愛知・岐阜で建築とアートを巡る旅をしてきました。名古屋ではプリツカー賞を受賞した山本理顕が設計した名古屋造形大学へ行ってきました。
地下鉄名城線・名城公園駅の真上という恵まれた立地にあるキャンパスです。
お隣では隈研吾設計による愛知県新体育館ことIGアリーナの工事が急ピッチで進められていました。
真っ白な清潔感のある名古屋造形大学の名城公園キャンパスをレポートします。

名古屋造形大学 名城公園キャンパスはいつできた?
名古屋造形大学は、1967年に創立された名古屋造形芸術短期大学にルーツを持ちます。
1990年に4年制の大学、「名古屋造形芸術大学」が開校され、短大の方は2003年に「名古屋造形芸術大学短期大学部」と改称されました。しかし、2007年には短大の生徒募集を廃止し、2008年に現在の名称名古屋造形大学に改称されています。
簡単にまとめると始まりは短大で、1990年に4年制大学ができて、17年ほど短大と大学が併設されていたものの、2008年に4年制大学だけになったという流れです。
2022年に現在の名城公園キャンパスが完成し、小牧市大草からキャンパス・本部を移転しました。
新キャンパスは、当時この学校の学長だった建築家の山本理顕(やまもと・りけん)による設計です。
山本理顕が学長を勤めていたのは2018年から2022年までですが、その間に大学側と山本理顕との間に溝ができてしまい、新キャンパスが完成してから設計した本人は現地には行ってないようです。
その後双方の間で裁判が行われ、2023年12月に和解したようです。大学のHPにはこのような文章が掲載されています。
何があったのか、憶測でものを言うことは避けたいのですが、双方の衝突を機に、山本理顕は大学に立ち入ることもままならない状況に陥ったものの、現在は和解しています。
しかし、和解したからといって山本理顕が大学に復帰する考えは少なくとも大学側にはないというのが現状のようです。
この件の詳細が知りたい方はリサーチしてみてください。

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名古屋造形大学名城公園キャンパスはどんな建築?
建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した山本理顕が直近で手がけた大規模建築です。
注目されないわけがありません。

名古屋造形大学名城公園キャンパスは4層からなる白い校舎です。外観は白く、その壁面は孔の開いたグリッドで埋められています。そのせいか、威圧感はなく、とても爽やかな印象です。

大学のキャンパスではありますが、一歩中に踏み込むと路地裏のような場所があったり、開かれた公園があったり、人通りの多い場所と少ない場所など、一つの街のような空間でした。
キャンパスには4つの棟があり、スタジオと呼ばれる大空間が4つの棟をつなぐように乗っている。この最上階のスタジオと呼ばれる場所はこれまでにない、いわゆる教室の概念を覆すシェアスタジオ空間ですが、残念ながら一般見学者は上階へ上ることができないので、下から仰ぎ見るにとどまりました。
4つの棟の間にはアートストリート呼ばれる半屋外空間があり、3階層までの吹き抜けなので、広々とした全天候型の公園のようでもあります。このスペースは一般でも自由に見学ができるので、名古屋造形大学の名城公園キャンパスの空間を体感したと言っても過言ではないでしょう。
下から見ると点在する箱型の施設の屋上にベンチや椅子があって学生の憩いの場所となっていました。残念ながらこのスペースにも上がることはできないので、下から眺めるだけでしたが、雨が降っても屋外空間で過ごせる気持ちよさがたくさん詰まっているキャンパスです。

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名古屋造形大学はどこにある?
地下鉄名城公園駅を1番出口を出ると目の前にキャンパスがあります。もう迷いようがないくらい目の前なのでアクセスは抜群にいいです。また、見学者用の駐車場はないので地下鉄で行くのが便利です。
お隣には隈研吾の設計によるIGアリーナが工事中でした。2025年夏に完成したら二つの建築を見学できるスポットとなるでしょう。

名古屋造形大学のポイント
・一般の見学も可能
・一般見学は地上階のみで階上のスペースには上がれない
・地下鉄名城公園駅1番出口すぐ!
愛知と岐阜で建築とアートを巡る
基本情報
名古屋造形大学
愛知県名古屋市北区名城2丁目4番1 MAP アクセス:地下鉄名城線 名城公園駅2番出口30秒 |