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東京都庭園美術館恒例の建物公開2023「邸宅の記憶」旧朝香宮邸アール・デコ建築をくまなく見られる機会!ウィンターガーデンの見学も!


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毎年1回開催される東京都庭園美術館の華麗なるアール・デコ建築そのものを見るための展覧会「建物公開2023 邸宅の記憶」が今年も晴天の4月1日から始まりました。建物そのものが巨大な美術品とも言える旧朝香宮邸に、初めて訪れる方はもちろんのこと、何度も通っている私も毎年楽しみにしている庭園美術館ならではの展覧会です。

東京都庭園美術館は、美術館建築や展覧会をはじめとしてとその広い庭園、茶室、日本庭園、そしてレストランや新館のミュージアムショップとミュージアムカフェCafe TEIENなど一日中楽しめるまさに建築とアートの融合した東京を代表する場所です。

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年に一度の建物公開

東京都庭園美術館の建築(本館)は、1933年に朝香宮家の本邸として竣工した建物です。

この建物は、1920年代から30年代にかけて欧米を中心に世界中で流行したアール・デコ様式で建てられています。美術館本館は、約100年前のアール・デコ建築を現在に伝える最高の事例として重要文化財に指定されています。

旧朝香宮邸が美術館として1983年に開館しました。ですから今年は40周年となります。

これまでも数々の朝香宮邸の邸宅空間を活かした展覧会を鑑賞してきました。特に年に一度の建物公開展は、その建築空間に特化した展覧会で、意匠や技法、マテリアルなど細部に至るまで具に鑑賞することができる内容となっています。

しかも、毎年異なったテーマが設けられているので、私のような超リピーターでも楽しめるように工夫されています。

今回は、ここに住んでいた朝香宮家の人々に焦点を当て、宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示と共に、この場所を訪問した人々が記録した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などが展示され、邸宅として機能していた様子を窺い知ることのできる展覧会です。

庭園美術館の建物

庭園美術館の場所は港区白金台の一角。

目の前を目黒通り、裏には首都高速という大通りに面している敷地には旧朝香宮邸を改修した本館、現代美術作家の杉本博司を迎えて建設された新館、そして庭園美術館の名前の謂れでもある日本庭園と洋風庭園が配置されています。

▲正門から木立の中を抜けると広い前庭を持つ本館が見えてきます

▲正面玄関のアーチをくぐり抜けながら振り返るとよく手入れされた前庭が見えます。

桜の季節にはこの写真のようにピンクの桜が目に入りますし、また紅葉の季節には色づいた木々が見えるというシチュエーションです

写真撮影について

東京都庭園美術館は、展覧会ごとに撮影についてのルールが変わります。たいていの場合は、エリア限定あるいは撮影禁止が多いです。

しかし、年に一度のこの「建物公開」については写真撮影が可能です。

ただし動画撮影は禁止です。

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邸宅空間の再現展示

「邸宅の記憶」展のために再現された邸宅空間に足を踏み入れてみましょう。

▲正面玄関のアーチから入ったところからはガラス越しに「第一応接室」を見ることができますが、この部屋は邸宅内からも見ることができます。

▲1階の大広間を抜けた先の大客室でも当時を偲ばせる展示が行われています。

当時は大広間から香水塔の置かれた「次室(つぎのま)」を通って大客室へ入る動線だったそうです。

▲2階の書斎。

ここで館の主人が仕事を行ったのでしょう。

▲この書斎には入れませんが2方向から見学することができます。

内装の設計はアンリ・ラパンです。

▲書斎に併設された「書庫」。

いつもはカーテンが下ろされ薄暗い部屋なのですが、今回の展覧会ではカーテンが開けられ内部をじっくり見学することができます。この部屋に限らず美術作品が展示されている時はカーテンなどで塞がれている窓が見られるのも建物公開ならではです。

また、すぐに登れるようにラダーが設置されているのも珍しい光景です。

▲この部屋は若宮の寝室です。

前庭を見下ろすことができる場所に配置されています。

▲南側を向いた日当たりの良いベランダ。

床は国産の大理石を使い市松模様を描いています。

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邸宅の調度品

この邸宅はアールデコ期のフランスを代表する作家たちから協力を得て建築されています。

▲「大食堂」の中央に展示されているのは壁画レリーフのレプリカです。

実際のレリーフは石膏ですが、このレプリカはコンクリート製。というのは、フランスで制作されたオリジナルがコンクリート製だったから。日本に輸送する途中で壊れてしまったため、日本で石膏で再制作されたものが壁画レリーフに使われているからです。

