東京都内にある安藤忠雄建築、全部巡ってみたいけれど、遠隔地を巡るのはなかなか大変です。全てが徒歩圏内で巡れる身近な場所にある3つの安藤忠雄建築をご紹介します。
安藤忠雄の代表作といえば光の教会や地中美術館など、光の美しい建築ですが、最近は子供のための施設として、全身ガンに侵されながらもこどもの本の森を全国各地に次々と建てており、そのすごさは、誰もが知るところでしょう。
青山・表参道・原宿エリアには、名だたる建築家の名建築や斬新な建築、新しい建築が並んでいます。さながら、世界の建築博覧会状態です。そんなこのエリアにある、日本が世界に誇る巨匠安藤忠雄の設計した新旧の建築を3+1、要するに4つご紹介です。
古くは80年代、新しいのは2022年と新旧の安藤建築を徒歩で網羅できるなんて嬉しいですね。
表参道界隈のカフェやショッピング、アート巡りと共に青山、表参道、原宿にある安藤忠雄建築を見学しましょう。
安藤忠雄の建築一覧
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表参道ヒルズ/OMOTESANDO HILLS
2006年竣工の表参道ヒルズは、表参道沿いにある最も大きな商業施設です。
元々は同潤会青山アパートメントが建っていた場所に新築されました。
同潤会とは、関東大震災で甚大な被害を受けた東京の復興支援活動で、その義援金を元に、内務省によって立ち上げられました。
その主たる活動は、関東大震災で木造建築の密集していた下町に被害が集中していたため、耐震耐火に優れた鉄筋コンクリート造りの住宅を建設することでした。
そこで、都内と横浜に建設された同潤会アパートメント16ヶ所のうちの一つが、現在表参道ヒルズの建つ場所にあった同潤会青山アパートメントというわけです。
1926年に竣工し、解体される2003年まで77年間の長きに渡り表参道の顔として、また、景観を重視したこの地域の低層建築の先駆けとして親しまれていました。
そんな同潤会青山アパートメントのレガシーを継承し、低層の商業施設表参道ヒルズが、安藤忠雄の設計によって生まれました。そこには、かつて東端にあった同潤会アパート一棟を新たに再現した同潤館という建物も併設されています。
表参道の景観を重視し地下3階、地上3階の表参道ヒルズは、その名から分かる通り、森ビルによる再開発です。
表参道ヒルズも安藤忠雄建築の例外に漏れず、表参道沿いからは3階建ての低層建築ですが、中に入ってびっくり!地下3階まであるので6階建ての商業施設です。
中央には巨大な吹き抜け空間があり、その両脇の通路が回廊になっていてぐるぐると回遊できるようになっています。
表参道ヒルズは、中に入るとそこにまた一つの街があるようなつくりになっており、散策しながらショッピングを楽しめるように工夫されているのがよくわかります。
同潤会アパートについてはこちら▼
基本情報
表参道ヒルズ
レストラン11:00-23:00(日曜〜22:00) カフェ11:00-21:00(日曜〜20:00) その他営業時間の異なる店舗情報はこちら 渋谷区神宮前4丁目12 MAP |
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ラ・コレッツィオーネ/LA COLLEZIONE
1989年竣工のラ・コレッツィオーネは、青山のみゆき通り、青南小学校の前に建つ安藤忠雄らしいコンクリート打放しの建物です。
この界隈の安藤建築では一番古い建築です。
レンタルスペースやショップ、フィットネスジム、エステサロンなどさまざまなテナントが入るビルで、外観からは想像もつかないような大空間が広がるビルです。
▲一度訪れただけでは、その構造の全体が把握しにくい
▲地下空間への階段
▲表参道ヒルズ同様に、地下へ行くとこんなに広い空間があるんです。
しかも地下なのに自然光が入ってきてこの美しさです。
▲スリットとそこから差し込む光の美しさたるや!
近くにこんなに綺麗な安藤建築があって嬉しいです。
隣に建つのは山下和正の往年の名建築フロムファースト/From1stです。こちらもセットで建築巡りをしてみてください。
ラ・コレッツィオーネ/LA COLLEZIONEを含む表参道の往年の名建築特集▼
基本情報
ラ・コレッツィオーネ/LA COLLEZIONE
港区南青山6丁目1−3 南青山コレッツィオーネ MAP |
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シマ・クリエイティブハウス/SIMA CREATIVE HOUSE
2022年に竣工したばかりの安藤忠雄建築最新作の一つです。用途は「お味噌汁ならハナマルキ」でお馴染みの広告代理店の自社ビルです。
普通のオフィスビルなので内部を見ることはできませんが、角地に建っているので、特徴的な外観をぐるりと周囲から見回すことが可能です。
▲内部に照明が点灯する夕暮れ時が一番綺麗です。
しかもつつじが咲いている春がここのベストかも。
▲内部の照明がついていない昼間の様子。
▲休日だと全てのロールスクリーンが降りています。
社員の方々が出勤されている平日の方が、この窓のデザインが強調されていいかもしれないですね。
建築の詳細は▼
基本情報
シマ・クリエイティブハウス/SIMA CREATIVE HOUSE
港区南青山7丁目2−8 MAP |
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パシフィックアーツ青山(旧MORIO STUDIO/STUMP BASE)
最後におまけの安藤忠雄建築です。おまけなのは、ほぼ片側一面の外観しか見られないからです。
2008年に竣工したパシフィックアーツ青山は、ラ・コレッツィオーネとシマ・クリエイティブハウスのちょうど中間地点にあるので、青山の安藤忠雄建築を極めたい人は、こちらにも立ち寄ってみてください。
事務所などが入る小規模なおしゃれオフィスビルですが、1階にレンタルスペースSTUMP BASEがあり、ここで開催するイベントなどに訪問すれば1階の内部に入ることができます。
展示会などで訪問する機会がある方は、ラッキーですね。
▲ファサードの中に吹き抜け空間があって開放的なエントランスです。
▲パナソニック「BLACK DESIGN SERIES」を活用したインスタレーション展示「BLACK LANDSCAPE」の際に内部に入った時の様子です。
内部も外観同様にシンプルな空間ですが、この空間の天井のパネルは、安藤忠雄は関与していないと思います。
基本情報
パシフィックアーツ青山(旧MORIO STUDIO/STUMP BASE)
港区南青山6丁目5−45 パシフィックアーツ青山 MAP |
安藤忠雄の建築一覧
青山・表参道の安藤忠雄建築
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