香港の巨大美術館M+は、倉俣史朗を目的に訪問したわけですが、建築も見応えがありますし、コレクションも膨大です。
今回M+その4では、M+で見られるアート作品、展示室や美術館の各フロアについて、有料エリアと無料エリア、ミュージアムカフェやミュージアムショップ情報など、美術館の全貌についてレポートします。

M+のグランドフロア(1階)
M+ではG(グランドフロア)と言われる1階についてのレポートです。
このフロアは、基本的にチケットがなくても誰でも入館可能。
エントランスの吹き抜け空間にも作品の展示がされていますので、無料エリアでも作品を鑑賞することができます。
訪問者は基本的にこのグランドフロアから入館することになります。グランドフロアのエントランス(出入口)は四角いフロアの3方向・3カ所にあります。

駅から徒歩で向かった場合は、Artist Square Entranceという正面にインフォメーションカウンターがあるメインのエントランスからアクセスすることになります。
中央にインフォメーションカウンター、その背後には巨大な吹き抜け空間。そしてロッカー、やトイレ、ラーニングセンターや映像センターがあります。

▲グランドフロアで目を引くのは、柱巻きのデジタルサイネージです。このサイネージの制作者は日本人のウェブデザイナー中村勇吾です。
また、グランドフロアにはメインホールギャラリーという展示室もあります。
訪問時はこのギャラリーの展覧会に関しては入場無料でした。

ミュージアムショップThe M+Shop
駅からアクセスして最初に見えてくるのはM+のミュージアムショップです。かなり広いショップには多くのグッズが並んでいます。

しかし、M+そのもののオリジナルグッズはあまり多くはありませんでした。ちょっと拍子抜け。

▲エコバック数種類。一応M+オリジナルです。
爆買いの気持ちで行きましたが、想定よりもM+グッズが少なかったおかげで散財せずに済みました。

▲エコバック2種、ハンカチ、ペンなど、このほかにド派手なM+靴下や巨大M+エコバックなども購入しました。結構買ってる?
商品のラインナップは時期によって異なるので、今後M+グッズが増えていくことも考えられます。
というのも訪問時は開館2周年を記念する「M+2」というロゴの入ったエコバックなども販売されていました。
(写真左側のブルー系のエコバックの反対側にはM+2とプリントされています。)
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2階
2階は全面的に有料エリアです。2階へ上がるエスカレーターでチケットのチェックがあります。
M+の展示室のほとんどがこのフロアにあります。大小様々なサイズの展示室が連なっています。
HdMの美しい螺旋階段があるのも2階です。
日本のデザイナー倉俣史朗の新橋にあったお寿司屋さん「きよ友」や家具・照明などもこのフロアのイーストギャラリーに展示されています。
イーストギャラリーは、「Things, Spaces, Interactions/Design and architecture from Asia and beyond」が展示されています。

▲イサム・ノグチの照明と椅子、城所右文次、アルヴァ・アアルトの椅子が並ぶイーストギャラリーの展示室。

▲ビクトリアハーバーの雄大な景色が見える窓のあるイーストギャラリーの展示室。
ここには菊竹清訓の大阪万博のエクスポタワーの部分が展示されていました。

▲内田繁、田中一光、梅田正徳など日本人デザイナーの仕事が数多く展示・コレクションされていることに驚きました。

▲イーストギャラリーの最後の展示室には、建築家の青木淳によるNTT docomoのiモード時代の絵文字が。
どう考えても当時妻だった松永真里さんとの関係で請け負った仕事でしょうね。青木淳の手がけた仕事でコレクションされているのは、今の所、このemojiだけで、建築についてのコレクションはないようです。
M+には、日本のデザイナーとして亀倉雄策、田中一光、石岡瑛子、横尾忠則などが所蔵されています。また、日本の建築家は、丹下健三、磯崎新、黒川紀章、菊竹清訓、伊東豊雄、藤本壮介、平田晃久などが所蔵されています。
しかし、安藤忠雄のものは2023年12月現在何もコレクションされていません。

▲展示室での展覧会は訪問の時期によって内容が変わるはずですので、詳細は省きますが、とにかく広くて大きいのでじっくり見ていたらあっという間に時間が経ちます。
ルーブル美術館とかメトロポリタン美術館に行くような覚悟を持って訪問した方が良いです。