このレリーフのレプリカは実際に手で触れて感触を確かめることができます。

▲バルコニーのタイルの復元品も展示されていますが、これも実際に手で触れることができます。

▲庭園美術館を訪れたことがある人にはお馴染みの「ペリカン」。見た目はペンギンですが名前はペリカンです。なぜペリカンと呼ばれているのかは、「東京都庭園美術館「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」観に行く前に知っておきたい情報を読んでください。

この3羽のペリカンは他の場所にもユーモラスなポーズで展示されていますよ。

▲新館では朝香宮家ゆかりの人々の品々が展示されています。

▲本館と新館を結ぶ通路にはハート型の模様が浮かび上がるのですが、さすがに4月ともなると日が高くなってきれいなハート型を見るのは難しくなってきました。ハートというより鱗のようですね。

この美しい現象についての記事は▼

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4年ぶりのウィンターガーデン公開

今回の「邸宅の記憶」展の目玉の一つはウィンターガーデン(温室)の特別公開でしょう。

毎年建物公開の時だけ特別に見学できるのですが、2019年の公開を最後に、COVID-19のパンデミック中は公開されることがなかったので4年ぶりの特別公開です。

久しぶりの市松模様と赤い椅子のモダンな空間に身を置くことができました。そして、ウインターガーデンだけあって、天気のいい日は汗ばむくらい暑いです。

▲ベランダと同様の市松模様ですが、ウィンターガーデンでは人造大理石が使われています。

▲椅子とテーブルは朝香宮自身が購入したマルセル・ブロイヤーです。

このウィンターガーデンの見学は申し込み制になっています。現地で口頭で見学を申し込み、注意書きを読んで了承したらウィンターガーデンに入ることを許可されるシステムです。

ウィンターガーデンの定員は9名。混雑時の見学は10分以内という制限が付いています。

プロジェクションマッピング

開館40周年記念のイベントのひとつとして「FUTURE ART TOKYO 2023」というプロジェクションマッピングが開催されます。

開催日は2023年4月8日(土)と9日(日)。

両日とも20時まで夜間開館を実施した上でのプロジェクションマッピングで、庭園入場料だけで見学することができます。詳細については庭園美術館のホームページで確認ください。

2023年はこのイベント以外にも40周年記念イベントがたくさんありそうなので、庭園美術館はますます要チェックです。

プロジェクションマッピングの様子はこちら▼

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茶室と日本庭園

本館と新館で「建物建築2023 邸宅の記憶」を堪能したら、茶室「光華」と日本庭園も忘れずに見学しておきましょう。

▲茶室「光華」は春の特別公開中。

といっても茶室には上がれず三和土から室内を見学するだけです。

▲日本庭園の池は桜の季節もほぼ終わり、新緑が映える状態になっています。

建築も展示品も庭園もカフェもお楽しみポイントが盛りだくさんの美術館です。

事前予約制

この展覧会は事前予約制です。

当日券でも入れますが、予約をしていけばスムーズに入れます。

また、当日券の場合必ず希望の時間に入れる保証はありません。

予約チケットの販売開始日一覧です。

1)  4月1日(土) ~4月15日(土)入場分  :3月7日(火) 10時 受付開始
2) 4月16日(日) ~4月30日(日)入場分:4月1日(土) 10時 受付開始
3) 5月2日(火) ~5月14日(日)入場分:4月15日(土) 10時 受付開始
4) 5月16日(火)~6月4日(日)入場分:5月1日(月) 10時 受付開始

庭園美術館をもっと知りたい方は過去の記事を読んでみてください。

▼アンリラパンによるアール・デコ建築

▼運が良ければ出会える庭園美術館の素敵なシーン

▼ミュージアムカフェCafe TEIEN

▼庭園美術館の茶室

基本情報

建物公開2023 邸宅の記憶

2023年4月1日(土)-6月4日(日)

10:00–18:00 月休

オンラインによる日時予約制

料金:一般1000円、大学生800円、中高生・65歳以上500円

東京都庭園美術館(本館+新館)

東京都港区白金台5-21-9 MAP

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