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行ってみたらすごかった!槇文彦の3つの建築と飯田善國のアートの融合 安曇野 TRIAD IIDA-KAN


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品川に本社を置く株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの穂高工場の敷地内に、代官山ヒルサイドテラスをはじめ、数々の名建築を世に送り出して来た建築家槇文彦(まきふみひこ)設計による3つの建築があります。

そのうちの一つの建物は彫刻家飯田善國(いいだ・よしくに)の作品を展示所蔵するギャラリーです。

行ってみたらすごかった!

それはまるでロールケーキとバウムクーヘンとチョコレートのよう。

長野県は安曇野市にある建築とアート、両方を堪能できる秘めたるスポット!TRIAD IIDA-KANを紹介します。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
ハーモニック・ドライブ・システムズ 守衛所
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ハーモニック・ドライブ・システムズ

精密減速機・制御メーカー株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズは本社は品川ですが、その営業拠点、工場及び主要子会社は長野県安曇野市にあります。

その安曇野市の穂高工場に創立30周年を記念して2002年に建てられた3つの施設が建築家槇文彦設計による建築です。

飯田善國の作品を展示する美術ギャラリー「TRIAD IIDA-KAN」、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの生産・測定環境のプロトタイプとなる研究棟「I・K KAN」、そして「守衛所」の三棟です。

この3つの建物の総称は、「それぞれの間に形態的にも、空間的にも、ある種のハーモニックな対話を成立させたい」という意味を込め、音楽では「三和音」の意味もある「TRIAD」と名付けられました。

この「TRIAD」の3棟の建築のうち、一般に開放しているのが、飯田善國の彫刻作品を展示している「TRIAD IIDA-KAN」です。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN

TRIAD IIDA-KAN

彫刻家で詩人であり評論家でもあった飯田善國の作品や資料など約3,200点を収蔵しているギャラリー棟は唯一、一般に開放されている施設です。

建物は作品の収蔵庫を回遊型の展示空間が囲む構成となっています。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN エントランス

▲IIDA-KANの入り口 まるでバウムクーヘンのよう!

入るとすぐに巨大な彫刻「SCREEN-CANYON」の常設展示室があります。

その後、平面作品が展示されている企画展示室へ導かれ、展示室をぐるりと回遊し、また最初の「SCREEN-CANYON」の常設展示室へ戻ってくるようになっています。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN

▲建物の形は完全な円形ではなく、雪深いこの地域の特性を鑑み、雨樋無しに雪解け水が一か所に流れ落ちるように構想されており、上から見ると二葉の形をしています。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN エントランス

▲入り口からは、隣のロールケーキ型をした研究棟が見えます。

コンクリート打放しのすっきりとしたギャラリーです。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN テラス

▲常設展示室の大きなガラス面の先にはテラスがあり、そこにも飯田善國の彫刻作品が展示されています。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN 飯田作品とテラス

▲綺麗に手入れされた芝生の広場の中に隣り合うようにしてギャラリー棟と研究棟が配置されています。

槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN
槇文彦設計 飯田善國ギャラリー 安曇野 TRIAD IIDA-KAN 飯田善國作品

▲穂高の豊かな自然と飯田善國のアート、そして建築家槇文彦の建築の唯一無二のコラボレーションがみられる貴重な場所です。

写真撮影について

残念ながらギャラリー内での写真撮影は禁止です。

ですから内部の写真は一枚もありません。

内部空間と飯田作品はしっかり見て目に焼き付けて来ましょう。

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I・K KAN

ハーモニック・ドライブ・システムズの試作・研究を行う研究棟です。

こちらは巨大なロールケーキのようです。

槇文彦設計  安曇野 TRIAD I・K KAN
槇文彦設計  安曇野 TRIAD I・K KAN エントランス

▲高精度を追求する研究棟ですから、室内は高気密性、一定温度、一定湿度を保つ必要があります。

また、建物内の空気の流れを保つため、屋根と壁に区別のない滑らかな曲面の楕円形の建築となっています。

この不思議なデザインは気を衒ったものではなく、必然なのです。

槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN
槇文彦設計  安曇野 TRIAD I・K KAN エントランス

▲奥にある工場と上部の階段で往来できるようになっています。

槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN
槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN IIDA KANからみた全景

▲山並の中の広大な芝生広場にゴロンと横たわる巨大なロールケーキのような研究棟は、残念ながら外から見学するだけです。

槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN
槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN 後方から

▲この少し歪んだ楕円形は、高低差のある敷地に馴染むようにあえてのデザインです。積雪対策も兼ねているかもしれません。

槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN
槇文彦設計 安曇野 TRIAD I・K KAN 横から

▲研究棟という性格から開口部が一つもない秘められた施設です。

その堅苦しさをちょっと歪な楕円形が和ませてくれているようです。

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守衛所

守衛所なので、敷地に入る最初の入り口にあります。

槇文彦設計 安曇野 TRIAD 守衛所
槇文彦設計 安曇野 TRIAD 守衛所

▲まるで浮遊するコンクリートの箱のようなデザイン。チョコレートみたいですね。

緩やかに傾斜している土地に、ソリッドなコンクリートの箱がキャンティレバーで持ち上がっている構造です。

さながらホキ美術館の超ミニバージョンという感じでしょうか。

▲TRIAD IIDA-KANに訪問する場合、この守衛所に立ち寄り受付をする必要があります。

車は守衛所の隣にある来客用の駐車場に停めるように指示されます。

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今回、TRIAD IIDA-KAN初訪問でしたが、安曇野にこんな場所があるなんて!と驚きでした。

槇文彦の建築と飯田善國のアートが融合した唯一無二の空間です。

ありがたいことにギャラリー鑑賞は無料です。

建築巡り、アート巡り、その両方を巡りたい方にお勧めです。安曇野アートライン沿いですからドライブしながら訪問してみましょう。

 

槇文彦の記事一覧はコチラから!

基本情報

TRIAD IIDA-KAN


10:00 – 16:00

無休(展示替え期間、メンテナンスなど臨時休館あり)

入場無料

長野県安曇野市穂高牧1856−1 MAP

アクセス:大糸線穂高駅 (一部特急停車) 下車 、「ハーモニック・ドライブ・システムズ穂高工場」を目的地にタクシー利用約15分

長野自動車道安曇野ICから県道495号、25号経由約20分

無料駐車場有

 

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