ワタリウム美術館で予定より7日間遅れてスタートした「鈴木大拙 Life=Zen=Art」展を見にいってきました。
1回目の訪問では事前にHPで情報を確認してから出かけたのですが、会期が遅延になったことを現地で知ってとってもショックを受けました。
ですから、今回も本当に展覧会が観られるのかどうか不安でしたが、2回目の訪問で鑑賞することができました。
急な会期変更は、公立美術館だったらなかなかないことですが、ワタリウム美術館は私立なので、1週間程度の遅延は特に問題ではないようです。
7/5の訪問時▲
出品作家
この展覧会に作品が展示されている作家は以下の13名です。
木喰明満/岡倉天心/南方熊楠/西田幾多郎/鈴木大拙/柳宗悦/棟方志功/ジョン・ケージ/ヨーゼフ・ボイス/ナムジュン・パイク/谷口吉生/坂本龍一/山内祥太
谷口吉生に関しては、石川県にある鈴木大拙館の映像の展示です。図面や模型などが展示されているわけではありません。
そのほかに以下3名の資料が展示されています。
仙厓義梵/カジミール・マレーヴィチ/J・D・サリンジャー
展覧会場には、このような「鈴木大拙の言葉」が置いてあり、持ち帰ることができます。▲
はじめての大拙 鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉
展覧会構成
展覧会は4階から3階、2階と降りながら鑑賞するようになっています。
4階
4階は「鈴木大拙とは何者だったのか」ということを年表や写真、手紙などで紐解いていきます。
4階の展示室全体が小上がりになっていて、靴を脱いで鑑賞するようになっています。中央には円形の座布団が置かれ、座って鑑賞できるようになっています。
3階
3階は、冒頭に谷口吉生設計の鈴木大拙館の建築を見せる映像があり、壁面は主に軸装の書を中心とした展示です。
2階
2階は、4つの部屋に分かれています。窓側の部屋は坂本龍一、ヨーゼフ・ボイス、ナムジュン・パイクの作品とサリンジャーの資料です。
坂本龍一のナムジュンパイク追悼ライブ映像です。▲
その追悼ライブで坂本龍一が使用したバイオリン▲
ナムジュンパイクの「ゼンフォーヘッド」映像▲
ヨーゼフ・ボイスの「阿呆の箱」▲
ナムジュン・パイク
もう一つの小部屋はナムジュンパイクルームです。
一つ前の展覧会視覚トリップでも出品されていたナムジュンパイクの「ニューキャンドル」▲
ナムジュンパイクの3つのドローイング。「仏陀」左の2作品、「輪廻」右▲
ジョン・ケージ
ジョンケージは龍安寺を描いた2つのドローイングと立体作品です。
ジョン・ケージの「マルセルについて何も言いたくない」▼▲
ジョン・ケージの作品は上記以外にも出品されていますが、撮影不可のため写真はありません。
山内祥太
もう一つの部屋には山内祥太の映像作品です。
水の波紋やTERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展にも出品していた山内祥太の映像作品です。▲
見れば見るほど目が離せなくるのが山内作品です。
山内祥太個展「愛とユーモア」
また山内祥太は、ワタリウムの目の前にあるEUKARYOTE/ユーカリオでも個展を開催中です。
彫刻と映像による新作「Tina」と「SASUKE」や「コンドルは飛んでゆく」など、キャリア初期作品が観られる展覧会です。
▲ 肩から長い金髪が生える新作の彫刻作品。
腕から生える毛が全身にまとわりつく新作の映像作品もあります。ちょっと性的な刺激が強いので鑑賞前にご注意を。
2022年7月16日- 8月12日 12:00-19:00 月休
EUKARYOTE/ユーカリオ
渋谷区神宮前3丁目41−3 MAP
撮影に関して
4階、3階は撮影不可です。
2階は一部を除き撮影可能です。撮影可能な作品にはキャプションに「撮影OK」マークが付いているので、すぐにわかります。
禅の教えを世界に広めた鈴木大拙は、盟友の西田幾多郎はもちろんのこと、柳宗理や南方熊楠などに多大な影響を与えました。
またその教えは海を渡り、ジョン・ケージやサリンジャーなど現代芸術全般に影響を与えています。
鈴木大拙の世界観を堪能するならなんと言っても石川県の鈴木大拙館がおすすめですが、都内で予習・復習するのには良いでしょう。
ワタリウム階下のon sundaysでは上記のような展覧会が同時に行われています。▲
基本情報
2022年7月5 12日(火)〜 10月30日(日)11:00-19:00 月休(7/18、9/19、10/10は開館)
大人 1,500円 / 大人ペア 2,600円 /高校生・70歳以上1,300円/小中500円
ワタリウム美術館
渋谷区神宮前3-7-6 MAP
石川県の鈴木大拙館▼
西田幾多郎記念館哲学館はこちら▼