六本木アートナイト2022の作品を全部見せます!
3年ぶりに開催される六本木アートナイト2022の作品レポートです。
roppongi art nightは、9月17日(土)から19日(月・祝)までの3日間の開催ですが、すでに9月3日から先行展示が始まりました。
近くに住んでいることを生かして全作品を鑑賞してみました。
台風14号の影響により、一部展示作品について展示場所の変更及び今後の展示中止が発表されましたので追記・更新しました。(2022.9.18.17時)
PR六本木アートナイト2022
主に六本木ヒルズとその近隣エリアで毎年開催されいているアートイベントです。
しかし、パンデミックによって2020年、2021年と中止を余儀なくされてきました。
しかし!2022年にアートナイトが3年ぶりに帰ってきます!
今年のテーマは「この街で、アートの不思議を探せ!」です。
そして、今回のメインプログラムアーティストは日本を代表する現代美術アーティストの村上隆です。
藤子プロ協力のもと、メインプログラムでは、村上隆とkaikaikikiのアーティストによる「ドラえもん」モチーフとした現代美術作品やインスタレーションが展開される予定です。
六本木ヒルズアリーナには村上隆によるドラえもんの巨大バルーンが出現します。
前日までに鑑賞できたものを動画でまとめています。▼
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六本木ヒルズ
六本木アートナイトのメインプログラムの展示が見られるのは六本木ヒルズです。
まずはメイン会場である六本木ヒルズの作品からご紹介します。
村上隆とkaikaikikiのアーティスト
先日来日したBTSのリーダーRM(キム・ナムジュン)が多忙を極めるスケジュールの中、埼玉にある村上隆のアトリエを訪問していることからもわかる通り、村上隆は日本代表をする現代美術のアーティストです。
その村上隆と藤子不二雄Fによるコラボ作品は、巨大なドラえもんバルーンです。
場所はアートナイトのメイン会場である六本木ヒルズアリーナです。
村上隆の巨大ドラえもんの両脇には、kaikaikikiのアーティスト6人によるドラえもんが並びます。
6人のアーティストは、細川雄太、くらやえみ、ob/オビ、村田森、青島千穂、TG9、ナガサワショーコです。
なお、TG9とナガサワショーコは、一つのドラえもんを半身づつ制作しています。
後頭部側にまわるとのび太や藤子不二雄F先生の姿も描かれています。▲
檜皮一彦「HIWADROME TYPE ε」
最近だと青山界隈で展開されたワタリウム美術館主催の展覧会「水の波紋」の出品が記憶に新しいアーティストです。
白くペイントされた約60台の車椅子が積み上げられています。その高さは約5mにもなります。
下から照明があてられており、その光はゆっくりと変化しています。
作家の檜皮一彦は、「hiwadrome」なるコアコンセプトのもとに、自身も使用している車椅子や身体性をテーマとしたインスタレーション作品を手掛けています。
「水の波紋」の時は、周囲にマネキンが配置され、車椅子が円形に積み上げられていましたが、今回は四角形でまるで宙に浮いているかのように展示されています。
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ローレンス・ウィナー& マイケル・リン
9/6(火)からウエストウォークの檜皮一彦作品の先にローレンス・ウィナーの「HERE FOR A TIME THERE FOR A TIME & SOMEWHERE FOR A TIME」とマイケル・リンの「窓」の先行展示が始まりました。
4階層分の大吹き抜け空間に展示されているので、どちらの作品もかなり巨大です。▲
ローレンス・ウィナーとマイケル・リンの作品はこの六本木ヒルズのウェストウォークだけではありません。
メインアーティストは村上隆ですが、もう1人のメインと言っても過言ではないくらい、今年のアートナイトではたくさんの作品が見られるローレンス・ウィナーです。▲
ノラ・デザインコレクティブ「つかの間」
コロナ以来、どこへ行っても設置されているのが当たり前となった消毒液。その消毒液と一体化された作品です。
脚でペダルを踏んで消毒液を出すと、、、▲ いろんな場所に複数設置されています。消毒しながら、作品鑑賞をしてまわりましょう。
デイジーバルーン「Wave」
スティック型バルーンを1万個以上使用したインスタレーションは、バルーンアーティスト細貝里枝とアートディレクター・グラフィックデザイナーの河田孝志からなるアーティストユニットディジーバルーンの作品です。
公開日の9/7に観に行ったら準備期間の前日の倍くらいの大きさになっていました。▲風で風船がゆらめいて幻想的な光景です。
9/7(水)~9/16(金)10:00~20:00、9/17(土)~9/19(祝)10:00~22:00(9/19(月)〜18:00)
