東京都庭園美術館で毎年開催されているアンリ・ラパンが主導して設計されたアール・デコの塊みたいな旧朝香宮邸(庭園美術館)そのものを見せる展覧会「建物公開2022」が今年も始まりました。
建築を見ることが主な目的の展覧会ですから、アール・デコ建築を隅々までじっくり堪能することができます。写真撮影も可能です。(動画NG)
見学の後は庭園でのんびりしたり、カフェTEIENやレストランDu Parc/デュ・パルク(2022年10月よりcomodo/コモド)で一休みもいいですね。
朝香宮邸のアイコン、次の間の香水塔▼
PRアール・デコの貴重書
建物公開と言っても、何も展示物がないわけではありません。今年の建物公開の展示は「アール・デコの貴重書」です。貴重なアール・デコ時代の本や雑誌、また博覧会の資料なども鑑賞することができます。
美術館本館である旧朝香宮邸は主に建築を見ることに主題を置いていますので、いつもの庭園美術館での展覧会と比較すると展示品は少なめです。
新館の展示風景▼
しかし、新館の展示室には多くの貴重な資料の展示、また映像も随時ループで上映されていますので、見応えは十分です。
新館は一部撮影禁止の資料がありますが、基本的に撮影可能です。
見学テーマを決めよう!
建物公開の展覧会は毎年開催されているのですが、建築は変わらないけれど、展示内容が変わるので、毎年訪れています。
それに、見どころが満載すぎるので、毎年自分なりになんらかのテーマを決めてから見て回っています。
例えば、今年は照明を重点的に見よう!とか、床材ばっかり観察しよう!とか、細かい装飾に注目しよう!とか。そのテーマを考えることも楽しみの一つです。
大客室にはルネ・ラリックデザインの照明「ブカレスト」が。▼
PR2階北の間の美しい泰山タイルに注目!▼
1階の大客室・大食堂の扉にはマックス・アングランによるエッチング・ガラス▼
2階殿下居間にある花模様のアイアンワーク。
この部屋のデザインはアンリ・ラパンなので、おそらくアンリ・ラパンによるものだと思います。芸が細かい!▼
とにかく、見どころだらけなので、何回訪問しても新しい発見があるのがこの美術館の(旧朝香宮邸)のすごいところです。
初訪問の場合は、とにかく全体感の把握で精一杯かと思いますが、2度目3度目の方は、自分の気になるテーマを決めて見て回ると楽しいです。
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ウインターガーデン
毎年、建物公開の時だけ開放される3階にあるウインターガーデンですが、2019年の公開を最後にコロナになってからは見学が中止されています。
今年も残念ながら見学中止でした。
写真は2019年に公開した時のものです。目地なしの市松模様の床がすごい!▼
家具はマルセル・ブロイヤーデザインのもの。
床から壁までの市松模様と赤い椅子がとてもモダンです。▼
ウインターガーデンは見学できませんが、目地なしの市松模様の床は、2階のベランダでも見ることができます。▼
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比べてみよう!
大食堂の窓際に設られたテーブルコーディネートも展覧会の楽しみの一つです。これまでの大食堂の展示風景を比較してみます。
2021年ルネ・ラリックの展覧会の時の大食堂の展示風景▼
2020年の建物公開の時のテーブルコーディネートです。同じ椅子ですが、数も配置も違います。▼
今年2022年の展示風景。テーブルクロスが黒に始まり、全体に抑えた色調でまとめられています。▼
同じ空間でも、家具や食器などで全く違った見え方になりますね。
また、朝香宮邸として使われていた頃の写真がいくつか展示されています。当時と同じアングルで撮影してみるのも面白いかもしれません。
当時はフローリングの上に大きなラグが敷かれていたのがわかります。▼
と言いつつ、私は同じアングルで撮っていません。階段が見えている写真でお茶を濁します。▼
PR東京都庭園美術館におけるアンリ・ラパンの仕事については▼
東京都庭園美術館に関してはこのような書籍もおすすめです▼
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茶室「光華」見学
庭園美術館の日本庭園には、朝香宮様によって建設された茶室「光華」があるので、忘れずに見学しましょう。
美術館は18時までですが、茶室の見学は16:30までなのでご注意を。
2022年4月16日(土)~ 5月8日(日)の期間は春の特別公開で、通常入れない座敷まで立ち入り可能になります。
重要文化財の茶室から日本庭園の眺めを堪能しませんか。▼
正座の苦手な外国の要人を迎えるために、当時は茶室に椅子も用意されました。
茶室建設当時からの貴重な家具です。ですから座ることはできません。
茶室光華の詳細とその他色々な茶室については▼
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レストラン comodo
庭園美術館の入り口に位置するフレンチレストランは南青山のフランス料理の老舗、メゾン ド ミュゼの姉妹店です。
Du Parcは2022年10月よりリニューアル・オープンしてcomodoになりました。
このレストランは入場チケットがなくても利用可能です。
全面ガラス張りの開放的な空間です。設計は久米設計。▼
庭園の緑が目に眩しいくらいです。
新緑の季節にお勧めです。週末のランチタイムは行列ができるほどの人気です。▼
大きな三角屋根の天井はカラマツ材。▼
カフェタイムにケーキセットを頂きました。▼
ドリンクのテイクアウトをしてテラス席で一休みも可能です。▼
PRミュージアムカフェ TEIEN
庭園美術館の新館にあるテラス席が気持ちいいミュージアムカフェTEIENは、入場チケットがないと利用ができません。
展覧会に合わせたイメージケーキが人気です。詳細は▼
ちなみに新館のデザイン監修は現代美術家の杉本博司です。
庭園美術館の「建築の神様からの贈り物」については▼
基本情報
2022年4月23日(土)-6月12日(日)会期終了
10:00-18:00 月休 茶室10:00-16:30
東京都庭園美術館
港区白金台5-21-9 MAP