九段下の旧山口萬吉邸は、1927年竣工で内藤多仲らの設計によるスパニッシュ形式の邸宅です。2018年登録有形文化財に指定され、改修後kudan houseとして生まれ変わりました。
その邸宅で「The Still Point – まわる世界の静止点」が始まりました。国内外、新旧の作家によるグループ展です。
The CLUB
この展覧会の主催は、銀座シックス6Fにある現代美術ギャラリーThe CLUBです。 The CLUBはあのTSUTAYA(蔦屋)の会社CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の運営で、銀座シックス開業と同時にオープンした銀座蔦屋書店内にあります。
kudan house
kudan houseの中に入るのは2018年9月に3日間だけ開催された「NORITAKA TATEHANA RETHINKー舘鼻則孝と香りの日本文化ー」以来です。
舘鼻則孝展の様子▼
旧山口萬吉邸は、内藤多仲、木子七郎、今井兼次3人の共同設計により、1927年に建てられたスパニッシュ様式の邸宅です。来客用の和室、庭に面したスクリーンポーチなど、多種多様な空間で構成されています。
また、現在も一部残る当時の家具・建具装飾は、山口萬吉氏の強いこだわりが随所に反映されており、その費用は建物とほぼ同額だったと言われています。
邸宅の所有者から東京急行電鉄、竹中工務店、東邦レオが3社共同でマスターリースして、会員制のビジネスイノベーション拠点に生まれ変わりました。
時/とき
kudan houseでの展覧会の醍醐味は、この歴史的建築旧山口萬吉邸と美術作品との共鳴です。今回の展覧会のテーマは「時/とき」です。
様々な歴史を持つこの邸宅が積み上げてきた時間と作品の中に流れる時間を感じながら鑑賞する展覧会です。
作家
展示されているのは19組の作家の26作品です。これら作品は全て販売しています。
最初に迎えてくれたのはダニエル・ビュレンのストライプのキャンバス作品です。▼
和室には古瀬真由子の平面作品。凝りに凝った和室の建具にも注目してください。▼
ポーチには菅木志雄の立体作品が3点並びます。▼
ここからは庭に展示されているPAVILION TOKYO2021の石上純也「木陰雲」を上から鑑賞することができます。木陰雲についてはコチラを参照ください。
名和晃平2019年の作品2点が照明を落とした部屋に展示されています。▼
大広間にはサム・フランシスの1958年の水彩画です。▼
地下の小部屋には李禹煥のリトグラフと塩月寿藍の竹の作品です。▼
上田尚宏2021年の新作「Internal clock」この部屋の奥にもう1点上田作品があります。▼
宮島達男「Mirror of Change−003」
ちゃんとサイコロもありますね。ここでもサイコロを振って数字を掛け替えるのかな?▼
銀座と青山のAKIO NAGASAWA GALLERYで開催中の宮島達男展についてはコチラです。
デタニコレイン作品と宮島達男作品▼
杉本博司の「THEATERS」シリーズ▼
他にウリ・アラン、オリバー・ビア、ルチア・フォンタナ、猪瀬直哉、河原温、⿊⽥⾠秋、⾼橋尚愛、和⽥的の作品が展示されています。
旧山口萬吉邸内に入れるチャンスはなかなかないので貴重な機会です。また、石上純也のパビリオン「木陰雲」と一緒に鑑賞できるのもお得です。
「The Still Point – まわる世界の静止点」
kudan house (旧山口萬吉邸)
千代⽥区九段北1-15-9 MAP
2021年8⽉6⽇(⾦)〜2021年9⽉5⽇(⽇)月休 11時―18時 事前予約制
新型コロナウィルス感染拡大により変更になる可能性があります。
kudan houseでの展覧会▼
戦前の名建築 kudan house(旧山口萬吉邸)でみるデンマーク家具ブランド「フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証」展