

開館時間:10:00 – 17:00

休館日:月曜日、展示替期間、年末年始

入場料:特別展は一般 1,500円、学生 1,200円、当日券は1,600円と1,300円
企画展は一般 1,300円、学生 1,000円、当日券は1,400円と1,100円

予約:日時指定予約推奨

住所:港区南青山6丁目5−1 MAP

アクセス:東京メトロ 表参道駅 徒歩約10分

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