箱根にあるポーラ美術館は、レストランやカフェ、ミュージアムショップだけでなく、広大な森の遊歩道で森林浴をしながらアートに触れ合うこともできる都会にはない唯一無二の美術館です。コレクションは、モネやルノワールなどの近代美術から、ゲルハルト・リヒターやロニ・ホーンなどの現代美術まで、幅が広くとても充実しています。
東京から日帰りできる距離で、良質なアート鑑賞だけでなく、美味しいものを食べて、緑豊かな箱根の森の散策までできちゃうのです。
いよいよ新緑の季節到来です。今年のGWは箱根のポーラ美術館で過ごしてみてはいかがでしょうか。
美術館エントランスまで続くブリッジ。▼
1階のチケットカウンター前の来館者誘導装置「Spectra-Pass」は建築家津川恵理率いる建築設計集団「ALTEMY」のデザインです。▼
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現在、開催されている展覧会は、「モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」です。
美術館の創設者であり、ポーラ創業家二代目の鈴木常司氏が戦後約40年をかけて収集したモネやルノワールといった近代美術のコレクションと、近年収集を開始した現代美術のコレクションを同時に鑑賞することができる展覧会です。
テーマは光
出品されている新旧のコレクションに共通するテーマは「光」です。まさに美術館に降り注ぐ光が美しいポーラ美術館らしいテーマです。
モネやルノワールを代表とする印象派の作品のテーマが「光」であることはよく知られていますが、新収蔵作品であるゲルハルト・リヒターやロニ・ホーン、杉本博司などの現代美術の作品にも「光」の要素はとても重要です。
第一部
展覧会の冒頭を飾るのはルノワールの作品「レースの帽子の少女」です。▼
第一部は鈴木常司のコレクションを中心とした展示と一部新収蔵作品が展示されています。
モネ「睡蓮」▼
セザンヌの「ラム酒の瓶のある静物」▼
教科書級の作品があれもこれも展示されています。第一部の主な作家は、ベルト・モリゾ、クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、 ロベール・ドローネー、ニコラ・ド・スタール、フェルナン・レジェ、ベン・ニコルソン、 アンリ・マティス、レオナール・フジタ(藤田嗣治)、関根正二、松本竣介、里見勝蔵です。
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第二部
第二部は近代と現代を結ぶ作家たちの作品の展示です。
中西夏之の60年代の作品「洗濯バサミは攪拌行動を主張する」▼
白髪一雄の作品▼
見逃せないのは、ヴィルヘルム・ハマスホイとゲルハルト・リヒターの部屋です。
この二つの作品が同じ部屋に展示されています。これは斬新だけどなかなかいい組合わせです。▼
ヴィルヘルム・ハマスホイトの「陽光の中で読書する女性 ストランゲーゼ30番地」1899年▲
物故作家と現存作家の時空を超えた共演です。
ゲルハルト・リヒター「グレイハウス」1966年▼
時空を超えた共演はここだけではありません。
別の部屋では新収蔵作品のリヒターの大型キャンバス作品とモネの睡蓮が並びます。▼
東京公立近代美術館のリヒター展も見逃せません。▼
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最後に1部屋を独占しているのは、光そのものを写し取った杉本博司の作品「Opticks」シリーズです。▼
第二部に出品されているのは、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ジャン・デュビュッフェ、モーリス・ルイス、ドナルド・ジャッド、 ヘレン・フランケンサーラー、パット・ステア、ゲルハルト・リヒター、アニッシュ・カプーア、山口長男、山田正亮、 難波田龍起、猪熊弦一郎、斎藤義重、白髪一雄、李禹煥、田中敦子、中西夏之、中林忠良、 杉本博司、三島喜美代(チケットカウンター横)、ケリス・ウィン・エヴァンス(吹き抜け)、ロニ・ホーン(森の遊歩道)、スーザン・フィリップス(森の遊歩道)、などです。
写真撮影について
今回の展覧会は、残念ながら基本的に撮影禁止です。ただし、一部作品だけが撮影可能です。数としては、撮影禁止の作品の方が多いです。
撮影可能作品にはキャプションにマークがついています。このブログに掲載されている作品は全て撮影可能な作品です。
