愛知県で仕事があったので、日帰りで帰れるところを1泊して<名古屋で建築とアートを巡る>旅をしてきました。
この回は建築とアートではなくて建築と甘いものを巡るになっています。
巡ってきたのは昨夏なのですがブログを書くのが遅れに遅れ年が明けてしまいました。
しかし、素敵建築と美味しいもの甘いものの記憶は色褪せません!
昨日のことのようにレポートしたいと思います。
巡ったのはル・コルビジェの弟子坂倉準三設計の建築と名古屋の老舗喫茶ボンボンです。
この二つは徒歩圏内なので両方訪問が可能です。

中産連ビルはいつできた?
ル・コルビジェの弟子でもある坂倉準三が設計を手がけた《中産連ビル》は、1963年(昭和38年)に竣工しました。
竣工時は、社団法人中部産業連盟の研修施設として建設された建築です。「中部産業連盟」なので略して「中産連」です。全冷中(全日本冷やし中華愛好会)みたいな命名ですね。
そして現在は貸会議室兼オフィスビルとして今も現役の建築です。
2021年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選定されています。

中産連ビルどんな建築?
大通りからチラリとその姿が見えてきた時、深みのあるグリーンのタイルが思い描いていた以上に鮮やかで驚きました。
建築は逃げも隠れもしないのに思わず駆け寄ってしまったほどです。
一枚一枚表情の違うタイルに覆われた四角いビルには、数えるのを諦めたくなるくらいのたくさんの窓が。
ランダムなサイズの窓が水平垂直を守って並び、深みのあるグリーンのタイルのファサードにリズム感を与えています。まるで絵画の額縁のような窓枠は白くて太い。
窓に目が行きがちだけれど、よく見るとタイルの貼り方も普通ではないのです。横貼りされたタイルの中に、一部縦張りに変化をつけて横一線のラインのように見せるデザインが施されています。
また、建築家坂倉準三の師ル・コルビュジエの建築にもよくみられるように、箱型の建築の1階はセットバックされ、軒下にピロティ空間があって、遠目から見るとグリーンの箱が浮いてるように見えるのです。
最上階の屋根はまるで名古屋の鯱鉾のように反り返っていて、青空から躍動感のある庇が舞い降りてきたかのようです。
内部には横顔が美しい階段が正面にあり、床には真鍮による曲線が光っています。

1階しか入ることはできませんでしたが、きっと色々なグッとくる魅力的なディティールが詰まっていそうな建築です。
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中産連ビルどこにある?
地下鉄の名古屋城駅から徒歩で15分ほどの場所です。
私は名古屋城駅から歩きましたが、名鉄瀬戸線の東大手駅からなら徒歩10分ほどです。

ポイント
・ランダムな窓が魅力的
・深いグリーンのタイルの貼り方と表情に注目
・最上階の庇の反りの躍動感
・美麗な階段の横顔

基本情報
中産連ビル
名古屋市東区白壁3丁目12−13 MAP |
喫茶ボンボン

1960年代のモダニズム建築を中産連ビル堪能したあとは、その余韻に浸りたい。そんな気持ちに応えるかのように徒歩圏内に老舗喫茶店があるんです。
創業は中産連ビルよりも古く1949年というから驚きです。
中産連ビルから徒歩で10分ほどにある喫茶ボンボンです。

さすがにお店の建築は創業時からのものではないと思いますが、店内は創業時の雰囲気を70年以上保っているんだとか。
確かにステンドグラスや照明、ベルベッドのソファ席など古き良き時代まま時間が止まっています。

さすが喫茶店文化が根付く街名古屋の老舗だけあります。平日にも関わらずお客さんで満席!
さらに、お客さんも多いけれど、メニューも豊富で驚きました。

迷いに迷ってオーダーしたのは、サバランとショートケーキです。
定番のケーキが美味しいところは間違いないですね。

坂倉準三のモダニズム建築と名古屋の老舗喫茶店でのコーヒータイム!
最高の組み合わせでした。
喫茶ボンボンの詳細はこちらの記事で。
愛知と岐阜で建築とアートを巡る
基本情報
喫茶ボンボン
8:00-21:00 年中無休 名古屋市東区泉2丁目1−22 MAP |