コンテンツへスキップ

”ゴジラとは何か?” にアーティストたちが作品で応える展覧会《ゴジラ・THE・アート展》を森アーツセンターギャラリーで


フォローする
フォローする
シェア:
記事の評価

ゴジラ(GODZILLA)といえば日本が誇る特撮怪獣映画であり、その作品に登場する怪獣の名称です。

今から約70年前の1954年に第1作が公開されて以来、日本国内だけでなく世界中にファンを持つなど人気を誇っています。

そのゴジラ生誕70周年を記念して始まったアートプロジェクト〈GODZILLA THE ART〉の真打ち的展覧会《ゴジラ・THE・アート展》が六本木ヒルズの「森アーツセンターギャラリー」で開幕しました。

よくある怪獣の着ぐるみとか名場面のパネルの展示みたいなのはなくて、”ゴジラとは何か?” という問いに現代で活躍する国内外のアーティストが作品で応えてみた、そんな展覧会です

ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲絵画、彫刻、写真、インスタレーションなど様々なジャンルから28組のアーティストが参加しています。

会期は2025年4月26日(土)から6月29日(日)までの約2ヶ月間。

”ゴジラ” をどのように捉え、どのように表現するのか。各アーティストの本質が問われる内容の興味深い展覧会です。


《ゴジラ・THE・アート展》の写真撮影と鑑賞時間

最近は写真撮影は原則OK、動画も条件付きでOKという展覧会が増えていますが、ゴジラ・THE・アート展も原則として写真撮影も動画撮影もOK、動画撮影は30秒以内という条件付きとなっています。

フラッシュ使用禁止、三脚や自撮り棒の使用禁止といった点はいつも通りです。

ただし、撮影禁止の作品もかなり多いので注意が必要です。また一見アート作品のように見えないものもあります。入場時に口頭で説明があるので注意して聞いておきましょう。

そして問題の鑑賞時間ですが、たぶん 1時間あれば大丈夫です。

ただし佐藤朋子の「オバケ東京のためのインデックス 序章」という56分の映像作品があり、それを全編みるとなると2時間コースということになります。

しっかり鑑賞時間を取って訪問するか、場合によっては複数回に分けて訪問した方が良いかもしれません。

《ゴジラ・THE・アート展》の構成

構成は4章+1。

第一章「近代の蒐集として」と題して戦後日本の問題や感情を集めた存在を ”近代の蒐集” としてアーティストたちが再構成したもの。

第二章「イメージと咆哮」として版画と写真で直接、間接的にゴジラを表現。

第三章「美しい廃虚」として実在しなかった日本をアーティストたちが表現します。

第四章「我々は、何を見ているのか」

さらに続いて「GODZILLA THE ART by PARCO」として2023年から2年にわたり渋谷PARCOで開催された全4回の連続企画で発表された作品の一部が展示されています

展示風景, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲そして会場そのものも ”ゴジラに破壊された東京のビル” という想定になっています。

「ゴジラ・THE・アート展」の看板のゴジラに破壊されたという良く言えばメタな設定の入口から展覧会は始まります。


《ゴジラ・THE・アート展》展の主な作品

第一章から第四章までは9組のアーティストの作品が展示されています。

NNC – きょうの出来事β, 2025, 青柳菜摘, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲まず最初に目に入るのが青柳菜摘の《NNC – きょうの出来事β》。

映像ディスプレイとLED掲示板から成る作品で、まずはLED掲示板が出迎えてくれます。ここで表示されるメッセージは約3分ほどでループしています。

この作品は会場内に何箇所かに分けて展示されています

PARADISE, 2025, 横尾忠則, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲青柳菜摘は見逃すかもしれませんが、横尾忠則の《PARADISE》は見逃しようがありません。

