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軽井沢 原広司設計の直線と曲線、そして自然光が美しい 田崎美術館


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田崎廣助の美術館

軽井沢の千ヶ滝プリンス通りに位置する田崎美術館は、山岳画家と呼ばれ1975年に文化勲章を受賞した田崎廣助の作品を所蔵・展示する私立の美術館です。この美術館は、田崎作品だけでなくその建築も大きな魅力です。

美術館の設計は京都駅などの設計で有名な建築家の原広司です。

軽井沢 原広司設計  田崎美術館
軽井沢 原広司設計 田崎美術館 エントランス

オススメの理由

オススメポイントは建築とアートを巡るにふさわしい美術館であることです。

美術館ですからアートがあるのは当然ですが、建築も素晴らしい美術館です。

むしろ私にとっては所蔵作品を上回る建築の良さが際立つ美術館です。(田崎ファンの方ごめんなさい)

その証拠に?!建築ファンの訪問が多いようで、田崎作品の撮影は不可ですが、建築の撮影は可能になっています。

入館の際に受付で建築撮影希望と伝えると撮影許可の札がもらえるので、それを首からかけて撮影出来ます。

建築好きアート好きにはとってもテンション上がる美術館です。

2分でわかる原広司設計の田崎美術館▼


原広司設計

田﨑美術館の設計は建築家の原広司で、1986年に開館しました。開館の年に日本建築学会賞作品賞を受賞しています。原広司80年代の傑作です。

田崎美術館は、通年開館しているわけではなく、春夏のみの開館であること。展示する作品は田﨑廣助1人だけの作品であること。普通の美術館とは異なるこの2つのことから自然に合わせた空間を作り上げました。

軽井沢 原広司設計 田崎美術館
軽井沢 原広司設計 田崎美術館 展示室

展示室以外は、照明に頼ることなく自然光がふんだんに入る空間で、幾何学的な壁面構成のリフレクションと光のミクスチャーを見ることができます。それは、田崎廣助がいつも自然光で作品を描いていたということと無関係ではなさそうです

直線的でシャープなガラスとその向こうに見える雲形屋根の曲線との対比やサンドブラストの紋様がとても美しい。

軽井沢 田崎美術館
内部の雲デザイン

この美術館のアイコン的な軽やかな雲形の屋根は、光の反射板の効果を狙っていて、内装にもそのデザインが取り入れられています。▲

このデザインもまた軽井沢の雄大な自然を愛した田崎作品をイメージしているようです。

軽井沢 原広司設計  田崎美術館
軽井沢 原広司設計  田崎美術館 庭園を囲むように展示室が配置

美術館は、中庭を取り囲むように展示室が配置され、回遊できるようになっていて、中庭と周囲の緑が軽井沢らしい風景です。

竣工してから少々時間が経っていて経年劣化も見受けられる美術館ですが、それでもどこもかしこも見所だらけの建築です。

原広司と言えば誰もが知っているのは京都の玄関口京都駅です。京都駅も京都のまちの碁盤の目をイメージしたグリッドの直線の世界の中に、優美な曲線が際立つデザインです。

軽井沢 原広司設計 田崎美術館
軽井沢 原広司設計 田崎美術館 階段の手すりのデザインにも注目!

田崎美術館も直線的なデザインの中に雲を想起させる曲線がポイントになっています。

直線と曲線の絶妙な調和が二つの建築の共通点のひとつかもしれません。

そんな風に京都駅や他の原広司建築との共通点を探しながら見学するのも楽しいですね。

軽井沢 原広司設計 田崎美術館  侵入禁止マークにもこんなデザインが!
軽井沢 原広司設計 田崎美術館  侵入禁止マークにもこんなデザインが!

駐車場の侵入禁止マークのようなギザギザも至る所のサインデザインに登場します。

美術館前に出ているサインや内部サイン、天井のデザイン、トイレの男女サインまでこのギザギザです。

ミュージアムカフェ

以前は美術館にはカフェがあり、中庭を眺めながら優雅な時間を過ごすことができました。

でも残念ながら現在はミュージアムカフェの営業を停止しておりカフェ空間は入館者の休憩室になっています。

軽井沢 田崎美術館
ミュージアムカフェ

カフェが営業していた頃にいただいた、手作りのフルーツジュースです。

美味しいフルーツジュースを飲みながら雲形屋根の建築を眺める至福の時間でした。

アウトレットやハルニレテラスは混んでいるけれど、ここは軽井沢の中でもひときわ優雅な時間が流る空間でした。

コロナが終息したら再開してくれるのかなぁ。

2023年7月に再訪したところ、休憩室でもなくカフェでもなく田崎作品販売コーナーになっていました。

当分カフェの復活はなさそうです。

軽井沢 原広司設計 田崎美術館
軽井沢 原広司設計 田崎美術館 晴天の日


田崎廣助

田﨑廣助は、1917年(明治31年)福岡県八女市に生まれた画家で、フランス留学を経て1966年から軽井沢三笠にアトリエを構えました。この三笠のアトリエの設計は脇田和のアトリエ山荘を手がけた吉村順三の設計です。

山岳画家と呼ばれ主に浅間山や白樺湖を背景に蓼科、八ヶ岳、妙高と野尻湖など長野県の雄大な自然を数多く描いています。

田崎美術館は、田崎没後その遺志により田崎作品を所蔵する美術館として開館し現在に至ります。

残念ながら館内の作品の写真撮影禁止のため写真はありません。

美術館は、田崎作品の展示だけでなく公募展、講演会、研究会なども開催しています。

なお、2017年には故郷八女市に八女市田崎廣助美術館が開館しています。この美術館の建築は原広司ではないようです。どうせなら原広司設計で建設すればよかったのに。

軽井沢 原広司設計 田崎美術館
軽井沢 原広司設計 田崎美術館


基本情報

田﨑美術館

10:00~17:00 、10月 10:30~16:30

水曜休館、冬季休館 (カフェ休業中2022年)

GW~ 11/3文化の日まで開館

入館料:一 般900円、大高生700円、小中生400円

 長野県北佐久郡軽井沢町長倉 横吹2141−279 MAP

アクセス:しなの鉄道中軽井沢駅徒歩20分、車で3分、長野新幹線軽井沢駅より車で10分
上信越道碓氷軽井沢ICより車で20分、上信越道佐久ICより車で30分

駐車場有

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