南麻布のMISA SHIN GALLERY/ミサシンギャラリーで建築家の磯崎新の個展「Arata Isozaki: Form and Spirit」が始まりました。
1970年代の代表作である群馬県立近代美術館から1990年代の水戸芸術館など、磯崎新が手がけた建築の基本コンセプトを抽象化し、視覚化したドローイングやシルクスクリーン作品を中心とした展覧会です。(会期終了)
磯崎新氏、2022年12月28日那覇のご自宅で老衰のため逝去されました。91歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
この展覧会がご存命での最後の展覧会となりました。ただ、偉大な建築家にして理論家だった方なので今後もその仕事を目にする機会は多いと思います。(202212.30追記)
PR磯崎新
1931年大分市生まれなので現在91歳です。1954年に東京大学工学部建築学科を卒業し、丹下健三の元で働きます。その後1963年に磯崎新アトリエを設立しました。
独立後は、群馬県立近代美術館、ロサンゼルス現代美術館、バルセロナオリンピック競技場 など世界各地で建築や都市の設計に携わります。2019年には建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞しています。
また、その活動は建築設計だけにとどまらず、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナーなど、世界各地での建築展、美術展のキュレーションや、コンペティションの審査委員、シンポジウムの議長など幅広い活動を続けています。
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展覧会構成
建築の展覧会というとまず頭に浮かぶのは模型や図面や記録写真による展覧会が定型ですが、今回の展覧会は全て壁面展示の作品ばかりです。
記録写真や図面のような資料的な側面のあるものは展示されていません。ではどんなものが展示されているのか見ていきましょう。
3Dプリント作品
2点、レリーフ状で壁面に展示する仕様の3Dプリント作品です。
EDは3、スケールは1/100です。


設計段階のいわゆる検討のための模型ではなく、建築が完成した後の、完全にアートとしての模型なのですっきりとしていて、飾りたくなります。
いやこれはもはや模型ではなく模型のようなアート作品ですね。
シルクスクリーン
大判のシルクスクリーン作品は全部で6点です。EDは各75です。群馬県立近代美術館と北九州市立中央図書館はA.Pです。
MISA SHIN GALLERYにいつも置いてある椅子も磯崎新デザインで、天童木工制作のモンローチェアーです。磯崎新のモンローチェアはハイバックだけでなくローバックもあるのです。


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小品
小品もいくつか出品されています。

こちらは銅版画です。▲

水戸芸術館のタワーのシルクスクリーンです。▲
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ドローイング
シルクスクリーンなどの版画だけでなく、ドローイングも出品されています。

水彩画です。▲

こちらはなんと水墨画です。▲
これら展示品は全て購入が可能です。欲しい方はギャラリーに問い合わせてみてください。
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現在、磯崎新アトリエは辛美沙氏が主宰するMISA SHIN GALLERYに住所を置いています。ご本人は沖縄に住まわれているようで東京にはあまりいらっしゃらないようです。
大掛かりな建築を手がけることは、もうないのかもしれませんが、展覧会は今後も密接な関係にあるMISA SHIN GALLERYで観られるのかもしれません。
基本情報
磯崎新 Arata Isozaki: Form and Spirit
2022年11月2日(水)- 12月24日(土)会期終了しました 12:00-19:00 日月祝休 入場無料 MISA SHIN GALLERY 港区南麻布3丁目9−11 1F MAP アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅徒歩約13分、東京メトロ南北線、都営大江戸線麻布十番駅徒歩約13分 |