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二人の建築家 坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京


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坂倉準三設計の既存校舎の改修と藤本壮介設計のアンスティチュ・フランセ東京の新校舎「Village as Institute」が2022年春にいよいよ全面オープンします。二人の建築家による旧校舎と新校舎を見学してきました。2022年7月追記しました!

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アンスティチュ・フランセ東京

東京日仏学院と言った方がしっくりくる方も多いと思いますが、2012年に現在の名称アンスティチュ・フランセ東京/Institut franco-japonais de Tokyoに改称されました。

というのもここは、フランス政府が管理・運営するフランス文化センターのアンスティチュ・フランセの日本支部に位置する施設で、2012年に在日フランス大使館文化部の統合により、東京日仏学院、横浜日仏学院、関西日仏学院、九州日仏学院が各々アンスティチュ・フランセとなりました。

で、何をする施設かというとフランス語の普及・教育はもちろんのこと、文化芸術における日仏交流やプロモーションを主な目的としています。ですから、ここでフランス映画の上映やフランスに関する展覧会、講演会・討論会などが行われています。

改修前の校舎(2018年)▼

アンスティチュ・フランセ東京

改修前には広いテラスが開放的なフレンチレストラン「ラ・ブラスリー」が併設されており、週末ともなると行列ができるほどの大人気でした。残念ながら2019年に閉店してしまいましたが、新校舎での再開が待たれます。

ラブラスリーの記事はこちらを参照ください。

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坂倉準三設計旧校舎

アンスティチュ・フランセ東京と言えば坂倉準三の設計によるシャンピニオンの柱と二重螺旋階段が特徴の校舎で有名です。

坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京

テレビドラマ「名建築で昼食を」にも出てきましたが、あのカフェも現在は休業中です。春のオープン時には、ラ・ブラスリーもカフェも再開されることを期待します。

改修前の校舎内部や改修後の外観など詳細は動画を参照ください。▼

一番古い二重螺旋階段のある校舎は1951年に竣工しました。設計はフランスのル・コルビジェに師事し、フランスから帰国した坂倉準三によるものです。鎌倉の神奈川県立近代美術館と同時期の仕事です。

また、10年後には新館の増築が行われ、この時も坂倉準三が設計を担当しています。

今回、改修が行われてから初めて訪問したのですが、特徴的なシャンピニオンの形の柱の色がグレーに塗り替えられていました。

モノトーンになった校舎▼

坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京

改修前の校舎(2018年)この校舎単体だとこの色の方が好きですが、新校舎を含めた全体を考えてのモノトーンカラーへの変更と思われます。▼

坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京

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校舎の中に入れなかったので、中の柱がどうなっているのかわかりませんが、最初見た時は、インパクトに欠けて、腑抜けた印象を持ってしまいました。

以前の紺と白の組み合わせを知らない人にとっては違和感ないのかもしれませんが、ちょっとショック。次第に元の色の記憶が薄れて慣れてくるのでしょうね。

2022年末まで工事中

旧校舎は現在工事中のためその姿を見ることはできません。

2022年末まで防水工事や窓枠の取り替えなどの工事を行うということです。来年生まれ変わった旧校舎の姿が見られるのが楽しみです。

藤本壮介設計新校舎

坂倉準三に続いて、新校舎を設計したのは、ハンガリーの音楽施設や白井屋ホテルなどを手がけた藤本壮介です。藤本壮介は、東京大学卒業後2000年に藤本壮介建築設計事務所を設立しています。

新校舎「Village as Institute」は2021年に竣工し、7月からここでの授業がスタートしました。

坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京

その間、旧校舎の改修工事が行われ、この春坂倉準三設計の旧校舎と藤本壮介設計の新校舎の全てがオープンします。

藤本壮介設計の新校舎「Village as Institute」の様子は動画を参照ください。

新校舎は、藤本壮介が初めて手がけた集合住宅東京アパートメントや白井屋ホテルと考え方が似ています。

そこには散策路があり、中庭があり、人々がVillage /村を回遊するようにできています。

樹木の葉が落ちていて校舎がよく見えたのはとてもよかったのですが、きっと葉が青々としている方が、「Village as Institute」の醍醐味を感じることができそうです。これは絶対再訪しなくてはなりません。

葉がおちているので校舎がよく見えた2月▲

ということで、緑が美しい季節に再訪しました。緑が生い茂る7月の「Village as Institute」の様子です。▲

藤本壮介に関する他記事はこちらです▼

藤本壮介設計 アートな空間 前橋の白井屋ホテル

藤本壮介設計 書棚とガラスのファサード武蔵野美術大学図書館

PAVILION TOKYO2021 建築家 藤本壮介 2つの Cloud pavilion/雲のパビリオン

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アンスティチュ・フランセ東京では、過去に坂倉準三の建築の展覧会▼を開催したり、映画の上映や講演会などフランスに関する様々なイベントを行なっています。興味のある方は、イベントのある時に建築探訪すると楽しいかもしれません。

坂倉準三と藤本壮介による「Village as Institute」アンスティチュ・フランセ東京

基本情報

アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)

総合受付:9:30-19:30(14:00-15:00休)金・日〜17:00、土〜19:00  月休

 東京都新宿区市谷船河原町15  MAP

最寄駅:JR総武線飯田橋駅西口より徒歩7分、地下鉄飯田橋駅B3出口より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅A2出口より徒歩7分

神楽坂、市ヶ谷の建築とアートを巡る記事はこちらから▼

建築とアートをめぐる神楽坂散歩 現代美術のギャラリーと人気のカフェやベーカリー

√Kcontemporaryは徒歩5分ほどです。▼

https://www.artarchi-japan.jp/2022/02/%e2%88%9ak-contemporary-gilkuno.html

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