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奈良県《旧南林邸》 安藤忠雄が手がけた初期の住宅建築で暮らすように過ごしてみる


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安藤忠雄の住宅建築で暮らしてみたいと思いませんか?それが実現できる場所があるのです。

安藤忠雄が数多くの住宅建築を手掛けていることはよく知られています。安藤忠雄本人も住宅が「建築の原点」であると常々口にしています。

そんな安藤忠雄が手がけた建築の原点である「住宅建築」を見学するだけでなく、実際に暮らしてみることができるとっても貴重な場所があるのをご存知でしょうか。

「そんなことできるわけない」と思い込んでいるかもしれません。私もそう思っていました。でも実現できるのです。

それは、安藤忠雄が事務所を構える大阪のお隣、奈良県に位置する住宅です。

ファサード 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る
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安藤忠雄の建築の原点

安藤忠雄が世の中に知られたきっかけは建築好きの方々には周知の「住吉の長屋」です。安藤忠雄初期の名作住宅で1976年に竣工したコンクリート打ち放しの箱型の建築です。

「住吉の長屋」は、家の中にテラスがあり、雨の日にテラスとテラスの間の移動をする際に、傘をささないと雨に濡れてしまうという通常では考えられない不自由さを孕んだ住宅です。

安藤忠雄は、この「住吉の長屋」で1979年に日本建築学会賞を受賞していますし、2006年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれました。

階段 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

安藤忠雄にとって住宅建築は「建築の原点」

30代の作品「住吉の長屋」で脚光を浴びてからも安藤忠雄は多数の住宅建築を手がけています。

そんな安藤忠雄の「建築の原点」である住宅に暮らしてみたいと思ったことがある方は多いはずです。

しかし、現在の安藤忠雄に住宅建築をオーダーするなんてことは夢のまた夢。手がけた過去の建築だって自分で所有するにはハードルが高い。

それに、仮に住めたとしてコンクリート打ち放しのかっこいい空間に実際に暮らすとなると、ミニマリストにならないといけないのでは?とか毎日整理整頓ができるかな?などと要らぬ心配をしてしまいます。

だったら、せめて見学だけでも‥と思っても住宅となると簡単に中に入ることはできません。安藤忠雄全集をめくってみても都道府県しか書かれていないから住宅がどこにあるのかさえわからない。防犯上の理由もあって住宅を見学することは基本的に不可能です。

どんなに安藤忠雄が好きでも本の中の写真を眺めることしかできません。それが現実です。

そんな方に朗報!なんとその安藤忠雄の住宅建築を見学するだけでなく、宿泊までできる!という情報が飛び込んできました。

これは行くしかない!と、早速行ってきましたのでレポートします。

テラス内側のコンクリ壁面と空 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

安藤忠雄初期の住宅建築 《旧南林邸》

旧南林邸は奈良県にある2世代3世帯の家族のための住宅で、1984年に竣工しました。

閑静な住宅街に佇むその住宅は、初めて目にした瞬間からどこからどうみても安藤忠雄なコンクリート打ち放しの建築でした。

地上3階建てで3階に長男、2階に次男夫婦、1階に両親夫婦が暮らすための住宅として設計されています。

上から下に行くにつれて部屋の面積は大きくなります。

公共の道路に面したファサードからは内部が見えないようになっていて、中に入るとプライベートテラスを中心として3つの住居が緩やかにつながっています。とはいえ、各部屋にはそれぞれの玄関があり、キッチンやトイレなどの水回りも完全に独立しています。

滞在するのは、この住宅の2階にある元次男夫婦が暮らしていた部屋です。

2階の窓から 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

安藤忠雄の住宅建築を保存する

写真を見て1984年竣工なのにすごい綺麗!と思った方は鋭い!実は竣工からすでに40年経過している建築です。

現オーナーが引き継いだ時には、当然40年の歳月による劣化が進行していました。

それを現オーナーがここまで修繕したのです。その様子はこちらに詳しく出ています。

旧南林邸を運営しているのはShare Architecture/シェアアーキテクチャーです。

これまで古くなってしまった価値ある建築の修繕費の捻出ができず、失われてきた建築は数え切れません。

そんな由々しき事態を打破するべく、建築の動態保存を試みる「建築保全参加型のシェア別荘サービス」という日本初の特別な活動を行っているのがShare Architecture/シェアアーキテクチャーです。

日本の建築保全のために何かしたい、でも何をしたらわからないという方も多いはず。

このサービスを利用することで安藤忠雄の貴重な初期の住宅建築が堪能できるだけでなく、建築保全に役に立つなんて嬉しいではありませんか!

