コンテンツへスキップ

アントニン・レーモンド設計 群馬音楽センター


フォローする
シェア:
記事の評価

アントニン・レーモンド

1961年竣工、高崎の群馬音楽センターはアントニン・レーモンド設計によるもので高崎市民の寄付金を基に建設された日本を代表する近代建築です。

アントニン・レーモンドはチェコ出身の建築家でフランク・ロイド・ライトのもとで学び、帝国ホテル建設の際に日本に来日し、ホテル完成後も日本に留まり、群馬音楽センターをはじめ多くのモダニズム建築をのこしました。

また、前川國男、吉村順三、ジョージ・ナカシマなどの建築家がレーモンド事務所で学んでいます。

アントニン・レーモンド設計群馬音楽センター

PR

井上房一郎

群馬音楽センターを本拠地とした群馬交響楽団は高崎の実業家である井上工業社長井上房一郎によって作られました。そしてこの音楽堂の設計をアントニン・レーモンドに依頼したのも井上房一郎でした。

昭和8年にナチスに追われて来日したブルーノ・タウトを保護したことでも有名な井上は、高崎の芸術文化活動に熱心に取り組んだ大パトロンです。

井上の自宅は、笄町(現 西麻布)に1951年に建てられたレーモンドの自邸兼事務所を写した建物として知られ、いわゆるレーモンド・スタイルがよく表れている建築です。

旧井上房一郎邸は高崎市美術館の庭園に保存されており、見学することが可能です。詳細はこちら

高崎市美術館内の旧井上房一郎邸。旧笄町(現西麻布)のレーモンド自邸兼事務所は現存しませんが、それをそっくりコピーした井上邸が残っているのは貴重です。▼

外観

群馬音楽センターは、1F2Fとガラス張りで透明感のあるファサードです。▼

アントニン・レーモンド設計 群馬音楽センター

この建築は、折板構造というまるで折り紙のようにコンクリートの板を折り曲げたような、屏風のような構造を特色としています。▼

アントニン・レーモンド設計 群馬音楽センター

内観

内部には高崎市出身の画家石沢久夫の制作した巨大壁画がセンター内を彩ます。石沢久夫は井上房一郎の紹介でアントニン・レーモンドの建築にいくつか壁画を制作していしますが、ここ群馬音楽センターの壁画がレーモンドと組んだ壁画の代表作品です。▼

群馬音楽センター 石沢久夫壁画

外観はコンクリートによる直線的なデザインですが、内部の階段は円形に抜かれた水玉模様といい、螺旋階段といい、コンクリートで柔らかな曲線を表現したデザインになっています。▼

群馬音楽センター 螺旋階段

PR

ホール

全体の折板構造の5角形のコンクリートの構造体が露出していますが、音の反響を押さえるため、ベニヤ板が張られています。コンクリートと木材との隙間に間接照明が埋め込まれて、このホールの形を強調し、ダイナミックなデザインになっています。

ホール内は初訪問の時は見学できましたが、2度目に行った時は見られませんでした。見学ができるときとできない時があるので要注意です。▼

アントニン・レーモンド設計 群馬音楽センターホール

レーモンドギャラリー

音楽センター内にレーモンドの仕事を紹介したアントニン・レーモンドギャラリーがあります。ここも見学できる時とできない時があります。▼

群馬音楽センター アントニン・レーモンドギャラリー

模型やスケッチなどが展示されています。入場無料です。▼

群馬音楽センター アントニン・レーモンドギャラリー

群馬には素晴らしい美術館がたくさんあります。

渋川の磯崎新設計原美術館ARC、同じく磯崎新設計の群馬県立近代美術館、高橋靗一設計の群馬県立館林美術館また、平田晃久設計の太田市美術館・図書館など1日では回りきれないほどです。

最近では前橋の白井屋ホテルも外せません。

群馬アート建築ツアーは内容盛りたくさんになりますが、是非群馬音楽センターも見て欲しい素晴らしいモダニズム建築です。見学はできる時とできない時がありますので事前にリサーチしていくことをお勧めします。

群馬音楽センター

群馬県高崎市高松町28−2 MAP

シェア:
同じカテゴリーの記事 PR
PR
PR

コメントを残す