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山中に突如現るバームクーヘン!?半地下の円形建築 「ごじょうばうむ」こと安藤忠雄設計 市立五條文化博物館


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奈良県五條市北山町にある「五條市5万人の森公園」内に建つ安藤忠雄設計の博物館を訪れました。建築はCの字型のユニークな形をしており、高台に立っているのでその眺望も素晴らしいです。

無料の駐車場からは安藤忠雄らしい折り返し階段があります。その階段を登ると博物館の入り口に到着しますが、足に自信のない方はエレベーターもあるのでご安心を。

私は安藤忠雄建築を見学に来たのだから!とエレベーターを使わずに上りました。

エントランスまでの折り返し階段 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る
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市立五條文化博物館はいつできた?

奈良県南部にある五條市の「五條文化」を広める拠点として、五條市では1991年に市立歴史資料館建設事業が開始され1995年4月に市立五條文化博物館が開館しました。安藤忠雄54歳の時の建築です。

さらに、1997年11月には同じく安藤忠雄設計による別館が隣にオープンしています。こちらは現在市民のための施設として利用されているため一般の見学などはできないそうです。

また、開館してから14年後の2009年には財政難により2011年まで2年間休館していた時期もあるようです。

安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

市立五條文化博物館はどんな建築?

開館してから市民から愛称を募り、その建築の形状から「ごじょうばうむ」と呼ばれています。要するにバームクーヘンみたいな形状ということです。もっと詳しくいうならばバームクーヘンを少しだけ切って食べてしまったCの字型の形状です。

そのバームクーヘンのような円筒形の本館の外壁は亜鉛引き鉄板で覆われ、内壁は安藤忠雄らしいコンクリート打放しです。安藤忠雄が手がけた他の美術館・博物館同様に、周囲の景観との調和を鑑み、半分が地下に埋まっています。

安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

内部には印象的な大階段があり、その先には外観からは想像もつかない大きな大きな吹き抜け空間が広がります。

その広さと天井の高さに圧倒されます。

バームクーヘンの穴に位置に当たる建物の中央部は広場が配置されていて、周囲の建築に音が反響して一人大舞台状態を楽しめます。

安藤建築でお馴染みのユニオンのドアハンドル 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

実際、この屋外の中央広場への扉の前にカスタネットやタンバリンなどの音の出る打楽器が複数用意されており、それを持って広場に出て、音を鳴らしてみると想像以上の音の反響に驚くこととなります。そして、なんだか楽しくなってしまうのです。大人でも。

円形広場 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

別館

お隣に博物館の2年後に建設された別館も外観だけは見学してきました。

別館は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造り(地上1階地下1階)で、14畳(8畳・6畳の2間)の和室と休憩・多目的室があるそうです。集会所のような機能というのがわかりやすいかもしれません。

別館 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

ただ、なんとなく人の出入りをあまり感じない雰囲気を漂わせていました。あまり使われてないようですね。内装にどのくらい携わったのか不明ですが、安藤忠雄の和室なんて見てみたいなぁ。

丸い開口から見える障子 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

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市立五條文化博物館で何がみられる?

「五條文化博物館」は五條市の文化を収蔵すると当時に、新たな五條市の文化を発信する場所として開館しました。

つまり、”五條市を知る”という目的でつくられた公立の文化博物館です。

大吹き抜け空間 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

五條市の歴史と文化に関わる考古資料、古文書、民俗資料・写真など貴重な展示物が公開されており、3階のエントランスから2階、1階へと、上から下へ館内の階段を降りるにつれ、五條市の歴史や文化の移り変わりを楽しめるような展示構成になっています。

木の階段 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

市立五條文化博物館はどこにある?

博物館は、金剛山地南麓の標高約300メートルの国道251号線(山麓線)沿いに位置し雄大な眺望と散歩や展望を楽しめる大きな「五條市5万人の森公園」の中にあります。

2007年にオープンした「五條市5万人の森公園」、実は五條市が目指している将来の人口目標にちなんで付けられているんだそうです。

5万人を目標に掲げていながら、博物館の方は、平日だったとはいえ完全貸切状態。2009年に一時期休館したのもなんとなく納得してしまう空気が漂っていました。

地元の小学生とかが社会科見学で訪問したりはしているのでしょうが、遠方からわざわざ来るのは安藤好きくらいしかいないのかもしれないですね

エレベーター 安藤忠雄設計 市立五條文化博物館 写真:建築とアートを巡る

私はまっしぐらに安藤建築を見学して、そのまま出てしまいましたが、建築巡りと共にゆっくり公園散策するのもいいですね。

市立五條文化博物館にアクセスするには、電車・バスを乗り継いでも行けないことはありませんが、最寄りのバス停から1.5Kmあります。往復3Kmを歩くだけで小1時間かかりますから現実的ではありません。自動車なら南阪奈道路や京奈和自動車道のICも近いのでおすすめです。

奈良・大阪で安藤忠雄建築を巡る

安藤忠雄建築一覧

安藤忠雄建築のまるさんかくしかくの丸い建築▼

安藤忠雄建築のまるさんかくしかくの三角の建築▼

安藤忠雄建築のまるさんかくしかくの四角の建築▼

青山・表参道の安藤忠雄建築

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基本情報

市立五條文化博物館

開館時間:9:00~17:00

休館日:月曜日、年末年始

入館料:一般 300円、高校生・大学生・65歳以上 200円、中学生以下無料

住所:奈良県五條市北山町930番地の2  MAP

アクセス:
電車の場合:JR西日本 和歌山線「五条駅」下車、コミュニティバスで約15分+徒歩20分。

車の場合:無料駐車場あり

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