詳細はこちらShare Architectureをお読みください。

階段 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

安藤忠雄の住宅建築で暮らすように過ごす

旧南林邸は、ホテルではなく中層階の1室を1日1組限定で貸し切って、宿泊することができる特別なシェア別荘サービスです。

奈良県生駒市にある安藤忠雄が手がけた初期の住宅建築で、まるで暮らすように過ごすことができるなんて夢のような話。安藤忠雄好き、建築好きにはたまらないサービスです。

ホテルではないので食事のサービスなどはありません。近隣で外食するか、キッチンを使って自分で料理をすることも可能です。基本的な調理道具や冷蔵庫は完備されています。

ホテルではないけれどタオルや歯ブラシなどは常備されています。

安藤忠雄の建築で暮らすように過ごすのですから、テレビはありません。

また、安藤忠雄が語っている「闇を感じる」体験もできます。どういうことかというとこの家には天井照明がなく間接照明だけなのです。

安藤忠雄は書籍の中で、施主に天井照明をやめましょうという説得をするのが大変だということも語っています。

コーヒーを飲みながら光を観察 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

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安藤忠雄の住宅建築で暮らしてみて

私はこれまでに安藤忠雄が手がけた大型プロジェクトから美術館、ホテルなど全国の様々な場所に足を運んできました。しかし、安藤忠雄の住宅建築に足を踏み入れたのは今回が初めてです。

近所にある某大手ゼネコン会長のプライベートギャラリーを訪れたことはありますが、あそこは住居というよりはギャラリーでしたので、純然たる住宅は初めてだったのです。

別荘として限定された期間だけ足を運ぶのであれば、冒頭に書いたミニマリストになる必要もないし、整理整頓に頭を悩ませる必要もありません。

滞在する期間に必要なものだけを持参して、自由に過ごせばいいのです。

内観 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

安藤忠雄の住宅建築はやっぱり「光」だった!

今回は2泊3日で滞在しました。2日目は午前中だけ出掛けて午後からはずっと部屋に滞在し、常設されている充実した安藤忠雄の書籍を眺めながら、部屋に入り込む光の変化を楽しみました。

はっきり言って今回の滞在だけでは全部に目を通すことは不可能なくらいの冊数が常設されています。古い雑誌の安藤忠雄特集から、展覧会図録や全集など幅広い安藤忠雄関連書籍です。

次回は、デジタルデトックス及び安藤忠雄関連書籍読破のために訪問するのもアリかもなんて考えたり。

安藤忠雄関連書籍の一部 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

こんな贅沢な時間を過ごせるのもシェア別荘サービスならではです。

午後になって大きな窓から差し込む光の角度が徐々に変化していきます。

あぁこれが見せたかったのだなぁと勝手に感動しました。こんな風に住人目線で住宅を堪能できるのが旧南林邸の真骨頂です。

ダイニングに入り込む美しい光 安藤忠雄設計 旧南林邸 写真:建築とアートを巡る

旧南林邸で暮らしながら建築とアートを巡る

安藤忠雄の手がけた住宅建築《旧南林邸》で(短期間であれど)暮らしながら、奈良県周辺の建築とアートもしっかり巡ってきました。

もちろん、安藤忠雄建築も巡ってきました。

安藤忠雄の規模の小さい住宅建築で暮らしつつ、安藤忠雄の規模の大きな文化施設を巡るというレア体験もしてきました。これがなかなか充実していました。

この後、実際に私が訪れた建築とアートについてこのブログで書いていきますので乞うご期待!

基本情報

旧南林邸

住所:奈良県生駒市

最寄駅:近鉄線生駒駅徒歩約20分、菜畑駅徒歩約8分
生駒駅タクシー乗り場あり、菜畑駅タクシー乗り場なし

アクセス:大阪市内から生駒駅まで25分、京都駅から生駒駅まで(特急利用の場合)40分

 

旧南林邸シェア会員登録

https://www.sharearchitecture.net/register

■スタンダードプラン年会費/¥20000+消費税
■1名帯同可能プラン年会費/¥30000+消費税
■シェア別荘サービスへの入会金 (入会時のみ)/¥20000+消費税
■会員特典/個人プランは毎年ご宿泊1泊まで無料、またはイベント利用1日まで無料(アポイント制に限る)

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日本に遺されている素晴らしい建築を自分の別荘のように活用し、見学だけでは味わうことができない建築の魅力を最大限体感することができる新サービスです。これまで活用方法、修繕費の捻出方法が見出されてこなかった建築の価値を見直し、建築の動態保存を試みる「建築保全参加型のシェア別荘サービス」です。現在は安藤忠雄、菊竹清訓設計による古き建築作品をラインナップしています。
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