現在、東京都現代美術館では常設展以外に3つの展覧会が開催されています。
地下の企画展示室で開催中なのは、シンガポール出身のアーティストホー・ツーニェンの個展「エージェントのA」、企画展示室1Fではグループ展「翻訳できない わたしの言葉」、企画展示室3F ではTokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展「サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」です。
いつもわざわざ清澄白河まで出向いたんだからとセコイ根性剥き出しで企画展示室の展覧会全部と常設展示室のコレクション展までとにかくやってる展覧会は全部みるというのが通例ですが、今回は開館以来何十年も通っている東京都現代美術館ですが、初めてコレクション展まで見る時間がありませんでした。
もちろん、これまでも全部観ないで帰ることはありました。しかし、それはあえてでした。あの展覧会は観ないで帰ろうとか、今日はこれだけを見る!と事前に決めていてのことです。今回は全部見るぞ!と思って午前中から訪問したのですが、時間切れでした。なぜ時間切れだったか。その辺りを含め、これから行かれる方の参考になればいいなという気持ちで主に地下と3階の展覧会レポートです。
「翻訳できない わたしの言葉」は時間がなくてかなり流して見てしまったのと、コレクション展は全く見れなかったので今回は触れません。

ホー・ツーニェン「エージェントのA」
時間切れになってしまってコレクション展まで見られなかった原因はこの個展が理由です。
全てが映像作品なので、コンプリートしようと思ったら1回の訪問ではほぼ不可能です。
もちろん、大半のモニター作品は数秒の作品なので、絵画をみるようにモニターの前に立って鑑賞できる映像作品です。
これらモニターの映像作品は明快でわかりやすく、とても楽しいです。
主に長い映像作品は座って鑑賞できるようにベンチや椅子が用意されています。
これら座ってみる系の映像を全部鑑賞するのはなかなか至難の技です。かくいう私も全部は見ていません。というか見られませんでした。

ホー・ツーニェン「エージェントのA」の冒頭を飾るのは私が90年代から大好きなフェリックス・ゴンザレス=トレスの代表作のひとつ「パーフェクトラバーズ」のオマージュ作品です。
ホー・ツーニェンVR作品
せっかくホー・ツーニェンの個展ですから、目玉?作品のVRの体験はしておきたい!という事で観てきました。
VR作品ですが、鑑賞する場所で座っているか、寝転ぶか、立ち上がるかの3択です。歩き回ったり動き回ったりするようなものではありません。
この作品の体験は予約制です。当日でも空きがあれば体験できると思いますが、事前に予約して行った方が確実です。

ホー・ツーニェン何をみるか?
とにかく、何度も言いますが全てが映像作品なので、全作品を鑑賞するには1回の訪問では難しいでしょう。何をみるか?あるいは何を諦めるか?あるいは何を次回にするか。そのようなことを考えながら鑑賞しました。
ホー・ツーニェン展は、当日に限り何度もで入場が可能です。長丁場なので途中でランチに行っても大丈夫。当日ならば再入場ができます。
また、日にちを変えて再入場したい場合は、美術館スタッフに言えば、2回目が半額になるチケットをくれるので、もらっておきましょう。
2回訪問するか、一日中いるか、さぁどっち?

この展覧会を攻略するには訪問前に入念な作戦を練って、VRの予約もちゃんとしてのぞんでください。
タイムテーブルやVR予約などは東京都現代美術館の展覧会ページにあります!
基本情報
ホー・ツーニェン エージェントのA
10:00 – 18:00 月休 東京都現代美術館 企画展示室 B2F チケット:一般1,500円、大学生・専門学校生・65 歳以上1,100円、中高生600円、小学生以下無料 江東区三好4丁目1−1 MAP |
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サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」
中堅アーティストを対象とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」第4回受賞記念展です。
毎回2組のアーティストが選ばれ、東京都現代美術館で展覧会が行われます。個人的にも毎年楽しみにいています。
今回の1組目はサエボーグ。

サエボーグとは半分人間で、半分玩具の不完全なサイボーグとして、人工的であることによって、性別や年齢などを超越できると捉えるラテックス製のボディスーツを自作し、パフォーマンスとインスタレーションを国内外で展開するアーティストです。

今回はどんなパフォーマンスが見られるのでしょうか?
今回はペットの犬です。パファーマンスはいつもやっているわけではありません。
タイミングよくみることができたらラッキーです。

▲展覧会の導入にはこんなものも!?
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津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
津田道子は、個人的にはこれまでに六本木のTARO NASUや十和田市現代美術館などで展覧会を見てきたアーティストです。

映像メディアの特性にもとづき、インスタレーションやパフォーマンスなど多様な形態で制作を行っています。映像装置とシンプルな構造物を配置し、虚実入り混じる作品空間が、鑑賞者の視線や動作を操作し、知覚や身体感覚についての考察へと導いてくれるインスタレーション作品を制作しています。

タイトルにある通り、美術館の長い通路で展開される「人生はちょっと遅れてくる」インスタレーションが楽しい。何度も何度も行ったり来たりしてしまいました。
写真を載せた作品はどちらも体験ものです。鑑賞者が参加して初めて作品が成立します。
コレが楽しいのよねぇ。
基本情報
サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
2024年4月6日(土)~ 7月7日(日) 月休 観覧無料 東京都現代美術館 企画展示室3F 江東区三好4丁目1−1 MAP |