愛知県で仕事があったので、超絶久しぶりに養老天命反天地(ようろうてんめいはんてんち)を再訪してきました。
前回訪問したのは開園まもなくだったので90年代後半かだったと思います。実に20数年ぶりの再訪となりました。
久しぶりに訪れた養老天命反天地。ここは、現代美術アーティストの荒川修作+マドリン・ギンズの巨大なコンセプチュアルアート作品なのです。
PR養老天命反転地はいつできた?
1995年に岐阜県養老町に位置する岐阜県立養老公園内に開園しました。
当然ながら開園当時はまだ荒川修作もそのパートナーであり詩人でもあるマドリン・ギンズも存命でした。
開園の2年後に養老反転地記念館が竣工しています。
私は1991年に東京国立近代美術館で開催された荒川修作の個展「荒川修作の実験展:見る者がつくられる場」で初めて荒川修作の作品を包括的に鑑賞し、それまで矢印や英語が飛び交う平面作品しか知らなかったので、ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けたのを記憶しています。
というわけで、その個展の数年後に開館して間もない養老天命反転地を訪れたのです。それ以来なので実に20数年ぶりの再訪。
ああそうそう!こうだった!というところから、え?こんなだったけ!?という場所まで、人間の記憶の曖昧さも実感するアート鑑賞となりました。
残念ながら初訪問の時と大きく異なるのは、2010年に荒川修作が73歳で亡くなり、2014年にマドリン・ギンズが72歳で亡くなり、二人ともこの世にはもういないということです。
養老天命反転地ってどんな場所?
簡単にいうとちょっと変わった屋外公園です。いや、かなり変わった屋外公園です。
広大な岐阜県立の養老公園の中に養老天命反転地はあります。この広大な県立公園の中には、養老天命反転地の他にパターゴルフ場やテニスコート、こどもの国などがあります。
さらに居酒屋の名前でも有名な養老の滝もこの公園にあるのです。しかし、養老の滝は、最寄りの駐車場から徒歩で30分かかるため、私は目にしたことはありません。
養老天命反転地だけでなく、養老の滝をみたり、パターゴルフをしたりと養老公園ではさまざまなアクティビティがあるので、とことん楽しみたい人は一日いられる場所です。養老天命反転地だけでいいです。という方は2時間みておけば良いでしょう。
もしも養老天命反転地の隅々まで歩き回る!というのであれば3時間コースかもしれません。
養老天命反転地で何がみられる?
約18,000㎡に及ぶ広大な敷地の養老天命反転地は、大きく分類すると3つの施設、というかアート作品で構成されています。
入ってすぐに目の前にあるのは、色鮮やかな「養老天命反転地記念館」と「養老天命反転地オフィス」です。
その先には、平衡感覚を狂わす不思議な空間が広がる「極限で似るものの家」です。ぐにゃぐにゃとした有機的な形の屋根は岐阜県の形を模しています。
天井を見るとそこには、地上と同じ光景が展開されています。
「養老天命反転地記念館」と「極限で似るものの家」の間には「不死門」があります。
そして、一番広いのが「楕円形のフィールド」です。このフィールドの中には大小様々な日本列島や「宿命の家」や「精緻の棟」などが点在しており、このフィールドを全部くまなく歩き回るとなるとそれなりの時間と体力を要しますので覚悟をしたほうがいいでしょう。
いろいろな作品がありますが、基本的には内部(入れない場所もあり)や周囲をみてまわるものです。
アトラクション的なものは一切ありませんのでご注意を。私は20数年ぶりに訪問して驚いたのは、当たり前といえばそれまでですが、長い年月風雨に晒されかなり劣化が進んでいたことです。
正直、こんなにボロボロに、、、と絶句するような場所もありました。時間とは無残なものです。
経年劣化は(特に屋外のものは)誰にも止められませんから仕方がありませんが、なんとなく作家本人が二人とも亡くなってメンテナンスに割く時間や経費も少しカットされてしまったのかなぁなんて勘繰ってしまいました。そうでないことを祈ります。
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どこにある?
養老公園は、名古屋から車で高速を使い約1時間で到着します。公園には複数の駐車場が点在しています。養老天命反転地に一番近い駐車場は第二駐車場です。
公共交通機関の場合、真っ赤なレトロな車両がかわいい養老鉄道の養老駅から徒歩で10分ほどです。
養老駅から無料シャトルバスもあるようなのでチェックしてみてください。
ポイント
20数年ぶりの訪問でしたが、新たな驚きや発見、初訪問では感じなかったことなどがありました。何度訪問しても飽きない場所だと思います。
なぜならここにあるのは施設ではなく「アート作品」だからです。だって、どの施設にも何の機能もないのですから、アートそのものですね。
・屋外なので季節によってはかなり厳しい(真夏と真冬は辛そう)
・屋外なので天候によっては辛い(荒天時は閉園)
・起伏があり床が斜めの場所多数なので歩きやすい服装と靴で
・写真では伝わりにくいが実はかなり劣化している
・トイレは入り口の記念館内のみ
・養老天命反転地の敷地内には飲み物の自販機などはない
荒川修作+マドリン・ギンズの住宅作品▼
基本情報
養老天命反天地
9:00~17:00(最終入場 16:30) 火曜日(火が祝の場合翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日) 荒天時に臨時閉園あり 入園料2025年より以下料金に改定 入園料:大人850円、高校生550円、小中学生350円 岐阜県養老郡養老町高林1298ー2 MAP 駐車場有(第二駐車場が最寄り) |