代官山
旧山手通りと八幡通りの交差点の角にある槇文彦設計の代官山ヒルサイドテラスの中で一番古いA棟にあるアートフロントギャラリーで開催中の角文平「The garden / Secret room」の展覧会に行ってきました。
アートフロントギャラリーって以前は会社名がアートフロントギャラリーでギャラリーの名前はヒルサイドギャラリーだったってことを知っている方はまぁまぁな年齢ってことです。かくいう私もよーく知っております。
アートフロントギャラリーはあの大地の芸術祭を運営している会社です。遡れば、パブリックアートが集結したファーレ立川もアートフロントギャラリーです。大地の芸術祭は今乱立している芸術祭の草分け的存在で、第1回目は2000年で、私は1回目に足を運んでいるのですが、最近行ってないのできっと目覚ましい発展にびっくりすると思います。
さて、角文平展です。アートフロントギャラリーが運営する瀬戸内国際芸術祭(2013)や 奥能登国際芸術祭(2017)に参加しています。
スパイダーマンがビルを蕎麦屋の出前のように持ち上げています。▼
このカラフルでポップなレリーフどこかで見たことありますね。壁を素手で登るボルダリングのホールドですね。ボルダリングはTOKYO2020のオリンピックから正式種目になりました。そういう意味では非常に旬なスポーツの一つです。ボルダリングの壁面上の身体の動きがアートへと転嫁する作品です。
実際のボルダリングの壁にはこのようなモールディングが施されていることはありませんが、まるで枯山水のようです。▼
こちらは階段下のもう一つのスペースです。こちらも角文平の作品展示があります。
“Secret room” 2021▼
古びたトランクや窓枠などに囲まれたカーペットのスペースではルンバが激しく、そしてなんだか虚しく動き回っています。左下の時計がさす時間に注目です。▼
これは被爆した建物である旧日本銀行広島支店で発表された作品で、実際にその場所で起きたこととは別の架空のストーリーを表現したインスタレーションです。爆風で家具が散らばった部屋の中でひっそりと動き続けるルンバ、まるで核戦争で人類が滅亡した後にAIだけが生き残っている映画のワンシーンを見ているかのようです。▼
こちらは角文平の商品作品展示です。▼
木が椅子に変貌したのか、椅子からきが生えていると解釈すべきなのか▼
こちらも同様です。木彫りの熊に芽が生えているのか、木の芽の彫刻の続きに熊を彫ったのか。▼
ナイフの柄に小さな芽が密集して生えてきています▼
これらも全て角文平の作品です。▼
ボルダリングシリーズの最新作から広島のインスタレーション、そして様々な小品まで、角文平というアーティストの全体感がよくわかる展覧会です。
角文平 The garden / Secret room
ART FRONT GALLERY
2021.5.21-6.20 水~金 12:00-19:00 / 土日 11:00 – 17:00 月火休
渋谷区猿楽町29−18 ヒルサイドテラスA棟 MAP