東京郊外の調布市に安藤忠雄の建築が群れをなして?いる場所、その名も安藤忠雄ストリートをご存知でしょうか。
京王線の仙川駅から程近い場所にある114号線沿いに6棟の安藤忠雄建築が建ち並んでいます。Googleマップ上でも安藤忠雄ストリートと明記されているのでいわゆる俗称ではないのでしょう。
ただし、6棟の建物は、1階は一部商業であとは住宅とかテナントビルとか劇場などで建築の見学できる場所は限られています。そんな中で仙川駅から向かった場合、一番奥にある東京アートミュージアムは、入場料を支払えば誰でも中に入って建築(展覧会)を見学することができるのです。
今回は、安藤忠雄ストリートの安藤建築の東京アートミュージアムについてレポートします。
安藤忠雄ストリートの全貌は、「ぜーんぶ 安藤忠雄建築!仙川 安藤忠雄ストリートに10年ぶりに行ってみた!」を読んでみてください。
東京アートミュージアムの外観
東京アートミュージアムは、安藤忠雄ストリートの中で一番安藤忠雄建築らしい外観の建物かもしれません。
というのもファサードはコンクリート打ち放しにシンプルな開口があるだけの建築だからです。
▲細長い敷地に箱型コンクリート建築の美術館です。
東京アートミュージアムの内観
メインの空間はドーンとステップフロア3階層分の大吹き抜け空間です。
▲吹き抜け空間の天井にはスリットが入っていてコンクリートの空間に一筋の光が差し込んでいます。
この光景だけで十分美しいですね。
▲実はこの開放的な吹き抜け空間に至るまで、まず入口から美術館に入って入場料を支払い、一旦細い通路を通って展示室に入り、展示室の導入は少し暗い空間を抜けて、この大空間に到着という流れで行き着くことになります。
大空間に至る前に一旦絞って(または視界を遮って)から大空間ドーン!は直島の李禹煥美術館や本福寺水御堂など安藤建築ではよくお見かけする構成ですね。
▲吹き抜け空間側から入口の方を見るとこんな感じです。
展覧会はすでに終了しているので、展示してある作品には触れません。
ちなみに訪問した時は、東京・ベルリン友好都市提携30周年記念行事の「ANIMALS & FRIENDS Photography and Painting」が開催されていました。
東京アートミュージアムの階段
これまでの内部写真を見てお気づきの方もいらっしゃるでしょう。この美術館空間には中央に上から下まで階段があり、上下の移動はこの階段によって行き来します。階段好きにとってはまるで階段を主役にした空間と言っても過言ではありません。
▲1階から2階へと上がる階段。シンプルで美しい階段の横顔を見せています。ささらのシルエットがたまりませんね。
▲2階から3階への階段です。階段の横には上から下までスリットが入っていて自然光が差し込む明るい空間です。階段があるので、ここに作品展示は行いませんからUVについても心配なさそうですね。
▲ただ折り返しているだけの階段なのになんでこんなにも美しいのでしょうね。それが安藤忠雄マジックなのでしょう。
東京アートミュージアムのスリット
光を巧みに操る建築家安藤忠雄の美術館ですから、やはり絶妙の位置とサイズの開口が入れてあります。
▲3階から見ると美術館内3カ所に縦横のスリットが入っているのがわかります。
ほかに1階の腰下にも開口はありますがスリットというよりははめ殺しの窓というサイズです。
▲一番大きな縦に走るスリットからは道路沿いの樹木の緑がよく見えます。訪問した時期にはツツジの花も咲き、とっても綺麗な景色を見せてくれました。
▲2階の横スリットからはちょうど向かいに建つ安藤忠雄設計の集合住宅がよく見えます。安藤忠雄の美術館から、安藤忠雄の住宅が見えるということは、安藤忠雄の住宅に住む人は、安藤忠雄住宅から安藤忠雄の美術館を眺めることができるということです。それも毎日です!
住人の方々はきっと日常的すぎて当たり前になってしまっているでしょうがなかなかすごいことだと思います。
久しぶりに調布に遠征し、仙川駅で降りてみて再訪した安藤忠雄ストリート。安藤忠雄ストリートは初見から色褪せることなく健在でした。
そして、初めて中に入った東京アートミュージアム。今後も展覧会をチェックしていきたいと思います。
安藤忠雄ストリートの全貌はこちら▼
安藤忠雄ストリートの全貌の動画はこちら▼
基本情報
東京アートミュージアム
11:00~18:30 月火水、年末年始、夏期休暇、展示替えの期間、館内メンテナンス休館 入場料 :一般 500円、大高生 400円、小中学生 300円 調布市仙川町1-25-1 MAP |