正面に見えるこれは1985年制作のオリジナル「PARADISE」をスキャンしたもの。さらにこれをランダムに崩壊させ組み直したものが2点の全3点セット。

ゴジラが何をしたかに対する横尾忠則らしい回答だと思います。

Rays, 2025, O JUN, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

O JUNの《Rays》はここ数年のシリーズ作「ビル群」と「ごじら」からなる作品。

分かりやすいコンセプチュアルな作品ですが、今回の展示作品の中でも最もパーソナルな作品かもしれません。

この部屋の中の福田美蘭、隣の部屋の川田喜久治と風間サチコの作品は撮影禁止でした。

展示風景, 東京ビルド, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲一見すると特撮映画などでよく使われるミニチュア市街のようにも見えますが、これは現代アート作品です。

アーティストは東京ビルド(TokyoBuild)ことスウェーデンはストックホルム在住のデザイナーでアーティストのクリストファー・ロビン・ノードストローム(Christopher Robin Nordström)。

Google Streeet Viewなどで見つけた東京の古い街を偏執狂的な細かさで再現します。

展示風景, 東京ビルド, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲東京ビルドの作品をじっくり見られるのは、もしかしたら本展での最大の収穫かもしれません。

ふーん、特撮のミニチュアセットかぁと通り過ぎず、しっかり鑑賞しましょう。

この写真で左上に写っているLED掲示板はもちろん青柳菜摘の「NNC−きょうの出来事β」です

the One – 呉爾羅(仮説のモニュメント6), 2025, 小谷元彦, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

小谷元彦の《the One – 呉爾羅(仮説のモニュメント6)》。木彫の作品です。

小谷元彦はゴジラ(呉爾羅)とは何か? に対して、世界の暗黒を象徴する邪悪なものと定義し、このようなゴジラ像を提示してきました。

ちなみに私たちは1954年オリジナルゴジラに対しては ”太平洋戦争で海に沈んだ英霊たちが陛下に報告に来る” の暗喩であり、当時まだ記憶に残っていたすべてを無慈悲に破壊する空襲を象徴するものだったと考えています。

第四章は佐藤朋子の《オバケ東京のためのインデックス 序章》と青柳菜摘の《NNC−きょうの出来事β》のLED掲示板で終わります。

《ゴジラ・THE・アート展》のいわば本編はここまでです。


《GODZILLA THE ART by PARCO》

前述のように2023年から渋谷パルコで開催された「GODZILLA THE ART」出品作品が最後のセクションを飾っています

Godzilla, 2024, 浅野忠信, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲展示作品はいろいろあるのですが、この浅野忠信の「Godzilla」はいいですねぇ。

映画や音楽だけでない才能を感じます。

展示風景, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲GODZILLA THE ART Part1〜4までの、ほんの一部の作品だけだと思いますが、展示室いっぱいを使っての展示です

ジオラマ

最後の最後は東宝映像美術によるジオラマです。

展示風景, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲過去のゴジラ映画から流用した特別映像、そしてこの廃墟感たっぷりのジオラマなど。

間近に近寄っての撮影もできますからポーズを取るなり、映画のようなアングルを追求したりして愉しめます。

展示風景, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲ライティング、BGMもループしながら変わっていきます。

とにかくサービススポットですね。


ミュージアムグッズ

美術館の楽しみの一つは最後のミュージアムショップ。

《ゴジラ・THE・アート展》のミュージアムグッズを見てみましょう。

ミュージアムショップ, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲グッズの中でもTシャツ類は特に充実しているようです。

これはHAZE(エリック・ヘイズ)の「HAZE | GODZILLA。 CROWN」で7,700円(税込)。

なお期間・数量限定のようですがHAZEのカードが来場者に配布されていました。

ミュージアムショップ, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲これは通常の展覧会Tシャツ。

ホワイト(左)とチャコール(右)があって、どちらも4,950円(税込)です。

ミュージアムショップ, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲これは展覧会のネーム入りTシャツ。

ブルー(左)とグリーン(右)があって、どちらも4,950円(税込)です。

ミュージアムショップ, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲GODZILLA THE ART展開催記念フィギュア。

