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玉山拓郎「Museum Static Lights」真っ赤に染まる国立新美術館に NACT View 01を観に行こう!


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六本木・乃木坂の黒川紀章建築で有名な国立新美術館で新しく始まった美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」の第1回目玉山拓郎展「Museum Static Lights」が六本木アートナイト2022の先行展示を機にスタートしました。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
真っ赤に染まる美術館
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Museum Static Lights

Sony Park Miniで2022年4月に開催された「Static Lights : Unfamiliar Presences」では自然光に影響されない地下の閉ざされた空間を真っ赤な光で満たすインスタレーションでした。

今回の国立新美術館では、全面がガラス張りで自然光の影響が多大なだけでなく、3階まで吹き抜けの大空間という真逆の環境でのインスタレーションです。

しかも作品は2箇所に設置され、それぞれが玉山拓郎作品らしい真っ赤な怪しい光を放っています。

環境の変化の影響が大きい大空間で、この赤い光がどう見えるのか、とても楽しみにいていました。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
夜のインパクトはすごい!

作品のモチーフ

今回のインスタレーションは、美術館内で一際目立つ高さ16mと8mの逆円錐形をした2つのコンクリートコーンの形状をモチーフとしています。

黒川紀章の建築では、度々登場する円錐形。国立新美術館のエントランスも円錐形です。

古くは、愛媛県総合科学博物館(1994年)から黒川紀章建築ではこの幾何学形態を見ることができます。

美術館の近くだと表参道の日本看護協会ビルも国立新美術館のエントランスとほぼ同様の円錐形をしています。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
六本木アートナイト期間中だけの赤いライトアップ(ブラッスリーポールボキューズミュゼ)

すごい存在感のコンクリートコーン▼▲

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
アートナイト期間だけの赤いライトアップ(サロン・ド・テ・ロンド)

しかし、今回玉山作品のモチーフとなっているのは、ガラス張りの円錐形ではなく、内部にあるコンクリートの逆円錐形です。

この二つの逆円錐形は、それぞれミュージアムカフェのサロン・ド・テ・ロンドとレストランのブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼになっています。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
エントランスの円錐形が見える

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乃木坂駅側

乃木坂駅から訪問する場合、最初に目にするのがこちらの作品です。

国立新美術館開館15周年記念の李禹煥展の開催中の展示室の前です。

美術館主催の展覧会の展示室前でよかった!

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
俯瞰で見る

おそらくこちらの作品はカフェのサロン・ド・テ・ロンドのコンクリートコーンをモチーフとしていると思います。

次の訪問では、そのサイズ感をじっくり検証したいと思います。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
マジックアワーの空との対比も美しい

私のおすすめ鑑賞時間

陽が落ちてからの鑑賞を推奨しているけれど、個人的には夕暮れ時のマジックアワーの空のもとで観る作品もすごく綺麗でした。

マジックアワーの空は刻々と変化を続け、全く変化のない Static Lightsとの対比を一番感じられる時間だと思います。

繊細なマジックアワーがあっという間に終わると夜になり、今度は漆黒の闇と真っ赤な光で満たされる美術館空間が観られるので、夕暮れ前に訪問して、だんだん暗くなっていく様と夜の作品と両方を鑑賞するのが私の個人的なおすすめ鑑賞時間です。

六本木駅側

六本木駅から美術館へ来る場合は、こちらの作品を最初に目にすることになるでしょう。

乃木坂駅側の作品よりも長さがあって迫力があります。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
俯瞰で見る

ガラス面のリフレクションで作品が2倍!

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
六本木側の長い作品

六本木側の作品が消灯している写真は、今後レア画像になるかと思っていましたが、そうではなかったようです。

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なぜか限定点灯→終日点灯へ

初日に訪問したら六本木側の作品が消灯していて調整中でした。

今思うと調整中なのは作品そのものではなく、美術館側の調整だったのかもしれません。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
初日の六本木側の様子

16日の金曜と六本木アートナイトの期間は、2点とも点灯していたのですが、その後9/20(火)に国立新美術館から以下のようなインフォメーションが出されました。

当館の諸事情により、六本木側の光の作品は以下の日時で点灯します。
9/24(土)、10/1(土)18:00-20:00
10/3(月)      14:00-18:00

この限定点灯の日時を鑑みるに、六本木側の作品の目の前の展示室を使う公募展団体から消灯の要請があったのかな?と推測しました。

これは私個人のあくまでも推測であって、真実は分かりません。

しかし、国立の美術館でありながら、ここは東京都美術館と同様に、半分以上の展示室が貸スペースであることはご存知の通りです。

いわば、美術館にとってスペースを借りてくれる団体さんは、お客さんなわけで、要請があったらそれは断れないのかなぁと推測できるわけです。

国立新美術館は、コレクションを持たず、館内の半分以上を占める貸スペースの賃料の収入を得ている、世界的にも非常に珍しい不動産的運営をしている美術館なので、このような事が起こってしまったのかもしれません。

何度も書きますが、これは個人的な推測であって、ほとんどの期間消灯しなければならない本当の理由は不明です。

そして、きっと今後その理由が明かされることはなさそうです。

とはいえ、今のところ上記3日間は、点灯の予定があるので、両方点灯している状態を見たい方は、この3日間に美術館へ!

さらに、10月3日以降点灯日が増えることを願うばかりです。

9/28以降より2作品とも終日点灯することになりました。

限定点灯の案内は、一体なんだったのかよくわかりませんが、とりあえずよかったです。

展示場所が移動

終日点灯の発表があった翌日の9/28に見に行ってみました。

なんと!大きい方の作品の展示場所が乃木坂駅側へ移動されていました。▲

円錐形のエントランスから入って従来は右側でしたが、現在は左側です。

この場所は、ミュージアムショップがあった場所です。

そして、玉山作品が展示されていた時には撤去されていたシェルチェアが戻っていました。

で、ミュージアムショップは小さい方の玉山作品のそば、コンクリートコーンを挟んで反対側へ移動していました。▲

2作品が以前より近づいたというわけです。

兎にも角にも終日点灯になってよかったです。

玉山拓郎 Museum Static Lights 国立新美術館 NACT View 01
赤い光は謎めいていて妖艶。

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NACT View

今回の企画がNACT View 1回目で、今後もこの小企画は続いていく予定です。

そのラインナップは、若手から中堅の美術家、デザイナー、建築家、映像作家など幅広い内容になるようなので、今後も注目したいと思います。

第二回目は来年2023年1月からアニメーション作家・築地のはら(つきじ・のはら、1994年生)の作品が展示される予定です。

黒川紀章設計の美しい美術館建築は動画を参照ください。▼

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基本情報

NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights

2022年9月14日(水)~12月26日(月)

10:00-18:00 金土〜20:00 火休

六本木側作品点灯予定

9/24(土)、10/1(土)18:00-20:00
10/3(月)14:00-18:00

入場無料

国立新美術館 1Fロビー

港区六本木7-22-2 MAP

アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅6出口直結、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分

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