都内建築巡り<広尾その1渋谷区広尾編>に続いてその2では、主に住宅と図書館などを取り上げます。エリアとしては、外苑西通りを挟んで麻布十番側の港区南麻布エリアです。<広尾その1渋谷区広尾編>同様に南麻布も巨匠の建築が数多くあります。
安藤忠雄、黒川紀章、吉村順三、高橋禎一、谷口吉郎、坂茂などなど錚々たる顔ぶれです。
地元住民がお届けするどこにも載ってない広尾の建築についてまとめてみました。
広尾のオアシス有栖川宮記念公園▼
PR南麻布
南麻布は、有栖川宮記念公園や公園内にある中央図書館など、緑の多い静かな住宅街です。広尾プラザの日本のスーパーに対して、一歩足を踏み入れるとどこか外国のスーパーに来たような錯覚に陥るナショナル麻布は、連日多くの買い物客で賑わっています。大使館やインターナショナルスクールも多く、麻布十番と隣り合っているので、外国人の多いエリアです。
ナショナル麻布スーパーマーケット▼
安藤忠雄
プライベートギャラリー
2006年竣工
港区南麻布
現代美術のコレクターである某企業の会長のプライベートギャラリーです。
閑静な住宅街に突然現れる空に飛び出さんばかりの勢いの小人の人形。これはイブ・クラインの作品のオマージュでジョージエ・オズボルトのアート作品です。▼
ぼんやりと見える人影はアントニー・ゴームリーの作品、キラキラしているのはオラファー・エリアソンの作品です。
ゴームリーの作品は今まで見られなかったので、この場所に設置されたのは、ここ1−2年です。他にもとんでもない作品がいっぱいあるんだろうなぁ。
招待されない限りこの中に入ることはできません。あぁいつか入ってみたい。
2021年、このプライベートギャラリーの真裏にも安藤忠雄設計で住宅が竣工しています。もちろん施主は同一人物です。▼
PR黒川紀章
タウンハウス仙台坂
1972年竣工
東京都港区南麻布1丁目1−22 MAP
森ビルが分譲したマンションです。8世帯だけのメゾネット式マンション。部屋の中には螺旋階段があったりして、相当かっこいいです。▼
高橋靗一
東京都立中央図書館
1972年竣工
港区南麻布5丁目7−13 MAP
都立大学や群馬県立館林美術館などを手がけた高橋靗一の70年代の建築です。公園の一角にある非常に環境の良い図書館です。1階には有栖川珈琲が入っていますが、残念ながらコロナ禍の現在ずっと休業中です。
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ADPI Ingénierie、大成建設株式会社一級建築士事務所
ヨーロッパハウス
2011年竣工
東京都港区南麻布4丁目6−28 MAP
オフィス棟と住居棟からなる駐日欧州連合(EU)代表部の拠点です。
ドイツ製のブロンズ銅板でできた外装からは、ランダムに配置された大小様々な窓と突き出たバルコニーが印象的です。このファサードはこの一帯で一番目立つ建物です。
住居棟と対をなすようにオフィス棟があり、オフィス棟の方は緑青銅板が使われています。同一素材による表情の対比がとても面白い建築です。
吉村順三
駐日ノルウェー大使館
1978年竣工
東京都港区南麻布5丁目12−2 MAP
40年以上も前の建築には全く見えません。改修や手直しはしているものの、佇まいは竣工当時のままを保っています。
いつか中に入ってみたいなあ。
大使館の壁面にある誰でもムンクの叫びの主人公になれるコーナーはいつでも撮影可能です。▼
森山博之
有栖川 DUPLEX
2016年竣工
港区南麻布
2016年グッドデザイン賞受賞の住宅です。パンチングメタルを使ったファサードが印象的。▼
なんと、このマンション賃貸部分は、24時間楽器演奏可能な防音性能をがあるそうです。すごい!
