東京表参道で2022年10月にMA5 GALLERY(エムエイファイブギャラリー)がオープンしました。このギャラリーはイタリアで60年以上続くヨットブランドSANLORENZOの日本正規総代理店SANLORENZO JAPANが運営するスペースです。早速青山の新しいアートスポットに足を運んでみました。
MA5 GALLERY
ギャラリーの名前であるMA5とは、設計事務所をはじめインテリア・デザイン関係、アートギャラリーが数多く集まる南⻘山5丁目の頭文字から名付けられました。青山学院沿いのアイビー通りで、青山通りから入ってすぐの好立地にあります。
このギャラリーを運営しているイタリアのヨットブランドSANLORENZOは、他のヨットブランドとは全く異なるアプローチをしています。ヨットの性能はもとより、船内のインテリアなどデザインにも力を入れており、ショールームも通常のものではなく、アートギャラリーとしての機能を充実させたスペースとしてMA5GALLERYを展開しています。今後は若手アーティストの支援発掘にも力を入れていく場所となるようです。
PR
井村一登 Æ/æ
オープン第一弾の展覧会は井村一登の個展「Æ/æ」です。井村一登は一貫して鏡をテーマに制作しているアーティストです。
これまでに塗装や蒸着など鏡に様々なコーティングを行う制作を続ける中で、1点だけガラスとアルミのあいだにプリズムのような虹色が現れたのだそうです。それまでに400回以上のアルミ蒸着で鏡を手がけてきたけれど、このような現象は初めてだったとか。
作家は、このことを起点に鏡の加工についての歴史に着目し、異素材の組み合わせで現れるさまざまな美しい現象を作品化した展覧会が「Æ/æ」です。
「Æ/æ」とはAEther/エーテルに由来していて、鏡に関わる言葉であると同時に、時代とともに意味が変化してきたキーワードであることから展覧会のタイトルとなっています。
この作家の作品はこれまでに代官山のアートフロントギャラリーでの村山悟郎 × 井村一登<重複するイメージ>展や六本木の東京ミッドタウンでMIDTOWN ART AWARD2022の優秀賞作品などをみてきました。
展覧会構成
奥に長いギャラリースペースで開催されている個展は、壁面の展示と展示台に置かれた立体で構成されています。
円形の作品は光が反射して床に美しい揺らぎが現れています。陽が落ちてからだともっと良く見えるのかな?▲
階段下のスペースにはこの平面作品だけでなく、立体が置いてあるので見忘れ注意です。▲
人々を魅了して止まないこのシリーズは大人でも何度も何度も覗き込みたくなる▲美して不思議な作品です。
永遠にどこまでも続く空間▲この現象は鏡の持つ不思議な魅力を最大限に活かした作品です。
この作品は特に美しくて不思議でした。▲ 鼻の頭が作品についてしまうくらいじっと見つめてしまいました。
写真に撮ってもこの美しさです。是非本物を見に行ってみてください。▲
PR
立体作品
ギャラリー奥には展示台に置かれた立体作品の数々です。
この作品は展示台がゆっくりと明滅します。▲
光を当てるとこの美しさです。▲
鏡という人々の生活に身近でありながら、とっても不思議な特性を持つ素材を徹底的に追求しているアーティストです。この制作を継続した先に何があるのか、今後の展開も目が離せません。
PR
訪問時、ギャラリーのスタッフの方がとても丁寧に解説してくださいました。
次はどんな展覧会が開催されるのでしょう。
MA5 GALLERYの今後の展開にも期待大です。
青山にまた新しいアートスポットができたのでギャラリー巡りが益々楽しみです。
基本情報
井村一登 Æ/æ 2022年10月21日(金)〜11月28日(月)会期終了 12:00〜19:00 水休 入場無料 MA5 GALLERY by SANLORENZO JAPAN 東京都港区南青山5-10-17 MAP |