コンテンツへスキップ

大盛況!大人気!「あやしい絵」展 東京国立近代美術館


フォローする
シェア:
記事の評価

「眠り」の次は「あやしい」

東京国立近代美術館では前回の眠り展に続いて今度は「あやしい絵」展を開催しています。この展覧会に早速行ってきました。

あやしい絵

かつてこのような作品テーマでカテゴライズした展覧会は、練馬区立美術館の専売特許だったように記憶しています。その始まりは1995年の現代美術の手法(1)コラージュ展に端を発しているのではないでしょうか。この展覧会は作家ではなくコラージュという技法に特化した展覧会でした。その後、現代美術の手法展は(2)メディアと表現、(3)「日本画」純粋と越境―90年代の視点から、(4)和紙のかたち、(5)おおきい版画と小さい版画、(6)光とその表現、そして2005年の(7)創造のさなかに・・・ただ今、制作中・・・まで10年に渡って続くわけです。最初はなんという邪道なキュレーションなんだ!と眉を顰めた気がするのですが、段々、ん?面白いかも、、、。とオーディエンスの捉え方は好意的に変化していきました。

2000年代に入ると他の美術館でもこのような展覧会が徐々に増えてきて、練馬区立美術館の特異性はその潮流の中に埋もれていったのです。(私の個人的な見解です)とはいえ、現在もそのDNAはしっかりと受け継がれており、現在も「電線絵画展」なんていう面白い企画展を開催しています。

東京国立近代美術館

さて、前置きがだいぶ長くなりました。2017年上野の森美術館で同タイトルの展覧会も開催された中野京子著「怖い絵」が読み物として好きなのですが、テーマは「怖い」と「あやしい」で違うものの、切り口は似通っているのではないかなぁと思いながら訪問しました。

撮影について

展覧会の作品は撮影禁止マークのついている一部作品をのぞいて撮影可能です。詳細は▼

写真撮影について

大人気!

展示会場に入ってびっくりしました。いや、正確に言うと展覧会を見る前に荷物を預けようとロッカーに行ったら、ほとんど空いているロッカーがなくて驚きました。これは会場は混雑しているんだなぁと覚悟を決めたのですが、予想通りでした。

混雑する展覧会会場

案内猫

会場入って最初に展示されている<稲垣仲静「猫」星野画廊所蔵>の猫が会場を案内してくれます。しかし、この猫もとぼけた表情ですが、なかなかのあやしさを放ってますね。▼

稲垣仲静「猫」星野画廊所蔵

所々にある短歌?の横にも猫がいます。▼

詠み人知らず

詠み人知らず2

出品作品

基本的には日本の作品ですが、西洋の作品もあります。アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン・ジョーンズなどです。

会場風景

多くの人が熱心に見入っています。


あやしい

たくさんあった作品の中から <岡本神草「拳を打てる3人の舞妓の習作」京都国立近代美術館所蔵>が、描かれている内容というよりも、作品の存在そのものがあやしくて面白かったので紹介します。▼

岡本神草「拳を打てる3人の舞妓の習作」京都国立近代美術館所蔵全体

作品写真をよく見て下さい。中央上部、長方形に切り取られた跡があります。これは完成している一部を切り取ってそこだけ展覧会に出品したからです。落款も変な場所にありますし、よく見ると「完成した部分」と言っている中央も全然未完成です。こちらは習作ですが、同名タイトルの本画も結局未完成のようです。日本画は疎くこの作家についてあまり知らないのですが、遅筆な作家だったのか、なんなのか、この作品の経緯と作家がなんともあやしいじゃありませんか。▼

岡本神草「拳を打てる3人の舞妓の習作」京都国立近代美術館所蔵部分

岡本神草「拳を打てる3人の舞妓の習作」京都国立近代美術館所蔵キャプション

小村雪岱

小村雪岱も前期後期で入れ替わったり、このあと巡回する大阪展のみ、東京展のみなど入れ替えがあるのですが、東京展前期で観られるのは9点ほどです。

小村雪岱「おせん 傘」資生堂アートハウス所蔵

▼<小村雪岱「おせん 傘」資生堂アートハウス所蔵>この作品が観られるのは東京展だけです。▲

小村雪岱「おせん 傘」資生堂アートハウス所蔵

ミュージアムショップ

展覧会場もですが、最後にあるミュージアムショップも大人気です。▼

大盛況!

地域や時代、主義や文脈などのくくりではなく、このような特定のテーマで集めた作品の展覧会も大人気だということがとてもよくわかりました。

実は、展覧会始まってすぐの平日だったので、すいているだろうとたかを括っていましたが、びっくりするほど混雑していたので、これからいく方は週末の、特に午後は避けた方が賢明かもしれません。

また、私は招待券だったので予約をしてませんが、当日券は売り切れる場合もあるようなので、予約をして行った方が安心ですね。特に週末に行く場合は予約をして行った方がチケット購入の列に並ばずにすむと思います。

「あやしい絵展」

東京国立近代美術館

2021年3月23日(火)-5月16日(日)(前期:3/23~4/18 / 後期:4/20~5/16)会期中展示替えあり

2021年7月3日(土) ー 8月15日(日)
シェア:
同じカテゴリーの記事 PR
PR
PR

コメントを残す