神楽坂にあるギャラリー√K Contemporary で開催中のGil Kuno/ギル久野 個展「ON::OFF::ON」を鑑賞してきました。目が離せない作品がたくさん展示されていて、作家から直接解説を聞いて更に面白さが倍増します。尚、2022.4/2-4/13までは追加展示が開催されています。会期終了
√K Contemporary
√K Contemporary/ルートケーコンテンポラリーは、1988年に創業した京橋にある掛け軸や書、絵画、工芸品、茶道具などなど日本美術を幅広く取り扱う古美術商「加島美術」の現代美術部門です。
√K Contemporaryのオープンは2020年3月。柿落としの原口典之の個展「wall to wall」は、代表作のオイルプールの展示や建物の壁と一体化した作品など、どれをとっても圧巻でした。また、地下1階から屋上まで全てのスペースで展示を展開しており見応え十分の展覧会だった記憶です。
原口典之の代表作品「オイルプール」▼
そして、更に驚いたのは、この展覧会終了後の2020年9月原口典之氏が逝去され、ここで観たのが存命中最後の展覧会となったことです。
ギャラリーの壁面と一体化している作品▼
Gil kuno/ギル久野
今回久しぶりの訪問となった√K Contemporaryで開催されている展覧会は、Gil Kuno/ギル久野 個展「ON::OFF::ON」です。展覧会は1階、2階、地下で開催されており、この順番で鑑賞するのが推奨されています。
ギル久野はニューヨークと東京を拠点に活動するアーティストで、世の中の「カオス」をテーマに創作活動をしています。過去に文化庁メディア芸術祭や恵比寿映像祭、六本木アートナイトなどにも参加しています。
ギャラリー1階の展示風景です。▼
展示作品
平面絵画の展示もありますが、ほとんどが動きのある作品なので、写真よりも動画を参照いただいた方がわかりやすいです。▼
シンプルな仕掛けですがプログラミングの技術力を要する装置を使った作品の題材は、意外にも桜や滝、波、雨など自然がテーマになっています。
ギャラリー2階の展示風景です。2階の壁面には映像インスタレーションが2点展示されています。▼
出品作品のほとんどが2021年から2022年コロナ禍で制作された作品です。
Gil Lab
1階、2階と違って地下のスペースGil Labでは、作家本人が実験的作品を展示・制作をしています。
この作品は、2005年の文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞した「Six String Sonics, The」です。固定概念にとらわれず柔軟な考えから生まれた画期的なギターです。▼
私が訪問した日もご本人がいらして、丁寧に一つ一つ解説してくださいました。メッセージ性の強い作品とは裏腹にご本人はとても穏やかな方でした。
この作品は壁際においてあるホッピングと白い階段の2つの作品で、どちらも音が鳴る作品です。▼
今後会期終了までにこのスペースで作品が生み出されていくとしたら、会期後半に見に行った方が面白いかもしれません。
また、会期中にはライブやギャラリートーク、ワークショップなどさまざまなイベントが企画されているので、興味のある方は参加してみてください。
最後に、これはギル久野作品ではないのですが、以前に訪問した時にはなかった光学硝子がカウンター下部にさりげなく置いてありました。
光学硝子といえば現代美術作家の杉本博司を想起しますが、この硝子は非常に高額で、しかも入手困難と言われています。この量だとだいたいおいくらなのか、下世話な計算をしてしまいました。
√K Contemporaryは、神楽坂、飯田橋、市ヶ谷の各駅から徒歩圏内です。私は、飯田橋か市ヶ谷駅から向かってMIZUMA ART GALLERYと一緒に行くことが多いです。
建築巡りが好きな方は徒歩5分の場所にあるこちらも一緒にどうぞ▼
展覧会基本情報
Gil Kuno/ギル久野 個展「ON::OFF::ON」
2022年2/19(土)~ 3/26(土)11:00 – 19:00 日月休(3/21祝はオープン)
Gil Kuno 個展「ON::OFF::ON」追加展示
好評につき、一部展示替え後に会期中に制作した作品数点を展示しています。
追加展示:2022年4月2日(土)〜4月13日(水) 日月休
√K Contemporary /ルートkコンテンポラリー
東京都新宿区南町6 MAP