three 「Tokyo’s Landscape」
1986年福島生まれの3人が2009年結成したアートユニットthreeの作品です。
遠目からはタペストリーのように見えますが。
近づいてよくよく見ると、いわゆるお弁当などに入っている魚の形をした醤油差しです。
夥しい量の醤油差しの中には、色とりどりの液体が入っていて、少し離れて見ると織物のように見えます。
TANGENT「INAHO」
19日(月)12時で展示終了
一面がガラスの箱の中には、ゆらゆらとゆらめくものが見えます。
タイトルにある通り「稲穂」をイメージした作品です。
これは夜の方が、本来の美しさがよくわかる作品だと思います。▲
NPO法人 虹色の風「NO BORDERS ー 画家松井守男とアートな仲間たち ー」
ヒルズカフェで展示されているアールブリュットをテーマとした作品展です。
井口雄介「KALEIDOSCAPE」
18日(日)22時で展示終了
私が見ている限り、子供に大人気の作品でした。
自転車のようにペダルを漕ぐことで自身が回転し、正面の巨大な万華鏡も回転します。▲ 誰でも体験可能です。
「HIBIKI THE HARMONY」
協賛プログラムのサントリーウィスキー「響」のコーナー。
野口量 × 伊豆牧子「CANDYPOP」
私が目撃したのは前日の夜に行われていたリハーサルです。
一輪車と新体操の融合したパフォーマンスで、クライマックスにはダンサーも加わって華やかな舞台でした。
9/17(土) ①19:45〜
9/18(日) ①14:00〜 ②21:30〜
9/19(月・祝) ①14:00〜 ②17:30〜
田島大介画集刊行記念展 BEYOND THE LINES 超越界限
ミュージアムショップに併設されているA/DGalleryの展覧会です。
紙にインクで書かれた超細密画です。▲ 展覧会期 9/16(金)~10/10(月・祝) 12:00~20:00
森美術館で現在開催中の展覧会「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」は別記事を参照ください。
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東京ミッドタウン
六本木ヒルズと並び近年の六本木のランドマークである東京ミッドタウンもアートナイトの会場です。
東京ミッドタウンでも先行展示がスタートしています。
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村上隆「ドラえもん」
東京ミッドタウンには高さ4mのドラえもんバルーンが登場。
爽やかな青空がドラえもんに広がります。お馴染みの登場人物たちがタケコプターで飛んでいます。
タイムマシンに乗るドラえもんとのび太もいますね。▲ 尻尾がゆらゆらしていてかわいい。
magma 「ROCK’N」
杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニットです。
宮澤謙一は西麻布のcalm &punk galleryでここ数年で2回ほど個展を見ています。
これまでも既存のものを組み合わせた立体作品を制作しているmagmaですが、今回は既存のものというより色々なマテリアルを巧みに組み合わせた巨大な立体像です。
場所はミッドタウンの正面、安田侃作品と並んでいて、スターバックス目の前です。
巨大な作品なので見落とすことはなさそうです。
キムスージャ「演繹的なもの」
個人的には今年のアートナイトで一番好きな作品かもしれません。
宇宙のはじまりをイメージしたという作品は、卵のような形をした漆黒の塊です。
台座のリフレクションが美しいのですが、それに反して全く艶のないマットな漆黒の塊は、じっと見ていると宇宙へつながる穴のようにも見えてきます。
この漆黒の塊が夜になるとどう見えるのかというと‥▲この作品は昼も夜も美しい
牧野永美子「あかるい場所」
木製のコウモリが白いハウスの中で舞っています。
じっくり見ると愛くるしい顔をしています。▲
松田将英「The Big Flat Now」
ミッドタウンの吹き抜け空間に現れたのは巨大な顔。
ARを体験するにはアプリのDLが必要です。▲
古屋崇久「人工知能による顔の識別」
体験型の作品です。鏡の前に立ってボタンを押します。
そうすると”中の人”が顔を作ってくれます。
作った顔はベルトコンベアーで流れていきます。▲
坂本洋一「Floating Surface」
この作品は写真では全く伝わらないタイプの作品です。現場に行って本物を見てください。
山本千愛「犬も歩けば棒に当たる」
公道は許可が降りなかったため、ミッドタウンの敷地内をひたすら歩く様子が中継される。
9/17(土)~9/19(月・祝) 13:30~19:00が中継時間。▲
小野冬黄「インテリア」
「インテリア」と「作品」の認識を問う▲
ISETAN SALONE 現代アート「アート&キャラクター」
SKYと村上隆の作品の展示。
