上野の東京都美術館で2025年3月1日(土)から7月6日(日)にかけて開催される《ミロ展》の報道内覧会に参加しました。
スペイン、カタルーニャ出身の画家で日本でも人気の高いジョアン・ミロ(ホアン・ミロ)の70年にわたる創作活動全体を振り返る回顧展です。
1966年に東京国立近代美術館での回顧展のために初来日してから約60年、また没後40年も過ぎたところで、日本や世界各地からミロの名品を100点余り集めての展覧会になります。
シュルレリストとして名をなし、独特のフォルムや色彩で ”ミロ” というジャンルでしか説明できない境地にまで達したアーティストの大回顧展。これは行かない理由が見つかりません。

ジョアン・ミロ
ジョアン・ミロ(Joan Miró i Ferrà)はスペイン、バルセロナ出身の、20世紀を代表するアーティストです。その活動は画家としてだけでなく、彫刻、版画、陶芸など広い分野にわたります。
1920年にパリに移住しピカソなどとも交流しつつ、シュルレリストとして作品を発表しています。
ミロの作品は、フォルム、色彩など一目見ればミロだと分かるもので、日本だけでなく世界的にも人気が高いアーティストです。

▲亡くなったのは1983年。まだ40年ちょっとしか経っていません。
ミロ展の構成
ミロはWW2前のパリ、シュルレアリスムの時代、戦中、戦後、晩年と比較的辿りやすい生涯を送っています。
ミロ展でもその時代に沿って5つの章から構成されています。
カタルーニャからパリへ (1910s-1920)
カタルーニャ(バルセロナ)での若き画家としての時代
パリ シュルレアリスムの熱狂 (1920s)
1920年にパリに移住しピカソと交流したりシュルレリストたちのサークルと交流していた時代
戦禍を逃れて (1930s-1946)
戦争中はパリを離れるも年齢的にも油の乗った時期で数々の傑作を残していた時代
アメリカでの名声 (1940s-1960s)
第二次世界大戦後いろいろな意味で世界の中心になったアメリカで評価されるようになった時代
新たな挑戦 (1970s)
晩年になっても新しい表現に挑戦し続けた、まさにマエストロとしての時代。
時代を追ってその作風の変化、逆に何も変わらずミロであり続ける部分を見ることができる、回顧展の王道なスタイルです。
ミロ展のみどころ
ミロ展では代表作や傑作と言われる作品が数多く出品されていますが、その中から話題の作品をいくつか紹介します。

▲大きなアトリエをもったことで可能になった大作《花火I》《花火II》《花火III》。
日本初公開となる作品です。

▲代表作でもある《星座》シリーズ。
全部で23枚が描かれたのですが世界中に散らばって収蔵されていて、そのうちの3点が出品されています。
通常とはちょっと異なる照明の当て方がされています。

▲日常で見かけるオブジェを組み合わせ、ミロらしい鮮やかな色彩を施された立体作品。
全体で100点弱の作品が出品され、3フロアを使った5章構成。普通に見ても1時間では済まないボリュームです。
また音声ガイド(650円)のナビゲーターはEXILE/三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典さん、ナレーションは声優の坂本真綾さんです。
ミロ展ミュージアムショップ
5章が終わると特設ミュージアムショップが展覧会会場最後に設置されています。

▲展覧会図録は3,600円(税込み)です。この図録なんと装丁が3種類あります。
青い表紙には《明けの明星》が、黄色い表紙には《涙の微笑》が、赤い表紙には《絵画=詩(栗毛の彼女を愛する幸せ)》が使われています。
思わず3種類とも買いたくなりますが中身はどれも同じです。

▲Tシャツ、トートバッグ、マグネット、ポストカードなどグッズ類も豊富。

▲ミロはバルセロナの人ですからサッカーはもちろんFCバルセロナ。
FCバルセロナの創立74年を記念したポスターも手掛けていますし、本展にはFCバルセロナも特別協力として名を連ねています。
そのFCバルセロナ関連のグッズも販売されていますから、フットボールファンの方も気になることでしょう。
ミロ展の混雑状況
ミロ展は3月から7月上旬まで4ヶ月という長い会期です。
日本でも人気の高いジョアン・ミロの回顧展ですし、朝日新聞やテレビ朝日という大メディアが主催者ですからすぐに話題沸騰の人気展になると思います。
開幕するのは春休み、その後はGWと続きます。通常このスケジュールだとGWからそれ以降は大混雑になるものです。会期後半になれば空くなんてことはないので、ミロ展に気が付いたら(本記事を読んだら)すぐにチケットを買って東京都美術館に向かうことをお奨めします。できればGW前に訪問したいですね。
ミロ展の写真撮影
最近は全面的に写真撮影可能な展覧会も増えてきていますが本展は原則として写真・動画撮影は禁止です。ミロはまだ没後40年足らずで著作権管理もしっかりされているのでこの処置には納得です。
ただし一部展示室だけは撮影可能です。展覧会場での最新の指示に従ってください。
▲すべての展示が終わり出口へ向かう途中にフォトスポットが用意されています。ここでは気兼ねなく撮影することが可能です。
ただし館内は三脚、自撮り棒の使用は禁止されていて、そのルールはこのフォトスポットにも適用されますから注意してください。
※本記事は報道内覧会で特別に許可を得て撮影した写真を使用しています。
ミロ展のチケット
土曜・日曜・祝日は日時指定予約制です。公式オンラインチケット(e-tix)や各プレイガイドで予約し購入してください。
平日は日時指定は不要です。
また会期を通して18歳以下と高校生以下は無料です。年齢を確認できる証明書を持参すれば無料で入館できます。春休みに上野公園でジョアン・ミロの傑作を鑑賞してみましょう。
さらに2025年3月1日(土)から3月16日(日)に限り大学生と専門学校生は無料という嬉しいプログラムも用意されています。
関連イベント
ミロ展の開幕直後、3月1日から3月16日かけては「スペイン・ミロウィーク」という関連イベントが開催されています。
3月6日は36(ミロ)の日なのでその前後にいろいろなプログラムが用意されています。
大学生・専門学校生が無料になるのは「来て☆ミロ」というプログラムです。

「食べて☆ミロ」プログラムでは2台のキッチンカーが出店しますし、「聞いて☆ミロ」という講演会やギターリサイタルのプログラム、そして「もらって☆ミロ」という非売品の展覧会オリジナルステッカーをもらえるプログラムも用意されています。
また3月6日のミロの日には特別企画も用意されています。
展覧会はなんでもそうですが、とにかく早めに訪問すればいろいろ良いことがあります。
基本情報
ミロ展
会期:2025年3月1日(土) ~ 7月6日(日) 開室時間:9:30 – 17:30 (金曜日は20:00まで) 休室日:月曜日と5月7日(水)。ただし4月28日(月)と5月5日(月)は開室 通常券:一般 2,300円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,600円、18歳以下・高校生以下は無料 チケット:土曜・日曜・祝日は日時指定予約(当日券もあり) 会場:東京都美術館 住所:東京都台東区上野公園8−36 MAP アクセス:JR上野駅 公園改札から徒歩7分、地下鉄上野駅 7番出口から徒歩10分、京成電鉄 京成上野駅から徒歩10分 |