モーリス・ルイスの作品近くに展示されているドナルド・ジャッドやアニッシュ・カプーアの作品がすごくよかったけど撮影禁止でした。残念!▼
食
5つの展示室の充実のコレクションを鑑賞して、心が満腹になったら、次はお腹を満たしましょう。
ポーラ美術館には、アレイというレストランとチューンというカフェがあります。
レストランアレイは美術館の入館料を払わなくも利用可能です。カフェチューンの利用は入館料が必要となります。
レストランアレイ▼
レストラン ARRAY/アレイ
レストランアレイには、気持ちの良いテラス席があります。今回の展覧会からテラス席を開放したということで、今季初開放のテラス席でランチを頂きました。
森の鳥の声を聴きながら、頂くランチは最高です。▼
このシュチュエーションなら何を食べても美味しい▼
アレイのメニュー
ランチにはコースメニューとアラカルトメニューがあります。また企画展特別メニューもあります。▼
こちらが企画展特別メニューのランチと期間限定のドリンクです。▼
カフェ TUNE/チューン
カフェチューンは、B1Fの吹き抜け空間に位置します。天井が高く、正面は全面ガラス張りで外の森の様子がよく見えます。
屋内のカフェですが、トップライトから降り注ぐ光と大型ガラス窓から見える雄大な景色で、まるで箱根の森の中にいるかのような気持ちの良いカフェです。▼
地下とは思えない空間です。▼
ケーキセットをいただきました。コーヒーカップはモネの睡蓮です。▼
チューンのメニュー
午後になると品切れのケーキも▼
チューンでも期間限定のドリンクがオーダーできます。モネの睡蓮をイメージしたデザートも綺麗です。▼
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森の遊歩道
「モネからリヒターへ」は、館内の5つの展示室だけでなく、2017年に新設されたアトリウムのギャラリー、ロビー空間などポーラ美術館開館以来、最大規模となる超大型企画展です。
そして、忘れてはいけないのが森の遊歩道です。ここにも常設のアートと共に企画展の出品作品が2点あります。
遊歩道を歩いていると森の奥からフルートの音色が聞こえてきます。この音色がスーザン・フィリップスのサウンドインスタレーション「ウインド・ウッド」です。
美術館の遊歩道の豊かな自然とサウンドインスタレーションがすごく共鳴していてよかったです。目に見えない作品なので、是非耳を澄ましてみてください。
前回の企画展の際に設置されたロニ・ホーンの「鳥葬」▼
ミュージアムショップ
展覧会の図録やポストカードだけでなく、さまざまなミュージアムグッズが展開されています。
カフェチューンで使っていたモネのカップ&ソーサーもここで購入可能です。
合わせて行きたい
ポーラ美術館は丸一日いても飽きない充実の美術館ですが、せっかく箱根まで来たら、他にもどこか行ってみたくなります。そんな時におすすめは、2022年4/15オープンのニコライバーグマン箱根ガーデンズがおすすめです。
デンマーク出身のフラワーアーティストニコライバーグマンが手がけたガーデンです。
詳細はこちらから▼
ポーラ美術館基本情報
ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に
2022年4月9日(土)〜9月6日(火) 会期中無休(悪天候による臨時休館あり) 9:00-17:00
一般1800円、シニア1600円、大高生1300円、中学生以下無料 事前予約の必要なし
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285 MAP
ポーラ美術館へのアクセス
電車・バス
箱根湯本駅から箱根登山バス(TP路線)約35分「ポーラ美術館」バス停下車 料金860円
箱根登山線「強羅駅」から観光施設めぐりバス(S路線)約13分「ポーラ美術館」バス停下車 料金310円
小田原・箱根湯本からの直通バス:小田原駅発が1日1本(平日8:50、土日祝8:35) 料金1100円
箱根湯本駅発が1日3本(平日9:08、11:00、13:43、土日祝8:53、11:00、13:55)料金860円
直通バス所要時間:小田原駅~ポーラ美術館 約60分、箱根湯本駅~ポーラ美術館 約40分
車の場合
東名高速 御殿場IC から約13km
じゃらんでレンタカーが予約できます
宿泊の場合
東京から日帰り圏内ですが、泊まって箱根とポーラ美術館を楽しむなら強羅温泉のホテルが便利です。
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