関口光太郎と六本木の人々「新聞紙とガムテープで包まれた凱旋門とエッフェル塔」
21_21でdesign sightで開催しているクリスト&ジャンヌ・クロード展の際にワークショップで製作したガムテープのエッフェル塔
六本木アートナイトではミッドタウンガーデンに設置されています。▲
ローレンス・ウィナー「HERE FOR A TIME THERE FOR A TIME &SOMEWHERE FOR A TIME」
惜しくも昨年2021年に79歳で亡くなったコンセプチャルアーティストの大御所です。
自身の作品を「インフォメーション」と定義し、言語を主要なメディアとする制作活動をしていました。
群馬県にある藤本壮介がリノベーションした白井屋ホテルのアートワークはいつでも見られるウィナー作品の一つです。
今回のローレンス・ウィナーの作品はバナーです。
ミッドタウンのガーデンストリートにウィナーの言葉が書かれたバナーがはためきます。
日本語と英語両方の言葉を読むことができます。
六本木アートナイトというくらいですから、夜の鑑賞がおすすめの作品が多いのですが、この作品は日中の鑑賞の方が良さそうです。
ガーデンストリートを進むと安藤忠雄設計の21_21 desgin sightがあます。現在、クリスト&ジャンヌクロードの展覧会が開催中です。
あわせて鑑賞するのもおすすめ!
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国立新美術館
六本木ヒルズ、東京ミッドタウンに続いて、アートナイトのもう一つのメイン会場は、ここ国立新美術館です。
黒川紀章の美術館建築の前にある藤子不二雄のドラえもんとkaikaikiki galleryのアーティストがコラボした作品を李禹煥のエスカロゴの中から見るの図▲
「ドラえもん」Mr./ミスター、大谷工作室、TENGAone/テンガワン、KasingLung、タカノ綾
ここにもメインテーマのドラえもんバルーンが登場しました。
今井俊介「untitled」
このカーテンのような作品は、絵画から抽出された色面のパターンによるインスタレーションです。
三原聡一郎「空白のプロジェクト#4 想像上の修辞法」
鳥のさえずりのような音を発生させる「バードコール」という音具を応用した装置を用いたサウンドインスタレーションです。
国立新美術館のいろんな場所に設置されています。▲ これはテラスにあったもの
常に音が鳴り続けているわけではないのですが、鳥の囀りが聞こえる場所へ行けばだいたい見つけられます。▲
美術館の1階だけではありません。2階にも3階にも作品はあります。▲
3階のポール・ボキューズの前のポール・ケアホルムのPK80の上にも▲
玉山拓郎「NACT View 01」
国立新美術館の新規事業の小企画「NACT View」と題してパブリックスペースを使って展示を行う第1回目。
作家は現在神楽坂の柿木荘で行われている「メディウムとディメンションLiminal」にも参加している玉山拓郎です。
この作品も是非とも夜に見たい。▲ Sony park miniの横置きバージョン
玉山作品今後の点灯予定
この「Nact View 01」は2022年9月14日(水)~12月26日(月)まで開催されます。▲
美術館の諸事情により、初日に消灯していた六本木側の作品は点灯される日が限定されるようです。
9/24(土)、10/1(土)18:00-20:00
10/3(月)14:00-18:00
今後会期中2カ所が点灯されるのはこの3日間だけのようです。
どうしてなんでしょうか。
アートナイトで見ておいてよかった。
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六本木交差点
「ドラえもん」(ラピロス六本木)MADSAKI/マサキ
六本木交差点のラピロス六本木には、アーティストマサキのドラえもんが出現しました。
今井俊介「untitled」
国立新美術館に作品を展示している今井俊介の作品が屋外にも
増田セバスチャン「Polychromatic Skin -Gender Wall-」
Gender tower 六本木交差点時計塔作品18日22時で展示終了
六本木交差点の増田セバスチャンの作品です。
いつもの時計塔が作品でカバーされ、更に風船の中に!▲
ロアビルの仮囲いのアートです。実は、作品としてはこの作品が一番大きいかもしれません。
多種多様なマテリアルを用いて、カラフルなジェンダーを表現しています。
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六本木西公園
東弘一郎「無限車輪」
六本木西公園には、まだ芸大で博士課程に在学中の将来がとても楽しみなアーティストの作品です。
昨年度の芸大卒業制作展で話題をさらった作品です。
初日の初回は、作家もいましたが、作家ではない方が漕いでいました。▲
車輪を動かすパフォーマンスが下記時間に行われます。30分漕ぎ続けるって結構大変!
