西日本エリアで最大のターミナル駅であるJR大阪駅の北側に広がる旧梅田貨物駅の跡地の大規模再開発「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)が2024年9月に先行オープンしました。
関西に行く機会があったので早速その大阪の新たな顔となる場所を訪れてきました。
大規模再開発の中でも注目したいのは安藤忠雄の最新建築VS./ヴイエスです。
実際にVS.に行って展覧会を見てきましたのでその様子をレポートします。

安藤忠雄設計の展示施設 VS./ヴイエス
2024年9月に先行オープンしたグラングリーン大阪のうめきた公園ノースパークにその建築は位置します。
設計・監理は株式会社日建設計、設計監修を株式会社安藤忠雄建築研究所が担当しました。
クリエイティブスペースとか展示施設と呼んでいるので、コレクションを持ちその保存と研究をするような美術館ではないようです。
いわゆるイベントスペースと言ってしまってもいいのかもしれませんが、オープンの柿落としは「連続する共鳴 真鍋大度新作個展」でした。

安藤忠雄設計のVS./ヴイエスはどんな建築?
建物は、ガラスでできた箱とそれより大きなコンクリートの箱、この大小の二つの箱が並んでいます。
で、実はこの二つの箱、両方ともその半分以上が地中に埋まっているのです。
安藤忠雄が手がけた多くの文化施設がそうであるように、ここもまたそのメインとなるスペースは地中なのです。
また、よく見るとコンクリートの箱の方はネットで覆われていて、蔦が絡まりやすい仕様になっています。
すでに蔦が伸びてきている部分もあり、間もなくコンクリートの箱ではなく、グリーンの箱になることは想像に難くありません。
昨年発表された CGパースでは完全に蔦に覆われた状態の完成予想図が出されています。
逆に言うと安藤忠雄らしいコンクリート打ち放しの状態が見える今の状態は今後レアな光景となるでしょう。

ちなみにVS.の前にあるパブリック・アートはラム・カツィールによる《YUMEMITAI》です。
安藤忠雄設計のVS./ヴイエスの内部空間は?
ガラスの箱には1階にカフェスペースがあり、そちらからも入れますし、帰りにわかったのですが、反対側からも入れます。
どちらにしてもこのVS.の内部空間への入り口は、ガラスの箱の方にあります。

内部はガラスを通して光が入り、とても明るい空間でした。
案内に促され地下の展示スペースへ。

地下空間とは思えないような明るい空間。そしてコンクリートのささらが美しい階段。この組み合わせなんか既視感あるなと感じました。
安藤忠雄が手がけた六本木にある21_21design sightです。都会の大規模再開発地区の緑豊かな場所に建設されたアートスペースというシチュエーションもとてもよく似ています。
「地中にあるのに光が綺麗」は安藤忠雄の代名詞と言ってもいいでしょう。
安藤忠雄設計のVS./ヴイエスで何がみられるの?
私が訪問した時は、「連続する共鳴 真鍋大度新作個展」でした。(この展覧会はすでに終了しています。)
今後はどうなるのかわかりませんが、この展覧会は事前予約制ではあったものの入場無料でした。
ただ、次回展覧会は有料なので、初回を除き今後の展覧会は基本的に有料展示なのかもしれません。

地下にはABC3つの展示室があります。
真鍋大度展は全てのスペースを使った展覧会でした。

どの展示室も広いのですが、特にスタジオAは天井高が15mもある大空間で、この大空間がまさに外から見えるコンクリートの箱の方なのです。
そして、なんと2025年3月からは「安藤忠雄展」が開催される予定です。
これは行きたい!
天井高15mの大空間をどう使うのかこの目で見てみたい!

これからも大阪の新スポットVS.に注目していきたいと思います。
奈良・大阪で安藤忠雄建築を巡る
安藤忠雄建築一覧
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青山・表参道の安藤忠雄建築
基本情報
グラングリーン大阪 / GRAND GREEN OSAKA VS.
大阪市北区大深町6番86号 グラングリーン大阪うめきた公園 ノースパーク VS. MAP |