建築とアートを巡る®︎が実際に巡った茨城県・水戸市を紹介します。
茨城県の県庁所在地である水戸市には美術館や著名建築が多く、東京から電車で最短1時間30分、クルマでも2時間というアクセスの良さもあって建築とアートを巡るプチトリップにはぴったり。
東京から日帰り訪問もできますし、1泊して徳川家ゆかりの偕楽園や水戸周辺の建築物など歴史を巡る旅にもぴったりな場所です。
ただ北関東はクルマ社会なので移動はやはりクルマが便利。といことで私たちも普通はクルマで訪問しています。
今回巡ってみるのは「水戸市立西部図書館」〜「水戸芸術館」〜「水戸市民会館」〜「茨城県近代美術館」。この4つに共通しているのは水戸にあるという以外にもうひとつ、美しい階段があることです。
<水戸市立西部図書館>
新居千秋
まず最初に訪問するのは「水戸市立西部図書館」です。
なぜここが最初かというと東京から自動車を利用した場合、ここが一番近いから。常磐自動車道の水戸ICを出てすぐ近くです。
▲設計は当時(1990年ころ)は若手だった新居千秋の手になるもの。
その後は東京都市大学(当時は武蔵工業大学)などで教育に携わることになる新居千秋の初期の傑作です。
ドーム型の天井を持つ図書館本体の建物がまず見どころ。
そして円筒形の建物の上下を結ぶシャープな階段も。
▲ドームの壁に沿って書架が配置され、ぐるっと歩いて回る間にこれまで書かれた人間の「知」を俯瞰できる図書館らしい建物です。
▲利用者が使う図書館本体とバックヤードを結ぶ階段。なのですがまるで中世ヨーロッパの僧院のような雰囲気。
▲閲覧スペースも円状に並んでいて、他人の目を着にせずゆっくり本を読むことができます。
▲外観もドームを中心に知的な雰囲気が漂うもの。
このような特徴のある建物なので映画・TVやMVなどのロケ地として使われることも多いそうです。
特に有名なのは実写版「図書館戦争」です。聖地として多くのファンが訪れたことから図書館側も写真撮影には寛容です。ただ図書館という性格上、顔や所持物など利用者を特定できるものは撮影しないよう配慮が必要です。
「図書館戦争」出演者のサインなども展示されていますが、ジャニーズ所属タレントのサインはありません。
基本情報
| 水戸市立西部図書館
設計:新居千秋 開館:1992年(平成4年) 開館時間:9:30 – 20:00 休館日:月曜日 住所:茨城県水戸市堀町2311-1 MAP |
<水戸芸術館>
磯崎新
芸術の街、水戸のシンボル的存在の施設で、磯崎新の代表的建築でもある「水戸芸術館」。
斬新な企画展を開催する「現代美術ギャラリー」の他に、劇場やコンサートホールを備えています。
特に高さ100mに達する「アートタワー」は良く知られていると思います。
磯崎新が自身で ”ポストモダン建築” を具現化したような建築。
これはロビーから現代美術ギャラリーへ向かう階段。
装飾を排した機能的な階段なのに端正で美しい階段です。
▲荘厳なエントランスホール。
写真で奥の方(実際は入口)に見えるのは国内最大級のパイプオルガン。視覚芸術だけでなく音楽や身体表現など芸術全般を扱う施設ということが分かります。
▲エントランスホールを横からみたところ。
▲このカスケード(人工滝)の光景にも注目。
かつて中谷芙二子の回顧展が開催された際はこの広場全体が霧の彫刻に包まれたことを思い出します。
▲マジックアワーの水戸芸術館とカスケード。
▲夜の水戸芸術館とカスケード。
建築だけでも見どころいっぱいですし、アートタワーの展望台にも登れます。やはり現代美術ギャラリーで展覧会が開催されている時期に訪問するのが良いでしょう。
水戸市立西部図書館から自動車で15分くらい。広い駐車時(有料)も完備しています。
電車の場合、水戸駅から歩いて20分ほどです。
基本情報
| 水戸芸術館
設計:磯崎新 竣工:1990年 (平成2年) 開館時間:9:30 – 18:00 (現代美術ギャラリーは10:00から) 休館日:月曜日、年末・年始 入場料:一般 900円 (現代美術ギャラリー) 住所:茨城県水戸市五軒町1−6−8 MAP |
<水戸市民会館>
伊東豊雄
2023年に開館したばかりの「水戸市民会館」。は伊東豊雄の設計。
水戸芸術館とは道路一本挟んで隣接しています。
収容人数2,000人の茨城県最大のホールを中心に、スタジオや会議室などの市民の文化活動を支援する施設、それとギャラリーや広場など市民交流の場として設計されています。
リズミカルに折り返しながら上階と地上を結ぶ階段。エスカレーターやエレベータが完備されているのにわざわざ階段を作っています。
▲正方形の外観からは地方のどこにでもある大ホールが付属する市民会館かなぁと思っていたのですが、中に入ってびっくり。
水戸芸術館側から入っても京成百貨店側のエントランスから入っても、目に入るのは木製の柱と梁を組み上げてつくられた「やぐら広場」という名の500人収容可能な屋内広場。
人々に開かれた場所としての文字通り ”市民会館”。伊東豊雄らしいコンセプチュアルな設計です。
4階までの吹き抜け。
パブリックビューイングやマルシェなどに利用することも想定しているみたいです。
大きな窓の向こうに見えるのはお隣の水戸芸術館。
▲2F、3Fは勉強や休憩のために自由に使えるラウンジギャラリーになっています。
また水戸市民会館に入るコンビニエンスストアは北海道の地場コンビニ「セイコーマート」です。茨城には他にも何店舗かあるようですが北海道まで行かなくてもセコマのPB商品が手に入るのはありがたいです。のどが渇いたらガラナを飲んで喉を潤そう。
基本情報
| 水戸市民会館
設計:伊東豊雄 竣工:2022年 (開館 2023年) 住所:茨城県水戸市泉町1-7-1 MAP |
<茨城県近代美術館>
吉村順三
最後は千波湖(せんばこ)の畔にある「茨城県近代美術館」。吉村順三による設計です。
▲吉村順三らしい装飾美に溢れた階段。
▲エントランスロビーには幾何学的なラインが美しいスロープ階段も。
幾何学模様にタイルが敷き詰められたエントランスロビーの床面。天井の端正なライトとの組み合わせが美しい。
ロダンの彫刻などが設置され、窓の外には千波湖(せんばこ)と水戸市街。
茨城県近代美術館は水戸駅から歩いて20分ほど。ただ美術館で無料駐車券がもらえるので自動車で訪問し「ザ・ヒロサワ・シティ会館(県民文化センター)前」の駐車場に停めるのが良いと思います。
基本情報
| 茨城県近代美術館
設計:吉村順三 開館:1988年 開館時間:9:30〜17:00 休館日:月曜日、年末年始 住所:茨城亜県水戸市千波町 東久保 666-1 MAP |
水戸市立西部図書館から始めた「水戸で建築とアート巡る」旅は美術館2か所と図書館と市民会館を巡って4時間から6時間くらい。最後の茨城県近代美術館を見終わるとちょうと閉館時間くらいになっているでしょう。





