9/17(土)〜9/19(月・祝) 13:00~13:30、14:00~14:30、15:00~15:30、16:00~16:30、17:00~17:30
9/18はパフォーマンス中止で作品展示のみ
アートにエールを!広場
18日より六本木ヒルズアリーナへ会場変更
「アートにエールを!東京プロジェクト」“美術部門”よりセレクトされたアーティストがライブペインティングを行なっています。
台風14号の接近に伴い西公園から六本木ヒルズアリーナへ会場変更となりました。▲
六本木5丁目
マイケル・リン「窓」
金沢21世紀美術館の壁面の大型絵画や十和田市現代美術館のカフェの床など、作品を見たことのある方は多いと思います。
今回のマイケル・リンの作品は、ビルの窓に台湾の伝統的な格子窓から流用したコイン模様のモチーフが展開されるインスタレーションです。
この作品は夜にこそ、その良さが発揮されるアートナイトならではの作品かもしれません。
内部からの照明の効果がよくわかる夜間に再訪してきました。▲やっぱり夜の方が断然綺麗です。
向かい側のビルにピンクの照明が反射してにやら怪しげな雰囲気に▲
この写真で、あー!このアーティスト!ってなる方はお多いのではないでしょうか。
金沢や十和田市まで行かなくても近くでマイケル・リンが見られるチャンスです。
原田郁「WHITE CUBE -WHITE CUBE 2018」
ICCやアートフロントギャラリーで個展を見たことのあるアーティストです。
コンピュータ内に架空の世界を立ち上げ、仮想世界と現実世界を往来しながら、その世界の中に入った自分が目にする擬似体験による風景を絵画作品として描くアーティストです。
地面に貼ってあるQRコードからWebサイトにジャンプすると….
YouTubeの動画が見えたり、AR体験ができたりします。▲
これは鑑賞するだけでなく必ず体験したい作品です。
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芋洗坂
リヴァ・クリストフ「人間自動販売機」
ストリート・アート界で活躍する気鋭の作家が描くのは、大型の新作絵画作品です。
かつてはコンビニだった場所▲
巨大な顔の目の中を覗くと、そこにも自動販売機▲
GengoRaw(石橋 友也+新倉 健人)、吉田 竜二、二口 航平、吉田 智哉「バズの囁き」
Twitterのトレンドワードをもとに、AIが次々と詩を生成するインスタレーション作品▲
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三河台公園
岩田とも子/協働制作 港区立六本木中学校美術部 「地面をつかまえる -六本木の地図づくり-」
水川千春「花の茶室 ーつながる水脈ー」
18日(日)18時で展示終了
kai kai kiki gallery
元麻布にある村上隆のギャラリーkaikaikiki galleryでは、六本木アートナイト2022の開催を祝した「六本木アートナイトグループ展」を開催しています。
グループ展に出品しているアーティストはMr./タカノ綾/青島千穂/MADSAKI/ TENGAone/ob/くらやえみ/大谷工作室/村田森
Kasing Lung/T9G/ナカザワショーコ/細川雄太(READYMADE・©SAINT M××××××)/村上隆です。
奥の畳の展示スペースには、マケットの展示▲
kai kai kiki gallery基本情報
六本木アートナイトグループ展
2022年9月9日(金)〜9月24日(土) 11:00〜19:00 Closed: 9月11日、12日、23日 kai kai kiki gallery 港区元麻布2丁目3−30 クレストビル B1F MAP |
これからも六本木アートナイト開催まで随時情報を追記していきますのでよろしくお願いします。
六本木アートナイト基本情報
六本木アートナイト2022
2022年9月17日(土) 〜 9月19日(月・祝) 会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、 その他六本木地区の協力施設や公共スペースなど 無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画展は有料) 予約不要 |
六本木で今みられる展覧会▼
過去の六本木アートナイト▼
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