広島で建築とアートを巡る旅をしてきました。今回レポートするのはシーラカンスが設計した広島アストラムラインの「新白島(しんはくしま)駅」です。
広島市の中心部と住宅地を結ぶ交通の要所「新白島駅」。アストラムラインとJRが交差するこの場所には、ただの乗換駅とは思えない美しい空間が広がっていました。
地下にありながら自然光が降り注ぐホーム、曲線を描く鋼板のシェル、緑に覆われた連絡通路 ── 今回は、そんな新白島駅の建築をレポートします。
また、広島では、広島県大竹市にある世界で最も美しい美術館<下瀬美術館>を訪れ、美術館同様坂茂設計の併設のヴィラに宿泊して思い切り堪能しました。
その後世界で最も美しくてかっこいいゴミ処理場(私調べ)、谷口吉生設計の広島市環境局中工場を巡りました。

広島アストラムライン新白島駅
新白島駅は、2015年3月14日に開業した比較的新しい駅で、広島市中区の西白島町と東白島町にまたがる場所にあります。
この駅は、JR西日本の山陽本線(通称:可部線)と、広島高速交通のアストラムラインという2つの路線が交差する場所に設けられた乗換駅でもあります。
今回建築目的で訪れたアストラムラインは地下を通り、JRは高架を走るという異なる構造を持っているため、両路線をスムーズに接続するための高度な設計が求められました。
両駅は2階レベルの連絡通路でつながっています。

新白島駅の設計
新白島駅は、国道54号の中洲部分という非常に限られたスペースにあり、周囲には片側3車線の幹線道路や高架橋が広がっています。そんな都市インフラの中に調和するように、新白島駅は円筒型の鋼製シェルに包まれたユニークな姿をしています。
この姿は、駅につながる歩道橋からよく見えます。
アストラムライン側の駅空間の設計を手掛けたのはシーラカンス(CAt小嶋一浩+赤松佳珠子)です。残念ながら小嶋氏は新白島駅竣工の翌年に亡くなっているので、遺作のひとつと言ってもいいかもしれません。

特にアストラムライン側の駅空間は、このシェルに大小さまざまな円形の開口が設けられており、自然光が差し込む地下とは思えない明るい空間が実現されています。
円の形に落ちる影がなんとも美しい時間に訪問できて本当にラッキーでした。
構造的にもデザイン的にも工夫が凝らされた新白島駅は、単なる交通の結節点にとどまらず、建築的な魅力を持つ都市のランドマークのひとつとなっています。

新白島駅の見学
新白島駅の建築の美しさをきちんと堪能するのであれば、ホームに入らないといけません。
すなわち、入場券が必要となります。私は車で近くまで行って、入場券を購入してホームに入り、一通り見学してきました。
せっかくなので、アストラムラインを利用して訪問した方が、車窓から見えるホームという視点でも建築を堪能できるので良いかもしれません。
広島で建築とアートを巡る▼
基本情報
| アストラムライン新白島駅
設計:シーラカンス 開業:2015年 住所:広島県広島市中区西白島町 154-1 MAP アクセス:アストラムライン本通駅から約4分。 |











