埼玉県立近代美術館
本来は2021年1月23日から3月21日までの会期予定だったのがコロナのせいで会期がずれ、3月23日からの開催となった「コレクション4つの水紋」を観に埼玉県立近代美術館へ行って来ました。
当初1月に展覧会が始まったらすぐに観にこうと思っていたので、なかなか再開されずヤキモキしておりました。美術館が再開されてよかったです。
埼玉県立近代美術館の設計は黒川紀章です▼
PRミスブランチ
今年2021年で没後30年になる倉俣史朗ですが、その代表作と言っても過言ではないのが「ミスブランチ」です。
名前の由来はテネシー・ウィリアムズの戯曲「欲望という名の電車」の主人公ブランチ・デュポワからです。
今回の展覧会が開催される埼玉県立近代美術館は「椅子の美術館」と称されており、数々の国内外の名作椅子をコレクションしており、その中には世界に56脚しか存在しないミスブランチも含まれているのです。
8年ぶり
埼玉県立近代美術館所蔵の「ミスブランチ」を見るのは実に8年ぶりで(クラマタデザイン事務所所蔵のミスブランチは見ていますが)、2013年にこの美術館で開催された「浮遊するデザイン 倉俣史朗とともに」以来です。
この展覧会の内覧会後のパーティに倉俣さんと親しかった田中信太郎さんもいらしてて、スピーチをされたのが記憶に残っています。残念ながら田中信太郎さんも2019年に亡くなられました。アーティゾン美術館ではこの盟友二人の椅子と彫刻を合わせて鑑賞することができます。
ミスブランチの展示の様子を初め、美術館の椅子の展示や忘れられがちな宮島達男の常設作品、美術館のある北浦和公園に設置されている黒川紀章作品などの様子は動画を参照ください。▼
4つの水紋
企画展4つの水紋は「近年の新収蔵作家=ポールシ・ニャック」、「埼玉ゆかりの女性画家=奥原晴湖」、「椅子のモダンデザイン=シャルロット・ペリアン」、「屋外彫刻=重村三雄」の4人の作家を起点として水の波紋のように緩やかに繋がるコレクション展示です。
屋外展示場の重村三雄の彫刻作品▼
私が目的とする「ミスブランチ」はシャルロット・ペリアンの章に出品されているのかと思いきや、そうではなく、最後の章「屋外彫刻=重村三雄」に展示されていました。
何度も見ているミスブランチですが、いつ見ても本当に儚くて、美しい。
実は華奢な脚が、超重いアクリルの座面に開いた穴に刺さってるだけという構造を知っているせいか、人が座るのを拒否するような気高ささえ感じます。私が怖がってるだけかな。
3章 椅子の美術館より シャルロット・ペリアンの展示▼
こちらは宮島達男の常設作品。意外な場所にあります。▼
美術館にあるペペロネで甘味補給と休憩をしてから公園内の黒川紀章作品を見て帰るのがルーティン。▼
公園内にある美術館なので周辺環境も気持ちいいし、館内も広々していて落ち着きます。北浦和の駅から徒歩5分ほどでアクセスもよく、よい企画展がある時は訪問しています。
埼玉県立近代美術館
さいたま市浦和区常盤9-30-1 MAP
10:00〜17:30 月休
PR