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まるでアートフェアのような濃さとボリューム「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」東京都現代美術館


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東京都現代美術館でこの夏と同じくらい熱い展覧会が開催されています。

どのくらい熱いかというと、なんと115組の日本の現代美術作家のしかも代表作とも言える作品をまとめてみられる展覧会なのです。

これらの作品は、精神科医である高橋龍太郎氏が、1997年から本格的に始めた、3500点に及ぶ日本の現代美術コレクションの一部です。

日本最大級のコレクションの一部を一般人の私たちが美術館で鑑賞できるというなんともため息が出つつも嬉しい展覧会なのです。

アート好きの方なら、この作品もあの作品もあぁなんとこれまで高橋コレクションなんだ!となることでしょう。

私も思わず声に出てしまいました。

このブログでは115組の作品の中からいくつかピックアップして紹介します。

「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る
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展覧会構成

個人コレクションと言っても3500点ですから、もう美術館並みの所蔵作品があるわけです。

はっきり言って今回の規模の展覧会が3つ4つ同時にできちゃうくらいのコレクションを持っているということです。

展覧会場は東京都現代美術館の1階と地下展示室です。東京都現代美術館に行ったことのある方ならお分かりでしょうが、あの地下の吹き抜け空間を個人コレクションで埋められるってすごいことです。

今回の展覧会は6章で構成されています。

友沢こたお「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

1章、2章のっけから村上隆

最初の章「胎内の記憶」は写真撮影禁止のため写真はありませんが、1950年代の草間彌生や同じく女性アーティストの合田佐和子の平面そして荒木経惟、森山大道といった写真家、横尾忠則や宇野亞喜良などのイラストなどがありました。

村上隆 「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲2章は「戦後の終わりとはじまり」です。上には村上隆のDOBくんが浮かんでいます。

村上隆、会田誠「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲正面には巨大な会田誠、奥まった部屋には村上隆とMrの作品が展示されています。

村上隆はその昔レントゲンでみた「ポリリズム」もありました。

ヤノベケンジ 「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲ヤノベケンジはこの作品とその横に小品が並んでいました。

小沢剛のなすび画廊とか太郎千恵蔵の作品などとっても懐かしい〜っ!90年代に目にした作品がいっぱいありました。

西尾康之 「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲大迫力の立体作品は、西尾康之の作品です。木彫のように見えますが違います。また、台座に鏡が置いてあるのにも理由があります。のぞいてみてください。

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3章立体作品や巨大平面

第3章は「新しい人類たち」奈良美智の平面が並びます。

奈良美智「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲村上隆、会田誠ときたら奈良美智がないわけありません。やっぱりありました。

奈良美智「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲大きい奈良作品は迫力ですね。

▲奈良美智の隣には加藤泉コーナーが。平面と立体2点づつです。このほかに1点平面が展示されていました。

この加藤泉の平面はいいですね。下世話な話ですが、奈良作品含めてすごく高そうです。

森靖「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲この章を締めくくるのは森靖の巨大立体作品です。これは本当に木彫。

この作品の発表時にギャラリーで見た作品。これ高橋氏が購入したんですねぇ。

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4章5章巨大作品の数々

圧巻は地下の吹き抜け空間です。どんな作品があるのだろうと思っていたら。

鴻池朋子、青木美歌「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲鴻池朋子です。巨大な平面作品も展示されていました。

小谷元彦「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲そしてこちら小谷元彦。この作品も以前に見ていますが、高橋氏がコレクションしていたのですね。

地下空間では青木美歌の大型作品も素晴らしかった!ぜひこちらで見てください▼

小谷元彦「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

小谷作品は他に、東京藝大で見た双頭の狼のドレス「Human Lesson (Dress 01)」の卒業制作なども展示されていました。最初期の作品から巨大立体まで高橋氏がコレクションしてるとは!

私は小谷元彦の卒制から見ていますが、本当にみているだけ。これが一般人とコレクターの違いですねぇ。

そして、巨大作品はまだまだ続きます。

宮永愛子「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲宮永愛子のこの作品も高橋氏所蔵でしたか!

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6章若手アーティストの作品の数々

最後の6章は購入時期も最近と思われる若手アーティストの作品です。

鈴木ヒラク「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲鈴木ヒラクの巨大作品

金氏徹平、サイドコア「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲金氏徹平やサイドコアまで!

涌井智仁、Chim↑Pom「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲Chim↑Pomの作品はこの他にも写真や映像作品などがありました。

見忘れ注意サテライト展示

ここまでたっぷり作品を鑑賞して、ああぁ終わったと思って美術館を後にしてはいけません。ミュージアムショップの後方にあるスペースにも展示は続きます。

名和晃平、蜷川実花「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

▲名和晃平と蜷川実花です。名和晃平の作品は台座までピクセル化していて珍しいですね。

写真撮影について

写真撮影は冒頭のコーナーのみ禁止で、そのエリア以外は写真撮影可能です。動画撮影は禁止です。

森靖「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」2024年、東京都現代美術館 写真:建築とアートを巡る

高橋コレクションは単なる個人コレクションの域ではなく、日本の現代美術の変遷を見ることのできるコレクションです。

いやぁかなり満腹になる展覧会です。普通の美術館のグループ展より作品点数が多く、その作品のダイバシティぶりがアートフェアを見ているような感覚になりました。

実際複数のギャラリーから作品を購入しているわけですから、アートフェアのような感覚になるのは間違ってはいないでしょう。

しかし、個人コレクターがアートフェアが成立するレベルの作品数をコレクションしているっていうのは尋常ではありません。

惜しげもなく見せていただきありがとうございました。

基本情報

日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

2024年8月3日(土)-11月10日(日)

10:00-18:00(入場は閉館30分前まで)*8月9日、16日、23日、30日の金曜日は21:00まで開館

月休 (8/12、9/16、9/23、10/14、11/4は開館)、8/13、9/17、9/24、10/15、11/5休

一般2,100円/ 大学生・専門学校生・65 歳以上1,350円/ 中高生840円/小学生以下無料

東京都現代美術館

江東区三好4丁目1−1 MAP

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