明治神宮へ
2020年に創建100年を迎えた明治神宮が次の100年に向けて芸術と文化の祭典「神宮の杜芸術祝祭」を開催しています。3/25から始まった関連美術展「気韻生動(きいんせいどう)ー平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち」へ早速行ってきました。
神宮の杜芸術祝祭では、これまでに神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」や「紫幹翠葉(しかんすいよう)−百年の杜のアート」などの美術展を開催してきました。
明治神宮での展覧会は、訪れるだけで神聖な気持ちになり、浄化されるような気がして好きなのですが、その気持ちを更に高めるためにとにかく朝早くに行くのが私流です。
宝物殿へ
広大な明治神宮の敷地の中でも原宿駅から行くと社殿よりさらに奥に位置するのが宝物殿です。今回の展覧会場はこのもっとも奥にある宝物殿です。社殿エリアを抜けて歩いて行くと代々木公園かと見紛うような芝生広場が広がります。その背景となるビル群の手前に見えるの茶色い屋根が宝物殿です。▼
正門門扉
正門は創建当時鉄製門扉でしたが、戦時供出のために取り外され代わりに木製の門扉が取付けられました。それから長い間木製の門扉でしたが、今回、明治神宮宝物殿他12棟建造物保存修理事業で過去の資料・記録を頼りに創建当時の鉄製の門扉に復元されました。▼
重要文化財
1921年竣工。設計は大江新太郎。奈良の正倉院の校倉造りを模した校倉風大床造りで、日本ではかなり初期の鉄筋コンクリート建築です。2011年に重要文化財に指定されました。宝物殿正面▼中は幅30m、奥行き15mの柱のない大空間が広がります。
その大空間に当時のままの展示ケースが並べられ、ほとんどの作品はその展示ケースの中に展示されています。この展示ケースも含めて重要文化財だそうです。
この建物、空間、展示ケースどれも見応えたっぷりです。作品展示がなくても十分満足できる建築です。作品を観る前から来てよかったぁと思いました。
床も天井も窓もいいですね。▼
この展示ケースは鍵がついているところは開くのですが、鍵のない側面ははめ殺しです。
こちらは開閉しますが反対側は、はめ殺しで開閉しません。▼
出品作品
目的はなんと言っても須田悦弘作品ですが、今回は這いつくばったり、覗き込んだりと、いろんなところを探しまわる必要のないタイプでした。
会場に入った瞬間、こんなに広い空間で雑草を探せる自信がないな、、。と怖気付きましたが、それは杞憂に終わりました。
探す必要はありませんが、やっぱり須田作品らしい展示でした。いつもいつもクスリとさせられます。
展覧会内容は動画でご覧ください。▼
出品アーティストの一覧です。▼
平櫛田中
今回メインの出品アーティストは平櫛田中です。平櫛田中といえば107才で天寿を全うした彫刻家です。99才で引っ越しした小平市に平櫛田中彫刻美術館がありますが、小平に住んでいたのは晩年の約10年で、その生涯のほとんどを上野桜木にあるアトリエ兼住宅で過ごしました。現在もその平櫛田中邸は大切に保存され、時折展覧会などが開催されています。
上野桜木の平櫛田中邸▼
2年前に展覧会を観に訪れた時の茶の間の写真です。▼
アトリエの写真▼
平櫛作品は全て撮影禁止。あとの作品は撮影可です。入場無料なのも嬉しいですね。
彫刻展「気韻生動」ー 平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち
明治神宮 宝物殿(中倉)
2021年3月25日(木)〜 2021年5月30日(日)
10:00~16:30 木休(4/29は開館)入場無料