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曲面ガラスが美しいフィーチャー・システムズ 往年のデザイン コムデギャルソン青山店


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表参道駅からほど近い場所にあるコムデギャルソン青山店は、老若男女問わず、日本だけでなく世界中にファンを持つ大人気のファッションブランド、コムデギャルソンの第一号店です。

青山店はレディース、メンズ、ギャルソンのほぼ全てのラインナップが揃い、世界中のギャルソンファンが集う店舗でもあります。

今回は、コムデギャルソン青山店の竣工当時斬新で話題になったショップのデザインと不定期で開催されるアートの展示についてレポートします。

今見てもこのショップは、コムデギャルソンらしい強烈な個性を感じるものの、何年経っても飽きのこない普遍的なデザインで、惚れ惚れする秀逸なデザインです。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

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Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

コムデギャルソン/Comme des Garçonsは、ご存知の通りデザイナー川久保玲が1969年に立ち上げたファッションブランドです。

コムデギャルソン青山店は、その第一号店で、1975年にオープンしましたが、その時は現在の場所ではありませんでした。現在の場所に移転してきたのは1989年です。

1999年にファサードのデザインをイギリスのフィーチャー・システムズがデザインし、リニューアルオープンしました。

そして、2012年に再度リニューアルしましたが、内装は変わったもののファサードデザインは、青いドットのフィルムがはずされて透明なガラスだけになっただけで、その優美なフォルムは1999年当時のままです。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

川久保玲は、80年代、90年代はショップのデザインにインテリアデザイナーを起用していましたが、現在はコムデギャルソンだけでなくドーバーストリートマーケットを含めて、ギャルソンのショップの空間全て自身でデザインを手掛けています。

施工は全て倉俣史朗と懇意にしていた故石丸氏が立ち上げたイシマルが担当しています。ですから、現在の川久保玲関係のショップはほぼ全て川久保玲とイシマルによるものです。

衝突防止のシール貼るの川久保玲は嫌だっただろうなぁ。▼

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

24年ぶりに増床

1999年以来24年ぶりに増床を伴う大規模リニューアルを実施しました。なんと2階も店舗になったのです。1階の売り場面積は従来と変わらず600平方メートルで、2階に新たに400平方メートルが加わりました。

1階の売り場奥に2階へ上る螺旋階段ができていました。

売り場面積が広がったことで空間を贅沢に使えるようになっています。内装デザインは、もちろん全て川久保玲によるものです。

しかし、1階のショップは従来のイメージのままのため、外から見てもリニューアルしたのはあまり分かりません。

フィーチャーシステムズ/Future Systems

フューチャー・システムズは、その名が示す通り世界でも有数の革新的なデザイン事務所としてその名を馳せたチェコ出身の建築家ジャン・カプリッキー/Jan Kaplickýとアマンダ・レェヴィーテ/Amanda Leveteによるイギリスのデザインユニットです。18歳差の2人は夫婦でしたが2006年に離婚しています。

ジャン・カプリッキーは、過去にレンゾ・ピアノの事務所やノーマン・フォスター のFoster and Partners に在籍していたことがあります。

名を馳せたと過去形にしたのは、ジャン・カプリッキーが2009年に亡くなり、事務所も解散してしまったからです。

元妻のアマンダ・レェヴィーテは現在、自身の建築事務所AL_Aを主宰しています。青いドットのシートが貼られた竣工当時のコムデギャルソン青山店の写真がAL_AのHPに掲載されています。興味のある方はここをクリック!

フィーチャー・システムズで有名なのはローズ・クリケット場やセルフリッジ百貨店など多々あります。その建築は、フィーチャーというよりレトロフィーチャーの方がしっくりくるような気がしますが、興味がある方はググってみてください。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

さて、コムデギャルソンの店舗は、現在デザイナーを起用することなく川久保玲による空間ばかりですが、そんなコムデギャルソンの本拠地とも言える青山店のファサードのデザインが99年から23年経っても変わっていないのは特筆すべきことではないでしょうか。

今でこそギャルソンの5年後にオープンしたSANAAの金沢21世紀美術館をはじめとして、曲面ガラスのファサードは珍しくなくなりましたが、コムデギャルソン青山店がリニューアルオープンした当時、これは一体なんなんだ!と脚光を浴びたものです。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

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過去のファサード

全面ガラス張りで店内が丸見えなので、ウィンドウディスプレイという表現がしっくりこないため、ファサードと表記します。

過去には、PLAYが全面にフィーチャーされていたこともあります。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

これは写真家森山大道とのコラボインスタレーションです。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

モノクロの森山大道の写真はギャルソンとの親和性が高い。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

青山店のアイコン?ごろごろトルソ(←勝手に命名)とも共鳴しています。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

店内照明が点灯する夜こそガラスの美しさが際立ちます。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

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クリスチャン・マークレー/Christian Marclay<終了>

コムデギャルソン青山店のガラスのファサードに現在、クリスチャン・マークレーのインスタレーションが展示されています。

2022年5月末から青山店と大阪店で同時に始まったようですが、いつまで展示されているのかがわかりませんでした。すでに展示は終了しています。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

クリスチャン・マークレーは、2021年11月から2022年3月まで東京都現代美術館で個展を開催していた大御所アーティストです。日本ではギャラリー小柳がプライマリギャラリーです。

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

現在、店頭の作品展示だけでなく、ギャルソンとクリスチャン・マークレーとの様々なコラボアイテムが販売されています。私は、店の前の歩いていたところ、クリスチャン・マークレーのインスタレーションに気が付き、近寄って見に行ったのですが、ギャルソンとしては、当然インスタレーションよりも完全にこのコラボアイテムの販売がメインですね。

東京都現代美術館での個展の様子はこちらから。やっと出た図録はAmazonから購入できます▼

クリスチャン・マークレーと久保田成子とMOTコレクション journals Vol.2 東京都現代美術館


99年にアッと言わせた(当時は細かいブルーのドット柄だったので青いファサードだった)フィーチャーシステムズデザインのファサードは、今でも全く色褪せないデザインです。

なぜなら、23年経った今でも、前を通りがかるたびにこの波打つガラスのファサードに目を奪われ足を止めてしまうこともしばしばです。

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基本情報

Comme des Garçons/コムデギャルソン青山店

11:00-20:00

東京都港区南青山5-2-1 MAP

アクセス:東京メトロ表参道駅A5出口徒歩1分

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