1954年オリジナル、1991年平成ゴジラ、-1.0バージョンがありました。どれも5,500円(税込)です

ミュージアムショップ, ゴジラ・THE・アート展, 森アーツセンターギャラリー, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲公式図録の予約も受付中。

定価は3,600円(税別)。2025年6月に発送予定だそうです。


関連企画

コラボメニュー

森アーツセンターギャラリーや森美術館の展覧会では森タワー52Fのカフェ「THE SUN & THE MOON Cafe」でコラボメニューを提供することがあります。

《ゴジラ・THE・アート展》でも6月29日までの期間限定でコラボメニューが提供されます。

六本木ヒルズ, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲メニューは4種類。

サーモンムースの「Rouge et Noire」、ゴジラバーガーの「瓦礫と咆哮」、フランス菓子の「破壊と再生のメタファー」それとデザートの「初代ゴジラのデザート化」そしてカクテルの「赤でありながら黒」。

価格的には1,430円〜2,980円です。詳しくはカフェのサイトで確認してください。

ゴジラvs六本木ヒルズ

六本木ヒルズ, 2025 撮影:建築とアートを巡る

▲《ゴジラ・THE・アート展》開催記念で「ゴジラVS六本木ヒルズ」というキャンペーンが実施されていて、六本木ヒルズの飲食店舗でゴジラをテーマにしたスペシャルメニューが提供されています。

また対象メニューを注文するとゴジラステッカー1枚がプレゼントされます(なくなり次第終了)。

ゴジラシリーズ特別上映会

でもゴジラファンにとって一番うれしいのはTOHOシネマズ六本木ヒルズで実施される「ゴジラシリーズ特別上映会」ではないでしょうか。

《ゴジラ・THE・アート展》開催中の5月7日(水)〜6月18日(水)まで、毎週水曜日にゴジラ映画を1本1回上映するものです。

上映作品は順番に
『ゴジラ(1954年)』、
『モスラ対ゴジラ(1964年)』、
『三大怪獣 地球最大の決戦(1964年)』、
『ゴジラvsビオランテ(1989年)』、
『ゴジラvsメカゴジラ(1993年)』、
『シン・ゴジラ(2016年)』と『ゴジラ -1.0(2023年)』。

問答無用のオリジナル、オリジナルシリーズの傑作2作、リアルに怖いゴジラが蘇った平成ゴジラそして最新の2作という文句のないラインナップ。

料金は一般1,300円、大学生以下はすべて500円という嬉しい価格。

そして上映開始時刻は19:00から。つまり森アーツセンターギャラリーでの展覧会が終わってからの上映になります。

展覧会を観てから好きな作品をじっくり観ることができるという素敵な企画です

渋谷のゴジラvsキングギドラ

渋谷の渋谷アクシュ(AXSH)では《ゴジラ・THE・アート展》の開催記念で大型のパブリックアートが特別展示されています。

▲大平龍一による《GODZILLA VS. KING GHIDORAH》。

タイトル通り、ゴジラがキングギドラと死闘を繰り広げています。

場所は渋谷アクシュのAOスポットです。

基本情報

ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展

会期:2025年4月26日(土) ~ 6月29(日)  会期中無休
開館時間:10:00~19:00 ※金土曜日は20:00まで。4/26〜5/6も20:00までチケット料金:
[平日]
一般 2,200円 
高校・中学 1,500円
4歳〜小学生  5,00円
5月7日〜30日まで、17時以降入場の「ゴジかラ割」あり

[土・日・休日]
一般 2,500円
高校・中学 1,600円
4歳〜小学生 600円

予約:事前予約制(日時指定券)オンライン購入

会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

住所: 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー

アクセス:
東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口 徒歩3分(コンコースにて直結)、
都営地下鉄大江戸線「六本木駅」3出口 徒歩6分、
都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」7出口 徒歩9分、
東京メトロ南北線「麻布十番駅」4出口 徒歩12分、
東京メトロ千代田線「乃木坂駅」5出口 徒歩10分


シェア:
PR
PR
同じカテゴリーの記事 Advertisement
Advertisement
Advertisement

コメントを残す