京都は、宝ヶ池公園のすぐそばにある緑豊かなホテル、ザ・プリンス京都宝ヶ池を訪問してきました。このホテルは1986年竣工です。村野藤吾最晩年の建築で、ザ・プリンス箱根芦ノ湖(旧箱根プリンスホテル)、グランドプリンスホテル新高輪(旧新高輪プリンスホテル)に続く3つ目のプリンスホテルです。
PRザ・プリンス京都宝ヶ池
村野藤吾最晩年の建築ザ・プリンス宝ヶ池に行ってきました。本当は宿泊したかったけれど、ちょっと京都の中心部からは離れているため、残念ながら見学だけにしました。
このホテルの竣工が1986年、村野藤吾はその2年前の1984年に亡くなっています。ですから、竣工した姿を本人が見ることはありませんでした。
2020年にグランドプリンスホテル京都から現在の名称ザ・プリンス京都宝ヶ池に改称されました。このタイミングでマリオット・インターナショナルのオートグラフ コレクションに加盟しています。
円形の外観
円筒形をした宿泊棟は周囲の豊かな自然に溶け込むようにデザインされています。円筒形のプリンスホテルは、このザ・プリンス京都宝ヶ池の8年前に竣工したザ・プリンス箱根芦ノ湖でもみられるフォルムです。
ザ・プリンス箱根芦ノ湖は円筒形の宿泊棟が2つ並んで建っていますが、こちらは巨大な円筒形の宿泊棟が1つです。
円筒形の宿泊棟の下には大きなアーチが特徴的なピロティがあります。この先にメインエントランスと車寄せがあります。▲
しかし、ダイナミックなデザインのホテルです。だけれど、円形なので圧迫感は軽減されています。▲
PR茶寮
メインエントランスの横には、池泉鑑賞式の日本庭園があります。その庭園の先に、村野藤吾が設計した数寄屋造りの“茶寮”があります。
”茶寮”は会食や披露宴など、予約をすれば利用することが可能です。この茶寮では京都の店舗では唯一、裏千家出入りの店として名高い辻留の懐石料理をいただくことができます。
特別な日に利用してみたいですね。見学のみはできません。
茶寮は池越しに眺めるだけです。▲
しかし、植栽が育ってしまってほとんどその姿を見ることはできません。
中に入るのが無理でももっと近づいてみてみたかったなぁ。池越しだとその姿がわからなさすぎます。▲
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ロビー空間
エントランスから入ると出迎えてくれるのは地下からの大吹き抜け空間です。
柱周りの照明が、グランドプリンスホテル新高輪の飛天の間を想起させるゴージャスさ。
でも村野藤吾のゴージャスさって不思議ととっても上品なんですよね。嫌味がないというか、成金ぽくならないのがすごいです。
ロビーラウンジ水の音▲
ここを利用するつもりで訪れたのですが、2022年6月上旬時点では土日のみの営業で残念ながら叶わず。(現在水木臨時休業。休業時は隣のレストラン、メインダイニングいと桜にて喫茶利用ができます。12-16時)
PR中庭
エレベータホールから見える中庭が美しい。
ザ・プリンス箱根芦ノ湖よりも円が大きいので中庭も広いです。▲
これは上階から眺めたい景色です。▲
エレベーターの扉の意匠がこれですよ!村野藤吾の乙女建築っぷりが出ています。そういえば、ここは開業時に、上野リチのテキスタイルが使われていたはずなので、こういうデザインも合いますね。▲
階段と照明
エントランスに戻ります。
1階から地下への長い階段。実際は、エントランス側にエスカレーターがあるので、これは完全に装飾的な意味合いが強い階段です。▲
やっぱり最後の踏面が浮いています。手すりの下も不思議な意匠▲
この照明というか装飾というか、乙女度高いけれど、かっこいい。村野藤吾の意匠はカッコ可愛くて不思議なんだなぁ。確かにこの装飾なかったらこの柱、ちょっと無粋ですよね。▲
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螺旋階段
村野藤吾といえば螺旋階段です。なんといっても”階段の魔術師”ですから。
目黒区総合庁舎でもザ・プリンス箱根芦ノ湖でも素敵な螺旋階段がありました。
手すりの色!▲
蹴上が低めで優しいのも共通しています。▲
優美ですね。▲
で、やっぱりここも最後の一段は浮いています。▲
京都市内からはちょっと遠いけれど、お隣のモダニズム建築の国立京都国際会館と2つセットで建築巡りをしました。
やっぱりホテル建築は見学だけでなく宿泊してゆっくり隅々まで堪能し、なおかつそのデザインを体験したいですね。
ザ・プリンス京都宝ヶ池、一休で宿泊予約もできます。下の画像をクリックして一休の予約サイトへ。
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基本情報
京都市左京区岩倉幡枝町1092 MAP
アクセス:地下鉄烏丸線国際会館出口4−2駅徒歩7分
お隣にある国立京都国際会館も合わせて見学がおすすめです。▼
村野藤吾の記事は▼
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