ムサビへ
武蔵野美術大学美術館で開催されている「オムニスカルプチャーズ ー 彫刻となる場所」展を観に行ったので前々から気になっていた藤本壮介設計の図書館を見て来ました。見てきたのですが、残念ながらコロナにより内部は学生以外入館禁止だったので外観だけを見学してきました。
ガラスのファサード
ガラス張りのファサードは一見周囲の緑の映り込みでその存在を消しているのですが、よく見ると中に書棚を積み上げたような造作が施されているのです。一瞬旧図書館で使用されていた書庫を再利用したのかと思いましたが、そうではないようです。
また、ガラス張りの建物は芦原義信が設計してきた既存の校舎郡と比べると異端であり、馴染むかどうか疑問に感じますが、立地が旧図書館の真裏で構内の奥まった場所であることを考慮すると、手前のコンクリート打ち放しの美術館の圧迫感・威圧感をガラスの透明感と反射で打ち消しているかもしれません。
芦原義信設計の4号館▼
書棚のファサード同様に書棚の壁は内部空間までに入り込み、館内も書棚が天井まで続く書棚の壁で構成されています。サインは佐藤卓。内部をチラチラ見ると、中の書棚の壁は外部のウォールナット系ではなくホワイトオーク系で明るい印象でした。
目撃談
すごくかっこいい建築ではあるのですが、ムサビ内でも反対派と賛成派の真っ二つに割れていたと聞いています。
デメリットとしては雨が降ると天井の複層ポリカーボネート板に落ちる雨の音が響くのが気になったという話も。最大の問題は結露です。ファサードのガラスの結露がすごくて中の書棚が水浸しになってしまい、改修工事を何度かしているようです。実際中がビショビショだったという目撃談を聞きました。
この図書館開館と同時に入学した卒業生の話を聞くと、記憶によると最初はこの棚板は▼写真のようなコの字型ではなく普通の棚板だったけれど、結露で改修工事が入って写真の下に写っている通気口が設置され、棚板に3箇所くらい通気のための穴が開けられた。それでもダメで最終的にコの字にカットしたという流れのようです。当初は紆余曲折あっていろいろ大変だったみたいですね。▼
よく見ると水によるシミもありますし、ホコリで白っぽくなってしまっています。ちょっと残念。▼
旧図書館と新図書館を繋ぐ空間も書棚空間です。ここすごくかっこよくて気持ちの良い空間でした。こういう何もないスコーンと抜けた空間いいですよね。これだけの床面積でなんの機能も持たない空間って贅沢です。中に入れなかったので半屋内のここが一番印象的です。▼
コロナが終息したら是非内部見学もしてみたいです。
武蔵野美術大学美術館・図書館
東京都小平市小川町1-736 アクセス
現在コロナウィルス感染防止のため学外者の内部見学不可