同時開催
東京都現代美術館で現在開催中のGENKYO 横尾忠則 「原郷から幻境へ、そして現況は?」に続いて、東京ミッドタウンにある21_21design sightのgallery3で開催されている「The Artists」へ行ってきました。
カルティ現代美術財団
この展覧会はカルティエ現代美術財団の主催です。カルティエ現代美術財団は言わずもがなのフランスを代表する高級宝飾ブランドカルティエによって1984年に設立された財団で、パリにジャンヌーベル設計によるガラス張りのファサードが印象的なカルティエ財団現代美術館があります。
カルティエ現代美術館は、50ヶ国500人のアーティストによる2000点以上のコレクションを所蔵しています。これまでに森村泰昌、荒木経惟、宮島達男、村上隆、森山大道、杉本博司、川内倫子、横尾忠則、束芋といった14名の日本人アーティストの展覧会の開催もしています。
10年以上前になりますが、カルティエ現代美術館に訪問した時の感動は今でも鮮明に記憶に残っています。
肖像画
2014年にカルティエ現代美術財団が設立30周年記念として、財団に関わってきた世界中の芸術家や思想家、批評家や科学者らの肖像画を横尾忠則に依頼しました。
その依頼を受けて横尾忠則は約3ヶ月かけて、139点の肖像画を制作しました。肖像画のサイズは全て33cm×24cmに統一されています。しかし、その表現方法は通常の横尾忠則の作品がそうであるようにバラエティに富んでいます。
今回の展覧会はその139点の肖像画を鑑賞できる内容です。
会場構成
肖像画は全て同サイズなので、普通に壁面に展示して単調になることを避けた工夫が施された会場構成です。
作品が設置されている展示台は一筆書き状で、長いリボンのように会場内の奥へと鑑賞者を誘います。
スタートは横尾忠則本人の自画像です。北野武もありますね。▼
作品リスト
会場で配布しているA3二つ折りのカラーの作品リストの順番と実際に展示されている順番は違います。実際に展示作業を開始して、現場でレイアウトが変わるなんていうことは展覧会では日常茶飯事です。
印刷物は事前に制作しますから、どうしてもこのような差異は生じてしまいがちですね。▼
会場入口に和英2種類のリストが用意されています。▼
ピックアップ
139人の肖像画のうち何点か作品を紹介します。
会場の背景となっているのは肖像画の作品を拡大したディテールのコラージュです。
2004年にカルティエ現代美術館で個展を開催した杉本博司です。▼
中央が先日亡くなったクリスチャン・ボルタンスキーです▼
kudan houseでパビリオン「木陰雲」を現在展覧会開催中の建築家石上純也です。2018年にカルティエ現代美術館で個展を開催しました。▼
現在、銀座と青山のAKIO NAGASAWA GALLERYで展覧会を開催している宮島達男です。宮島達男は1996年にカルティエ現代美術館で展覧会を開催しました。▼
2012年に亡くなった前衛華道家の中川幸夫です。▼
中央の紫の作品は三宅一生です。▼
デビット・リンチの横には1995年にカルティエ現代美術館で個展を開催した写真家のアラーキーです。▼
最後はやっぱり自画像です。その隣には再び登場する展覧会会場の21_21 design sightの創立者三宅一生が並びます。その前が現在パリのカルティエ現代美術館で展覧会を開催中のダミアン・ハーストです。▼
インタビュー映像
岡本憲昭制作の横尾忠則のインタビュー映像を会場で鑑賞することができます。
モニターの下も肖像画の部分を拡大後、コラージュしたカーペットが敷かれていました。▼
東京都現代美術館で現在開催中のGENKYO 横尾忠則 「原郷から幻境へ、そして現況は?」と合わせて鑑賞をお勧めします。こちらは入場無料です。
横尾忠則「The Artists 」
2021年7月21日-10月17日 火休 平日11:00 – 17:00、土日祝11:00 – 18:00
21_21 gallery 3
港区赤坂9丁目7−6 東京ミッドタウン・ミッドタウンガーデン MAP