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ダニ・カラヴァン設計・監修 巨大なランドスケープアート!奈良県宇陀市 室生山上公園芸術の森へ


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奈良県宇陀市にある巨大なランドスケープアートをご存じでしょうか。以前からずっと行ってみたいと思っていたのですが、なんせ遠い。奈良県の宇陀市と言われてもどのあたりなのかさっぱりわからない。

そんな状態でしたが、奈良県の安藤忠雄が手がけた住宅建築旧南林邸に宿泊する機会に恵まれたので、これは行かねば!と足を運んでみました。

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室生山上公園芸術の森はいつできた?

1995年、当時の室生村(現在の宇陀市)の過疎対策として国土庁の『むろうアートアルカディア計画』が策定されたことから計画が始まりました。

室生村出身の彫刻家・井上武吉が構想した「森の回廊計画」「山の上のモニュメント構想」という二つの計画をもとに、井上武吉と親交の深かったダニ・カラヴァンが招聘され、《アート×公共事業》という90年代にはまだ事例の少なかったアートプロジェクトが進行。

公園が完成し一般公開されたのは2006年6月のことです。

《太陽の道》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

どんなアーティスト?

ダニ・カラヴァンはイスラエル出身の彫刻家です。2021年に90歳でこの世を去りました。大規模なランドスケープアートを多数手がけており、日本には、札幌芸術の森美術館(札幌市)や、霧島アートの森(鹿児島県湧水町)に室生山上芸術の森同様、周囲の自然を取り込んだ大型作品があります。

また、ダニ・カラヴァンに声をかけた彫刻家井上武吉は、ダニ・カラヴァンと同じ年で1930年に室生村で生まれ、彫刻の森美術館の設計などを手がけた日本を代表する彫刻家です。しかし、井上は1997年に室生山上公園芸術の森の完成を見ることなく亡くなっています。

ダニ・カラヴァンは井上に託されたこの大仕事を引き継ぎ完成させたのです。

ダニ・カラヴァン監修の室生山上公園芸術の森ですが、そのベースには井上武吉の故郷の村への想いがあるのです。

《天文の塔》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

室生山上公園芸術の森では何がみられる?

ダニ・カラヴァンが監修した広大な公園には大きく5つの作品が点在しています。

私が訪問した日は(平日)は北ゲートしか開門されておらず、北ゲートの駐車場に停めて、入場料を払い公園内へというルートになっていました。

《波型の土盛り》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲最初にあるのが、両脇に規則的に木が植えられ、その真ん中の道は波型に隆起している《波型の土盛り》

この道の先には弘法の井戸があります。

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《螺旋の水路》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲一番人気はなんといっても《螺旋の水路》です。SNSで見かけたことがある人も多いでしょう。正面の木は金木犀でした。訪れた時ちょうど花を咲かせており、いい香りが漂っていました。

また、ここが一番人気なので、訪問した日は人は少なかったのですが、アジア系外国人の結婚式の前撮りをしていたりして、時に写真撮影の順番待ちが生じる瞬間もありました。

同じ時間帯に公園内にいたのは5-6組でしたが、全て外国人観光客でした。こんなに遠くまで来るんですねぇ。SNSって本当にすごい!

《螺旋の竹林》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲北ゲートから入った場合、《波型の土盛》の次にある作品は、竹林の中で地下に螺旋階段が掘られている《螺旋の竹林》です。

《螺旋の竹林》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲この螺旋階段は登り降りすることができて、竹林の中をぐるぐる回って階段を降りるとまっすぐの地下道があり、その先に光が見えてきます。

《螺旋の竹林》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲そしてこちらへ出ます。奥に見えるのは《天文の塔》です。

特に明確な順路があるわけではないのでこっちから入って竹林へ出ることも可能です。

《天文の塔》 右、《太陽の道》左 ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲《天文の塔》は、湖の真ん中に浮かんだ島にある彫刻で、傾斜のきつい階段を登って最上部へ行くことができます。

《天文の塔》行くにはゲートがある《太陽の道》を通ります。

《第2の島》ダニ・ガラヴァン設計・監修 室生山上公園芸術の森 写真:建築とアートを巡る

▲北ゲートからさらに奥に進むと、天文の塔の周囲の湖よりも大きな第一の湖があります。ここには3つの島が浮いています。

真ん中の第2の島には三角のピラミッドのような彫刻があり、その中央を取り抜けることができます。この第2の島、第3の島とその間にかかる橋が2番目に人気のアートです。

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室生山上公園芸術の森はどこにある?

車でアクセスしましたが、ここで本当にあってる?というとっても不安になるとんでもなく狭い坂道を上ってようやく辿り着きます。

公園には無料の駐車場があり、到着してしまえば何も問題ありませんが、途中はかなり不安になります。すれ違いなんて絶対できないような狭い登り坂です。

帰る途中、おそらくバス停から歩いて公園に向かっていると思われる外国人カップルを見かけましたが、ずっと上り坂を歩いてきたたまでしょう、ふたりとも確実に無言になっていました。

公共交通機関で向かうのはかなりチャレンジャーだと思います。建築とアートを巡るとしてはマイカーあるいはレンタカーをお勧めします。

室生山上公園芸術の森へ行く際のポイント

私が訪問して感じた室生山上公園芸術の森についてのポイントをまとめました。

・車で行った方が無難

・日陰がないので真夏はきつい(きっと虫も多いと思う)

・起伏のある公園なので歩きやすい服装と靴で

・飲み物の自動販売機しかない(公園内で弁当などを食べるのは禁止)

・トイレはゲート及び駐車場付近にしかない

基本情報

室生山上公園芸術の森

大人410円、高校生200円、中学生以下無料

4月~10月(10時~17時)、3月・11月・12月(10時~16時)

火曜休園(祝日の場合その翌日)および12月29日~2月末日休園

奈良県宇陀市室生181  MAP

無料駐車場あり(平日は北ゲートのみ開門、南ゲートは土日祝のみ開門)

近鉄大阪線 室生口大野駅より路線バス「室生寺」バス停下車 徒歩約15分

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