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レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル展:森美術館


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記事の評価

森美術館に「レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル」展に行ってきた。はっきり言ってめちゃくちゃ楽しい。美術展ではなくちょっと知的なアミューズメントだ。悪くいうとトリックアートとも捉えられるが。

まず、この展覧会は一人で行くとちょっとさびしい。というか十分にエンジョイできない。通常展覧会は一人の方が自分のペースで鑑賞できるし、じっくり堪能できていいという人は多いだろう。私も同感である。しかし、この展覧会は体験型の作品が数多いので、複数で行って思いっきり楽しむ事を推奨する。強く推奨する。(2回連呼)

レアンドロ・エルリッヒ展

「反射する港」 

まず会場に入って最初に展示されているのが「反射する港」だ。会場はとにかく真っ暗。床が上がっている理由は作品をみればわかる。ゆらゆらと揺らめく船を眺めていると本当に夜の港のようだ。オールの反射など細かいディティールにも目を向けて観察しよう。

レアンドロ・エルリッヒ展 「反射する港」

「雲」

そして次の部屋に行くと「雲」の展示だ。一瞬本当に雲が浮いているように見えるから不思議だ。雲の形は正面からみると各々国の形になっている。日本以外にどこの国があるのかは会場に行って確かめて欲しい。

レアンドロ・エルリッヒ展「雲」
レアンドロ・エルリッヒ展「雲」

「教室」

反射する港、雲と照度の低い展示室を抜けると、映像と小型のインスタレーションが見られる。この辺りから次はどうやって驚かせてくれるのかとどんどん期待値が上がっていく。そして、また謎の黒い部屋に入るとそこはなにやら古びた教室だ。どういう仕掛けでなんなのかは実際に行ってみて体験して欲しい。

レアンドロ・エルリッヒ展「教室」

レアンドロ・エルリッヒの作品

タイトルや解説文を読まなくたって、すぐに理解できる作品ばかりだ。なぜなら観るもの全てが鑑賞者あって成立する参加型作品で笑いと驚嘆を引き起こす仕掛けがある。仕掛けと言ってもカラクリは目の錯覚や鏡を用いたシンプルで非常にわかりやすいものばかりだ。ここまで見てきて本当に「うまいなぁ」と関心してしまった。でも実は関心するのはまだ早かったということがこの後わかるのだ。

レアンドロ・エルリッヒ展
レアンドロ・エルリッヒ展

「スイミングプール」と「失われた庭」

レアンドロ・エルリッヒといえば金沢21世紀美術館の「スイミングプール」があまりにも有名だ。私も最初に見た作品はおそらく「スイミングプール」だ。

そして2013年東京都現代美術館の「うさぎスマッシュ展」にて「失われた庭」を体験している。これも不思議な作品だったので印象深い。

レアンドロ・エルリッヒ「失われた庭」

レアンドロ・エルリッヒ作品の真骨頂「ビルディング」

だが、今回の目玉は何と言っても「ビルディング」だろう。展覧会のメインビジュアルもこの作品である。これは思いっきり楽しむべき作品だ。仕掛けを見ると「なるほどー」と唸ってしまう。これだけしかない展示だったとしても人は入るだろうなと言うくらい完成度が高いし、とにかくとても楽しい。

本人の演技力もだが、その時たまたま居合わせた方々のなりきり具合もかなり重要。また、重力を意識したポージングと髪の演出も忘れないでほしい。写真を観ていただければ、一人で観に行くとさびしい理由もご理解いただけるだろう。

レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」

一人ぼっちはさびしい。

レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」

 誰もいないとこんな感じ。

レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」

仕掛けはこうなっている。

レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」
レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」

実際はかなり混み合っていて、皆それぞれああでもないこうでもないと思い思いのポージングを楽しんでいる。老若男女国籍を問わず楽しめるのがいいところだ。

隣にはこの作品のマケットも展示されている。

レアンドロ・エルリッヒ展「ビルディング」マケット

壁を這い上がる動画を撮るのも楽しいし、マフラーや髪などを使って重力を演出するのも効果的だ。(ここにはアップしないが実は動画もかなり撮った)

私は開館同時と閉館ギリギリの2つの時間帯に日を変えて訪れてみた。いずれも週末だったので想定以上に人はいた。写真にある通り全く人がいないのもさびしいし、かと言って混みすぎていても残念という矛盾が悩ましい。どっちがいいかは選び難い。

書ききれなかったが「試着室」や「美容院」といった写真では面白さと驚きが全く伝わらない楽しい作品がまだまだある。

会期は来年4月1日までなので今後も何度か訪れるつもりでいる。その都度新しい発見があるに違いない。

すでに2回訪れた私から「レアンドロ・エルリッヒ」展を観に行く時の注意点

1、荷物はロッカーに預けて身軽で体験(鑑賞)しよう

2、スカートではなく動きやすい装いで行こう

3、誰かと一緒に行こう

とにかく楽しい展覧会なので思いっきりエンジョイしよう。

基本情報

「レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル」展 森美術館

2017.11.18(土)~ 2018.4.1(日) 会期中無休

開館時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)

※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)

一般  1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳~中学生)600円
シニア(65歳以上)1,500円

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