愛知と岐阜で建築とアートを巡る旅をしてきました。その最後に立ち寄ったのが、以前より様々な写真を目にして、いつか自分もこの場所に身を置いてみたい!と思い続けてきた建築です。
岐阜市にある伊東豊雄設計の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」です。
愛知と岐阜で建築とアートを巡る旅では、安藤忠雄の長良川国際会議場、岐阜県の荒川修作+マドリン・ギンズの養老天命反転地、名古屋の中産連ビルと喫茶ボンボン、一宮市の丹下健三の初期建築墨会館、とこのブログでも記事にしてきました。

本当はもっと多くの建築に立ち寄っているので、おいおいブログが書ければいいなと思っています。
Advertisementはいつできた?
伊東豊雄の設計により2015年に竣工した公立の施設です。
2階建の建築で1階には市民活動交流センターや多文化交流プラザ、ローソン、スターバックスコーヒーが入り、2階は岐阜市立図書館という構成です。
岐阜市立図書館は最大所蔵可能数90万冊、座席数910席の規模を誇ります。

どんな建築?
巨大な建築の屋根が緩く波打っているのが特徴です。これは周囲にある金華山をはじめとする雄大な山並みと呼応しています。
さらに、さまざまなイベントなど多様な活用が可能な大広場が施設の前には広がります。波打つ大屋根の建築の前にはキノコのようなテントのようなドーム状の別棟がくっついています。ここは、みんな大好きスターバックスコーヒーの店舗です。
大きな施設なので、内部空間も広々です。1階にはコンビニのローソンもあって1日中いられる場所になっています。まさにみんなの森!

私が以前より訪れてみたいとずっと思っていた理由は2階の図書館空間にあります。
2階に上がると目に飛び込んでくるのは、一般的な図書館とは全く別の大空間です。
まず、大屋根と同様にその天井は緩やかに波打っています。有機的な天井が自然の中にいるような安心感を与えます。これは木製格子屋根と呼ばれるものです。
この天井だけでも独創的なのにもっと目を引くのは、外部にあったテントのようなドーム状の屋根をもつスターバックスコーヒーの店舗のデザインを踏襲したドーム状のテントがたくさんぶら下がっていることです。

このテントは岐阜県内のテント会社が制作したグローブと呼ばれるものです。このグローブはサインも兼ねています。サインデザインは原研哉、テキスタイルデザインは安東陽子です。大小11のグローブが天井のトップライトの下に取り付けられています。
ですから、グローブの下は柔らかい光で満たされています。

有機的な曲線を描く木製格子屋根と白く軽やかなグローブの存在が、屋内にいるのに屋外のような、まるで森の中のような気持ちにさせてくれます。これは、毎日7000人位の人々が訪れるというのも納得です。行きたくなる場所だし、長居したくなる空間です。
みんなが集まる場所、集まりたくなる場所、これは公共施設のあるべき姿を体現している建築です。

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どこにある?
我々は車でアクセスしましたが、駐車場も併設されているため問題なく利用することができました。
安藤忠雄設計の長良川国際会議場から車で向かいましたが、車なら10分かからずに到着しました。
安藤忠雄と伊東豊雄建築を一緒に見学できるのでおすすめです。(*長良川国際会議場は2026年3月まで改修のため休館中)
公共交通機関の場合、JR岐阜駅または名鉄岐阜駅より徒歩約25分です。バスもあるようなのでリサーチしてみてください。

ポイント
・2階の図書館空間がとにかくすごい!(これに尽きる)
・外観は金華山と呼応する山並みのデザイン
・夜の表情も一見の価値あり
愛知と岐阜で建築とアートを巡る
基本情報
開館時間:9:00〜21:00(中央図書館9:00~20:00、スターバックスコーヒー8:00~21:00、駐車場8:00~21:30、ローソン9:00~20:00) 休館日:毎月最終火曜日(祝日の場合翌日・年末年始の場合前週の火)及び年末年始12月31日~1月3日 住所:岐阜県岐阜市司町40−5 MAP |