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クライン・ダイサム アーキテクツ
旧Billboard Building(現betweem the arts)
2004年竣工
港区元麻布2丁目2−10 MAP
元麻布の愛育病院前交差点にある白い建物です。
竣工から2015年まではアクセサリーなどを扱うショップでした。
現在は、ギャラリーになっています。
竣工時からあるファサードに施された樹々のシルエットデザインは一部改訂されましたが今もまだ残っています。▲
左側のガラスではないカーブを描いた部分は、1階がトイレで2階が給湯室です。
実は、以前のアクセサリー関係のショップのオーナーはなんとあの紙管の建築家坂茂の奥様だったんです。
残念ながら2015年に閉店してしまいました。
谷口吉生
エノテカ広尾本店
谷口吉生+河野正博 設計、インテリアデザイン 植木莞爾、1999年竣工
東京都港区南麻布5丁目14−15 MAP
内装が植木莞爾であることはわかりましたが、これ、本当に谷口吉生なのか、どこまで関わっているのか、イマイチわかりませんでした。
夜の方が綺麗だったりします。▼
谷口吉生ぽい?
谷口吉郎、谷口吉生
慶應義塾幼稚舎
東京都渋谷区恵比寿2丁目35−1 MAP
幼稚舎の本館と自尊館を父谷口吉郎が、息子谷口吉郎が新館を手がけていますが、中に入ることはできず、全然外からは見えないので、正門の写真です。この時計塔のある建物が本館でいいのかな?▼
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横河健
広尾コンプレックス
1期2003年、2期2005年竣工
東京都港区南麻布4丁目2 MAP
駅前の外苑西通り沿いに建つ不思議なファサードの建物です。▼
1期2期に分けて完成しています。
坂茂
TOGO HOUSE
2000年竣工
東京都港区南麻布5-11-12 MAP
以前は地下に写真専門のギャラリーが入っていたのでよく訪れましたが、現在は移転して普通のオフィスになってしまったので、中に入れなくなってしまいました。
地下とはいえ吹き抜けが気持ちいい広々した空間でした。▼
地下1階、地上2階の住宅とオフィスです。
PR日本設計
ブリヂストングローバル研修センター
2011年竣工
東京都港区南麻布5丁目1−7 MAP
ブリヂストンの研修施設です。
段々に積層した研修室を傾斜したガラスで覆い、その間の階段や屋外テラスはリフレッシュ空間となっています。
入り口と逆側は全面グリーンウォールです。▼
今津康夫 / ninkipen
分とく山
2018年竣工
東京都港区南麻布5丁目1−5 MAP
西麻布の「とく山」の料理長が2001年にオープンした日本料理店「分とく山」で、2004年にこの地に移転してきました。移転当時の店舗は隈研吾設計でしたが、2018年にリニューアルした店舗は今津康夫設計です。
コンクリートブロックでアルコーブから伸びる桧板瓦のキャノピーと壁から持ち出した桧と真鍮の馬蹄形ルーバーが上品で高級感が漂います。完成当時より、ルーバーとコンクリートブロックが馴染んできています。
また、車通りの多い外苑西通りに面しているにもかかわらず、道路からかなりセットバックしており、手前の植栽の効果も優雅な導入の演出効果が抜群です。▼
内部空間も樹種やラタン、和紙、タイル、漆などを階と室ごとに使い分けられていて、品のある日本料理店らしい店内であることは写真で確認していますが、自身はお店に入ったことはありません。
PRテレデザイン
esq
2007年竣工
東京都港区南麻布5丁目10−37 MAP
外苑西通りに面して建つオフィスビルです。
最上階はテラスもあるんです。これは気持ちいいでしょうね。この最上階に入っているのは、代官山のギャラリーLOKO GALLERYやイッセイミヤケのBAOBAOの店舗デザインなどを手がけるMOMENTが入っています。▼
1階は超高級車ブガッティのショールームです。
この写真を撮影した時は両隣が低層なので目立っています。現在は隣が工事中なので同じくらいの高さのビルが建ちそうです。
おまけ
アパホテルの社長のご自宅です。設計は誰だか調べてません。この辺りで一番のキテレツ建築です。前を通りがかったらすぐにわかるはずです。▼
PR都内建築巡り<広尾その1>、<広尾その2>と主に渋谷区広尾側と港区南麻布側の2回に分けてまとめてみました。今後も追記するかその3を作るか、続けていきたいと思います。
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