代官山ヒルサイドテラスのアートフロントギャラリーで開催中の中谷ミチコ「引き出しの中のドロードローイング」展を見てきました。あわせて虎ノ門駅ホームに昨年設置されたパブリックアート「白い虎が見ている」も紹介します。
引き出しの中のドローイング
今夏リニューアルオープンした越後妻有里山現代美術館に収蔵の彫刻作品の為のドローイングや、コロナ禍の中で日常的に描き続けてきたドローイングを「引き出しの中のドローイング」と題して展示しています。
展覧会風景
ギャラリーの壁面には額装されず紙のままのドローイングがびっしり貼られていて、まずはその数に圧倒されます。
今まで中谷ミチコのドローイングは、主にA4サイズ程度の小さなものでしたが、今回は立体作品を想起させる大型のドローイングも展示されています。
どこか儚げで、少し切ないながらも懐かしさを感じるのは、誰もが経験したことのある子供の頃に感じた不安とか、希望とか、孤独とか、連帯とか、風景や情景を思い起こさせるものがあるからでしょうか。
技法は主に紙に水彩、または紙に色鉛筆です。▼
なんとも言えない情景描写が人の心を捉えます▼
大型ドローイング
階段下のスペースに展示されている大型のドローイングです。
「潜む」2021 紙にパステル▼
彫刻作品
中谷ミチコ特有の凹凸が逆転したレリーフ作品
「黒い傘」2020 ▼
板に左官材の作品
「寝ているカラス」2021▼
展覧会期
中谷ミチコ 「引き出しの中のドローイング」
アートフロントギャラリー
2021年8月6日(金) – 9月5日(日) 月火休 水~金 12:00-19:00 / 土日 11:00 – 17:00
白い虎が見ている
東京メトロ銀座線駅渋谷方面行きホームに2020年設置された中谷ミチコ制作のパブリックアートです。
反対側のホームからみた作品。ホームドアと柱があってちょっと見づらい。▼
渋谷方面行きホームから。両脇に柱があってひきで撮るのはこれが限界。
それを想定しての構図なのでしょう。両脇にまだまだ余白はあるのですが、レリーフ部分はちゃんと柱に隠れることなくおさまります。▼
通常の作品のようにアクリル樹脂でフラットにされていないので凹面であることがよくわかります。▼
横から見るとよくわかります。ちょっと埃がたまり始めていますね。どうなってるんだろう?って触った人の手の跡が無数についています。▼
虎ノ門駅に因んだ虎モチーフの中谷作品はダークな色で統一された虎ノ門駅ホーム上で一際目を引きます。一見優しい色合いのほんわかした作品なのですが、その裏に隠された強いメッセージを感じずにはいられません。
中谷ミチコ 「白い虎が見ている」 東京メトロ銀座線 渋谷方面行きホーム(改札内)