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住むことができる芸術作品 荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅の見学会に行ってみた


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三鷹市にある芸術家であり建築家でもある荒川修作+マドリン・ギンズの三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller  ~ヘレン・ケラーのために~ 「死なないための家」の見学に行ってきました。

三鷹天命反転住宅は、岐阜県にある養老天命反転地の開園の10年後の2005年に完成した集合住宅で、家賃を払って実際に人が住むことができる賃貸住宅です。

実際に人が住んでいるのでは、外観を眺めるだけしかできないのでは?と思いますが、三鷹天命反転住宅では、学芸担当による建物見学会という事前予約制の見学会を定期的に行なっています。

この見学会に参加すれば、建物の中に入ることができるだけでなく、学芸担当の方による解説も聞けて、写真撮影もできるんです。というわけで早速その見学会に参加してきましたので、三鷹天命反転住宅の内部や間取りなどの様子をレポートします。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅 内部の様子
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三鷹天命反転住宅とは

現代美術作家であり、建築家である荒川修作とその妻で詩人でありアーティストのマドリン・ギンズが手がけた共同住宅が三鷹天命反転住宅です。完成は2005年ですから、すでに18年経っています。

完成を知って行こう行こうと思いつつなんと18年も経ってしまったわけです。

岐阜県にある養老天命反転地は、あまりにも有名ですが、こちらは1995年に開園しています。ここには開園後すぐに足を運びましたが、それは前世紀のことなので、久しぶりに再訪したいと思いつつ未だ行けずじまいです。ようやく養老と三鷹両方の体験ができたのですが、あまりにも時差がありすぎて養老の記憶が…。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
色彩豊かな外観

さて、三鷹天命反転住宅は荒川修作とマドリン・ギンズによる住宅建築であると同時に芸術作品でもあります。

実は、三鷹天命反転住宅と同時期に愛知県名古屋市に「志段味循環型モデル住宅」が完成しています。

これは荒川修作が基本構想を描き名古屋市住宅供給公社が守山区に建設した実験住宅で、建物はRC造の平屋建て(A棟)が1棟、2階建てが3棟(B~D棟)あり、2LDK7戸の集合住宅です。

現在は、「シティ・ファミリー志段味」に名称が変更されています。こちらもいつか訪問したらブログに書いていきたいと思います。

さて、肝心な三鷹天命反転住宅ですが、こちらは養老や志段味と違い、2002年に設立された荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所が直接管理・運営しています

住宅は、全部で9戸。内外装に14色の鮮やかな色が施され、各々部屋によって色の組合せが違うのも特徴です。9戸のうち賃貸住宅として実際に人が住んでいるのが約半分。

あとの半分は荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所のオフィスと、見学会やショートスティ、テレワークなどで一般の方でも有償ですが利用できるようになっています。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
共用部も色彩豊か

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建物見学会

天命反転住宅は、コロナ禍に改修工事を行なっており、その間見学会は中止していました。

改修工事が終了した2023年3月から建物見学会が再開されたので、早速web予約をして参加してきました。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
入り口に出ている案内

▲集合時間前に現地に着くと、このような看板が出ていました。

改修前の様子を知らないので憶測ですが、塗装もやり直したのか、とても鮮やかで綺麗でした。

時間になると門を入った場所で受付が始まります。見学会の料金はここで支払います。見学料は大人1人2800円です。

3階へ

そして、スタッフに促され内部見学ができる303号室へ向かいます。階段でも行けますし、ちゃんとエレベーターもありました。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
エレベータと階段が並ぶ

▲3階へは階段でもエレベーターでもどちらで向かっても構いません。

赤いコーンは、見学者が居住エリアに入らないように見学会の時だけ置いているもので、通常はありません。しかし、色がこの住宅にマッチしすぎていて、注意を促す存在であるはずの赤いコーンが空間にとっても馴染んでしまっています。

内部へ

303号室の中に入ってしばし待機です。

見学会の参加者は、20人いませんでした。きっと定員は20人くらいなのでしょう。しかし私が参加した会は20人いなかったです。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
3LDKの303号室

▲ジャーン!これが三鷹天命反転住宅の内部です。

写真を見ただけで普通ではないのは一目瞭然です。そうです。この住宅は現代美術の作品なのですから。天命反転住宅には2LDK(スタディ、寝室)と3LDK(スタディ、寝室、畳部屋)の2タイプの間取りがあります。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
3LDKにしかない畳部屋(和室)

見学した303号室は3LDKです。

中央の一段下がったところにキッチン、ダイニングテーブルが一体化したスペース。その周りに各居室(スタディ、寝室、畳部屋、トイレ・洗面・シャワールーム)がぐるりと囲んでいます。

左側の外側が緑、内部がピンクの部屋は畳部屋要するに和室です。円形に畳が入っています。その隣が洗面、シャワー室、洗濯機置き場、そしてシャワー室の裏側にトイレがあります。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
外の景色を楽しみながらのトレイタイム!?

▲トイレはシャワーブースの裏側なのでキッチンスペースからは見えませんが、特に個室にはなっておらず扉などもありません。

かなり開放的なトイレです。

使ってもいいと言われましたが、使う勇気はありませんでした。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
スタディ

▲和室と玄関の間にあるのは、黄色い円形の部屋スタディです。

スタディの床は球体状にくり抜かれたような形で、フラットではないので、何かものを置いたりすることは難しそうです。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
トイレ・シャワールーム・洗面・洗濯機置き場と寝室(右)

▲写真では、見切れていますが、オレンジ色の壁の部屋が一番普通の部屋でした。ここは寝室です。寝室の床がフラットで良かった!

