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神楽坂で建築とアートを巡る 隈研吾1991 年の都住創ラスティックとMaki Fine Arts城田圭介展


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神楽坂にある現代美術のギャラリーMaki Fine Arts が昨年、入居していたビルの解体のため、神楽坂エリア内で移転しました。

今回、城田圭介展「波と海」が始まったので移転先のギャラリーに初めて行ってきました。行ってみて驚いたのは、ギャラリーが入る建築が1991年に竣工した隈研吾設計の建築だったのです。

思いがけず神楽坂で建築とアート巡りになったのでした。

隈研吾設計 都住創ラスティック 写真:建築とアートを巡る
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都住創ラスティック

隈研吾が手がけた初期の建築の代表作、環八沿いのM2の竣工の翌年に竣工したのが神楽坂にある都住創ラスティックです。時を同じくして青山のドーリック南青山も1991年に竣工しています。

これら初期の隈研吾建築に共通するモチーフのひとつに柱があります。

M2は(竣工当初は自動車メーカー、マツダのデザインラボだった)中央にとんでもなく巨大な柱がドーンと鎮座しています。ドーリック南青山も象徴的に巨大な柱があって、柱を中心に建築が成立しています。

そいういう意味では、ここ都住創ラスティックの柱は非常に装飾的で、特に構造とは無関係に聳えたっています。

隈研吾設計 都住創ラスティック 写真:建築とアートを巡る

ファサードにある4本の柱のうちまともに上から下まで柱なのが向かって左端の柱1本だけです。あとは、柱内部が剥き出しになって切れているデザインです。建築の構造とは無関係の意匠的柱なので、柱としての機能はありません。

一番右側はなんと途中で切れていて、上部には懐かしいブラウン管のテレビが置いてあります。ここにナムジュンパイクの作品が流れていたらすごい!けれど、流石にそれはなく、ただテレビが置いてあるだけです。

ただ、当時は珍しくもなかったブラウン管のテレビですが、35年の時を経て現在は絶滅危惧種のような存在です。

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キリコと岡崎乾二郎

柱のブラウン管にナムジュンパイクの作品は流れていないけれど、アートはありました。まず、エレベーターへ向かうエントランスは空間全体がキリコのイメージのようです。

隈研吾設計 都住創ラスティック 写真:建築とアートを巡る

よく見るとトルソが逆さに石の張りわけによって表現されているのがわかります。

隈研吾設計 都住創ラスティック 棚:岡崎乾二郎 写真:建築とアートを巡る

アールを描いた白い天井の片側にはキリコがモチーフとして多用した柱がデザインされています。このころ隈研吾の建築は少なからずジョルジョ・デ・キリコの影響を受けていると言っていいでしょう。

ドーリック南青山の上部やM2の1階に施された連続するアーチもキリコが多用したモチーフの一つです。

もう一つ、コミッションワークがあります。それはこのアールの天井の下にある郵便受けと繋がるようにして設置されている棚です。これは岡崎乾二郎の作品です。岡崎乾二郎によると_____建築家が棚をつくってアーティストが置物をつくるのでなく、アーティストが棚をつくって建築家にお返しをする____
というロジックで棚を作ったんだそうです。

この岡崎乾二郎らしいロジックに思わず笑ってしまいました。

隈研吾設計 都住創ラスティック 写真:建築とアートを巡る

都住創ラスティックは都住創という「都市住宅を自分達の手で創る」ことを目的に1975年に発足した集団によるものです。

しかし、この建築の竣工時はちょうどバブル崩壊の頃、色々あったようです。

いわく因縁のある物件だからかなんなのか、現在の隈研吾建築都市設計事務所の実績に都住創ラスティックは掲載されていません。M2は掲載されているけれどドーリック南青山も載っていません。

ただ、これら3つの建築は現在も現役で使われていますから、隈研吾初期の建築巡りをするのには外せませんね。

基本情報

都住創ラスティック

 

新宿区天神町77−5 MAP

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Maki Fine Arts

この建築の地下にあるのが、現代美術のギャラリーMaki Fine Artsです。

現在、ここで城田圭介「波と海」展が開催されています。

城田圭介は初期の頃から一貫して写真を使った絵画を制作しています。

自身で撮った写真の周囲の景色、つまり写真として切り取った景色の続きを描いています。

ここ15年以上作品を見続けているのでわかっているんですが、「毎回、え!ここは絵画なの!?」とかその逆に「え!ここは写真だったの!?」とまやかされてしまいます。

多分、私は絵画と写真の境界を軽々と行き来する城田作品にまやかされたいのだと思います。

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城田圭介は茅ヶ崎在住のアーティストです。海のそばに住んでいるので、いつか海を題材にした作品を制作したいと考えていたんだとか。

城田圭介〈Seascape (sunny/ cloudy)〉2024, (部分)Maki Fine Arts, 2024, 写真:建築とアートを巡る

今回は、全て新作で茅ヶ崎の波と海が描かれています。

モノクロで描かれた絵画の世界とカラーの現実の海の写真がどっちがどっちなのか一目瞭然のはずなのに、まやかされるために観に行ってきました。

そんな静かでさりげない”してやられた!感”が好きです。

今回は海と波だけの作品で統一されています。

いつもは、時間を封じ込めているような作品なので音を感じることはありませんが、このシリーズはじっと見つめているとまるでどこからともなく波の音が聞こえてくるようでした。

基本情報

城田圭介「波と海」

 

2024年5月25日(土)- 6月23日(日)

水曜日-土曜日 12:00-19:00 / 日曜日 12:00-17:00

月・火休

Maki Fine Arts

新宿区天神町77-5 ラスティックビルB101 MAP

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