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「オムニスカルプチャーズ — 彫刻となる場所」の須田悦弘作品を観にムサビへ


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久しぶりに

ムサビにある武蔵野美術大学美術館で面白そうな展覧会が始まったので早速行ってきました。ムサビに来るのは何年ぶりでしょうか。大学時代は自分の大学の次くらいに行っていた大学ですが、訪問するのはもう何年ぶりか定かではありません。そもそも国分寺に降り立つのだって一体いつ以来なんだろうか。

オムニスカルチャーズ 彫刻となる場所

国分寺駅

中央線を降りるとそこにはもう未知の世界でした。ただ、駅ビルが丸井なのは変わってなかったけれど、逆に言うとそれ以外はまるっきり別の駅に降りたかのような変貌ぶりでした。西武国分寺線で鷹の台まで行ってそこから玉川上水緑道を散策しながら向かうのも風情があっていいけれど、やっぱり楽な国分寺駅から西武バスでムサビへ。

芦原義信

美術館は、藤本壮介設計の新しい図書館が竣工した2010年にかつて図書館だった建物を「美術館・図書館」と名称変更された場所です。1967年竣工のここの設計は芦原義信で大学の正門の真正面にどっしり構えるムサビを象徴するモダニズム建築です。芦原義信は1964年に4号館、65年に7号館、67年に美術館・図書館、68年に正門と1号館を手がけています。その後40年以上に渡り、この芦原義信の基本構想を尊重しながらキャンパスの建築が設計され現在に至ります。

1号館越しに見る美術館。この感じは私が知ってるかつてのムサビの風景そのままです。▼

ムサビ1号館越しの美術館建築

展覧会の目的

「オムニスカルプチャーズ — 彫刻となる場所」を観にきた最大の目的は須田悦弘作品の鑑賞です。先日観に行った明治神宮宝物殿で開催の気韻生動は出品が1点だけでしかも探す必要のない展示だったので、今回はもう少し須田作品らしさがあるといいなぁと期待を持ってやってきました。気韻生動展の様子はこちらを参照ください。

オムニスカルプチャーズ

会場図

手書きのなかなか斬新な会場図が張り出され、配布もされていました。

会場図面

須田悦弘作品

須田作品の醍醐味はまず展覧会場のどこにいくつ作品が隠れているのかを探す事でしょう。本人が「自分の作品は他の人の作品の邪魔をしない」と語っていましたが、邪魔どころか、その存在に気づかずに素通りされる作品もあったりします。2018年のヴァンジ彫刻庭園美術館での須田悦弘「ミテクレマチス」展では何か所かそういう場所に設置された作品がありました。その時のブログはこちらを参照ください。

見つける楽しみ

美術館に入った時、ヨシ!受けて立とうじゃないか!と覚悟したものの、会場図を参照してしまったためおおよその場所については目星がつきました。とはいえ、見取り図の方もかなりざっくりした物なので案外苦労するかな?と思いつつ鑑賞開始しました。

美術館の吹き抜け大空間▼

展覧会風景

出品されている須田作品は4か所5作品です。花が2点、雑草が3点です。雑草3点は近い場所にあるので、3つのポイントを探せばいいわけです。1点目は割と楽に見つかりました。そして、そこからそんなに離れていない場所にそれぞれ展示されていたのでわかり易い方だったかもしれません。

一番見つけ易いクレマチスの花。この作品を起点に探してみましょう▼

須田悦弘

知らない人のために一応書いておくと須田作品は全て木彫です。木を彫って彩色して本物そっくりの植物を制作しているアーティストです。いつも儚くて美しくそれでいて凛とした強さのある作品を制作しています。今回の展示は作品点数も設置場所も須田作品らしくて大満足でした。わざわざ小平まで行ってよかったです。

伊藤誠

今回出品の作家の中で、ある意味須田作品と対極にあって、実に抽象的で面白い作品を制作するのが伊藤誠さんです。私はずいぶん前から伊藤誠作品が好きで1点だけですが作品を持っています。立体作品は価格的に購入できなかったので、平面のドローイング作品なのですが、かなり時間が経った今でも全く飽きないし、大好きな作品で、どこへ引っ越しても家の中に飾っています。伊藤誠さんは素材には縛られずいろいろな物を使って立体を制作しています。それは何ものでもなく、そして何かに見えるものです。

もうなんだかよくわからないけれど、とぼけてて面白い▼

伊藤誠

小谷元彦

なんだかんだ一番最初に観た卒業制作のインパクトが凄かったアーティスト。現在もインパクトのある作品を創作し続けていてその枯渇することのないクリエイティビティが魅力です。

小谷元彦

展覧会の様子は動画で参照ください。

出品作家

戸谷成雄舟越桂、伊藤誠、青木野枝三沢厚彦西尾康之棚田康司、須田悦弘、小谷元彦金氏徹平長谷川さち、11名の作家作品です。また、資料室(ここは撮影禁止)ではこの展覧会にまつわる資料などが観られます。

様々な彫刻

今回の展覧会に出品されている作品は「彫刻」というくくりですが、素材は木、石、鉄、FRPなど、表現は具象、抽象と実に多種多様です。そして、第一線で活躍中のアーティストばかりです。その作品を芦原義信設計の大空間で一度に観られるいいチャンスなので少々遠い場所ですが頑張って行って本当によかった。おすすめです。

「オムニスカルプチャーズ — 彫刻となる場所」

武蔵野美術大学美術館 MAP

2021年4月5日(月)〜6月20日(日)10:00-18:00(土・祝〜17:00)日休

入場無料 撮影可

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