キッチン周りの居室以外の床は全てぼこぼこしていて、終始足裏を刺激されます。

これも荒川・ギンズの意図するところであるわけですが。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
斜めに設置されたモニター

▲インターフォンのモニターだって普通に設置されてはいません。

こんな感じで横を向いています。

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解説

部屋に移動したら、まずは学芸担当者による解説があります。

荒川修作とマドリン・ギンズ、そして奈義町や養老天命反転地の存在について全く知識のない方向けの解説になっているので、何も知らずに訪れても大丈夫です。

解説のハードルは超初心者用に設定されています。

私自身は、高校生の時に荒川修作に出会い、1991年の東京国立近代美術館で開催した「荒川修作の実験展-見る者がつくられる場」も鑑賞しているのでもっと深掘りした内容を期待していましたが、こればかりは仕方がありません。

三鷹天命反転住宅
窓のガラスも網入りや曇りガラスなど様々です。

荒川修作を知らずして、どうやってこの三鷹天命反転住宅の見学会にたどり着くのか私には謎ですが、昨今のSNSによって荒川修作を入り口としてではなく、”写真映えするスポット”として訪れる人が多いようです。

というか、私たち以外は皆さん映えスポット派だったようです。

しかしながらどんな動機であれ、この住宅が周知され、没後とはいえ荒川修作とマドリン・ギンズの世界が世に浸透するのは悪いことではありません。

この住宅が未来永劫芸術作品として、受け継がれていくためには、多くの人にこの場所の存在を知ってもらう必要があるからです。

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体験

解説を聞いたら、ぼこぼこの床を足裏で踏みしめながら、内部を体験していきます。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
畳部屋

▲ハンモックのかかっている横にある赤いハシゴは大人が昇り降りしても大丈夫です。

和室の床下に引き出しがあります。これがこの家の唯一の収納スペースです。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
スタディ内部

▲天井に無数にあるフック、これに大きなSカン(S字フック)を引っ掛けて、自分の荷物を吊るしてみるように促されます。

実際に居住する場合もこの天井のフックを利用して色々なものを吊るして収納するよう推奨されています。

▲住宅内に用意された長いSカンがあるので、これを自分の好きな場所にぶら下げて、収納するのです。

あっという間にいろんなものがぶら下がる不思議空間になりました。写真はありませんが。

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オフィス

303を見学したら、最後にオフィスとして使用している1階の部屋にいきます。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
オフィス内部

▲303号室は見学会や宿泊用の部屋なので、素の状態の天命反転住宅ですが、オフィスは実際に使われいてる見本のような部屋です。

天井のフックを使って吊り戸棚が取り付けられ、ハシゴは本棚になっていました。キッチンは、生活感溢れる状態です。

奥の球体の部屋にはブランコが設置されていました。仕事の休憩時間にブランコを漕いだりするんでしょうかね。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
1階オフィスの畳部屋

▲オフィスなので、床がフラットな部屋は畳であろうが、デスクが置かれていました。

キャスター付き椅子で傷つかないように畳の上にはマットが敷かれています。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
1階オフィスの寝室

▲寝室も床がフラットなのでオフィス然としています。この写真だと天命反転住宅とは思えない感じですね。

見学会の最後に天命反転住宅の使用法が掲載されたリーフレットが配布されるので帰り道に熟読しました。

生活感のない素の状態の部屋の見学と実際に使っている部屋と両方が見られたのが面白かったです。

荒川修作は好きですが、実際にここで生活する事になったらやっぱり戸惑うでしょうね。

宿泊体験なら是非してみたいです!

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
オフィスのスタディのブランコ

三鷹天命反転住宅への行き方

アクセスですが、どこの駅からも徒歩だとかなり時間がかかります。ですからバスでアクセスするのが推奨されています。

大沢十字路というバス停だと天命反転住宅の目の前に停車するので迷いようがありません。いっそのこと「天命反転住宅前」にバス停名を変えたらいいのにと思いました。

大沢十字路バス停で降りるには、三鷹駅南口から[鷹51] 武蔵小金井駅行か[鷹52] 朝日町三丁目行、または調布駅から[境91] 武蔵小金井駅行に乗車します。乗車時間は17分ほどです。

荒川修作+マドリン・ギンズ 三鷹天命反転住宅
大沢十字路に着くと目の前にこの光景

バスに乗る時間が短いのは、武蔵境駅(南口)から[境91] 狛江駅(調布駅経由)行か[吉01] 吉祥寺駅行に乗って大沢で降ります。バスの乗車時間は7分ほどです。

また、天命反転住宅から徒歩5分ほどのところに国立天文台があります。ここは宇宙と歴史的建造物と自然が詰まっている魅力的な場所です。あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

 

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基本情報

三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller  ~ヘレン・ケラーのために~ 「死なないための家」

学芸担当者による建物見学会 事前予約制

所要時間: 1時間30分

参加費用: 大人 ¥2,800 子供(小・中・高校生) ¥1,000 幼稚園以下 無料

東京都三鷹市大沢2丁目2−8 MAP

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