▲Moving Image Centreの大階段。窓越しにはビクトリアハーバーの雄大な景色を見ることができます。
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3階ルーフガーデン
3階のルーフガーデンは、チケットがなくても入れるエリアです。
間近で見る巨大スクリーンは本当に大きい。巨大スクリーンの海側と裏側で一応別々の名前があって、ビクトリアハーバーを望むスクリーン側はSouth Roof Gardenです。

▲海が見えないスクリーンの裏側に当たるのは、North Roof Gardenです。ここには3種のイサム・ノグチの彫刻作品が設置されています。
写真の円形の立体と周囲の椅子もイサム・ノグチの作品です。

▲実に多かったウェディングフォトの撮影。イサム・ノグチの作品の上でも絶賛撮影中でした。私が訪れたこの日も4組くらい美術館のそこかしこで撮影が行われていました。

▲やっぱり、ビクトリアハーバー側が眺望がいいので人気ですね。
ただ、ファサードの映像を見るなら真下よりも少し距離がある場所が良いです。対岸でもくっきり見えます。
B1カフェとキッズショップ
地下1階もチケットなしで誰でも訪れることができます。
ここにはレストランとミュージアムカフェとミュージアムショップです。
それ以外、すなわち地下1階の半分以上はバックヤードなので一般人は入れません。

▲キュレータークリエイティブカフェ。
このロープパーテションの存在で、週末は行列ができることがわかります。

▲カフェではコーヒーなどのドリンク以外に、ケーキやアイスクリーム、軽食などが食べられます。
ただし、屋内の席数はそんなに多くありません。

▲ですから、外のテラス席でのイートインを推奨しているようです。ちなみに南の海側だと地下といえども1階のような立地です。
反対の北側からだと地下1階です。

▲M+キッズショップです。子供のためのミュージアムショップです。
このショップとキュレータークリエイティブカフェのテーブル席は繋がっています。
ミュージアムショップを眺めながらコーヒーをいただくという感じです。

▲カフェと向かい合った位置にレストランADD+があります。
M+にはこのレストランと3階にMOSU Hong Kongというレストランがあるので、3軒の飲食スペースがあります。
どこもチケットがなくても利用可能です。
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B2ファウンドスペース
地下2階にも展示スペースはあります。
名称としてはFound Spaceの奥に位置するStudioです。地下2階はチケットがないと入れません。
正確にいうと地下2階へ降りるエスカレーターの前でチケットのチェックがあるので、チケットがないとこの階へ降りることができません。

▲私が訪れた時は、草間彌生のインスタレーションが展示されていました。
スタッフが出口と入口に立っていて、入っていられるのは1組1分です。あっという間すぎたので、もう一度並んで2回見ました。
並び直すと言っても私が訪れた日は前に1組しかいなかったので、待ち時間はほぼなしでした。
週末はもっと混雑するのだと思われます。
ちなみにこの草間彌生の展覧会「Dots Obsession—Aspiring to Heaven’s Love,」は2024年1月7日までです。
M+のトイレ
M+は、トイレもかっこよかった!訪れたら長時間滞在することになるので、1回は行くことになるであろうトイレ。
外壁のテラコッタの深いグリーンを踏襲したデザインで、思わず写真を撮ってしまいました。
M+で何ヶ所かのトイレに入りましたが、どこも同様のデザインでした。

M+の有料エリアと無料エリア
M+は展示室が集まっている2階と地下2階は有料エリアで、チケットがないと入れません。
3階のルーフガーデン、グランドフロア(1階)と地下1階は無料エリアです。
ミュージアムショップ、カフェやレストランは無料エリアにあるので出入り自由です。
香港に訪れたら、アート好き建築好きには必須の場所M+です。
倉俣史朗目的で訪れましたが、建築も展覧会も良かったです。何よりもその規模に驚きました。
今度は何かいい企画展が開催している時に訪れたいです。
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基本情報
M+
開館時間:10:00 – 18:00(金 –22:00) 休館日:月曜休館 チケット料金:一般 HKD 120 住所:West Kowloon Cultural District, 38 Museum Drive, Kowloon, Hong Kong MAP |