淡路島に安藤忠雄の建築巡りに行ってきました。淡路島安藤忠雄建築巡りその2は、その1の本福寺水御堂に続いて淡路夢舞台です。淡路夢舞台は、国際会議場、ホテル、植物園などの施設が点在する大型の複合文化施設です。
淡路夢舞台
淡路島の安藤建築と言えば、その規模の大きさからまず頭に浮かぶのが淡路夢舞台です。当初は2020年の春先に予定をしていた淡路島への旅でしたが、コロナウィルスの感染拡大によりキャンセルを余儀なくされ、ようやく今回1年半後のリベンジ訪問となりました。結果的には直島の安藤建築と共に訪れることができたのでよかったなと思っています。
土砂採掘場から
この場所は、元々関西国際空港をはじめとする大阪ベイエリアの開発のための土砂採掘場でした。山だった場所は開発のために採掘され、土も緑もなくなり、岩盤が露出して植物が育つために必要な表層土も失いました。山を失うと言うことは周辺の生態系が崩れ、それは周辺の海にも影響を及ぼします。
そこで、カナダにある採掘の終わった採石場跡を整備して年間100万人が訪れる庭園になったブッチャートガーデンに倣って国と兵庫県が主導となり「失われた自然の回復」を理念に出来上がったのが淡路夢舞台です。
淡路夢舞台は、約28ヘクタールの広大な敷地を持つ複合施設です。全貌を紹介するにはあまりにも大きすぎるのでまずは、その雰囲気を動画でご紹介します。
PR水庭
車を地下の駐車場に置いて、地上に出てみるとそこは水庭でした。既視感あるなと思ったのですが、雰囲気としては、京都にある京都府立陶板名画の庭にかなり近いです。
俯瞰で見る水庭の様子です。コンクリートの壁が交差しスロープや階段が重なり合う空間です。▼
構成する要素はコンクリートの壁と緩やかなスロープと階段、そして水です。否、水だったはずです。と言うのも、水盤はかろうじて水が溜まっている状態ですが、滝があったであろう場所はほとんど水が流れていませんでした。残念。
おそらくここは水が流れ落ちていたのではないかと思われるのですが、流れてはいませんでした。▼
直線で構成されたコンクリートの交差する壁に木々の影が揺らめいて美しいです。とにかく天気には恵まれた淡路島でした。この抜けるような青空!▼
楕円フォーラム
次に向かったのは、水庭の隣に位置する楕円フォーラムです。直径約50メートル、高さ約17メートルの巨大な楕円空間です。コンクリートの壁には日時計が設置されています。コロナ前はこの空間でイベントが開催されることもあったようです。▼
この空間は淡路島に本社機能を移転したパソナのオフィスや飲食店とつながる場所なので、普通に人が行き来していました。むしろ観光目的の人は皆無で、仕事にきている人ばかりだったかもしれません。
全体の敷地があまりにも広大なので、スケール感がわかりにくいのですが、とっても大きな楕円空間です。ただ、ちょっと汚れが目立っていますね。▼
円形フォーラム
淡路夢舞台施設群のちょうど中心に位置する円形フォーラムは、直径約32m、高さ約11mの空間です。この円空間の周囲をぐるりとスロープがまわっています。
楕円と円形と二つの安藤忠雄の吹き抜け空間を一度に味わえるなんて贅沢な場所です。
空庭
空庭は、一辺18mの立法体の庭で、斜面に埋め込まれるように建っています。中央の柱を中心にシンメトリーに交差する階段が特徴的な、階段のための階段による階段空間です。
そう、淡路夢舞台で楽しみにしていた場所の一つはこの場所です。ようやく来れた。と言うのが最初の感想です。この階段を前にしてじわじわと感動がこみ上げてきました。
嬉しくなって何度も上り下りを繰り返しました。他に誰もいなかったのもラッキーでした。階段を上ると正面に雄大な大阪湾の水平線が見えます。▼

百段苑
山の斜面に沿って階段状に並ぶ花壇が100個あるので百段苑です。淡路夢舞台で一番楽しみにしていたのが、ここ百段苑です。もうとにかく見ての通り階段祭りです。
残念ながら10月初旬だったので花が咲き乱れると言う状態ではありませんでしたが、それでも大満足です。思い描いていたよりも広くて急斜面でした。
奥には、これまた階段状の滝があって、ここは常時ジャブジャブと潤沢に水が流れ落ちていました。▼
斜面がきついので下りはいいですが、上りはなかなかきついです。誰もいないのをいいことにかなりはしゃいでしまいました。
その時はいいけれど、結構足にきます。ただでさえ、だだっ広い淡路夢舞台を歩き回るのですから、なかなかの運動量になることは覚悟していきましょう。
特に階段好きは階段があったら上り下りせずにはいられませんからね。
グランドニッコー淡路と海の教会
安藤忠雄設計の教会シリーズの一つ「海の教会」があるホテルです。昨年春に予約した時は、”ウェスティンホテル淡路”だったのに、今回訪問したらいきなり”グランドニッコー淡路”になっていて驚きました。どうやら昨年の9月からグランドニッコー淡路に変わったようです。
車寄せ空間もダイナミックです。▼
今回は、残念ながらグランドニッコー淡路には宿泊しませんでしたので見学だけしてきました。海の教会は自由に見学できるように開放されていたので、教会内部も見てきました。
コンクリート打放しの空間の天井に十字にスリットが入っていて、そこから光が降り注ぐ教会です。▼
兵庫県立淡路夢舞台公苑温室あわじグリーン館
2021年9月18日にリニューアルオープンしたばかりの日本最大級の温室の植物園です。天井高20mのガラス張りの大空間の中に希少な植物が多数集められています。
リニューアルオープンしたばかりだったので、入ってみようかと一瞬思ったのですが、建築巡りを主たる目的として訪問したので、時間の関係もあり外から眺めただけです。▼
淡路夢舞台国際会議場
ここは、関係者以外立入禁止だったので、外観しか見られませんでした。残念。ここの円形の中庭見てみたかったなぁ。▼
他に海回廊、山回廊、野外劇場などもあります。
また、至る所で目にすることになる帆立貝の貝殻ですが、北海道の水産加工場で捨てられていた帆立の貝殻をもらってきてリサイクルし一枚づつ職人が手作業で敷き詰めたのです。
その数なんと100万枚です。ヒー!▼
さらにお隣には淡路島国営明石海峡公園もあって、全部網羅しようと思ったら1日ではとても足りません。
今回私は安藤忠雄建築をとことん見学すると言うことを目的に訪問しましたが、グランドニッコー淡路に宿泊して日がな一日海を見て過ごすなんてのもありだと思います。
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基本情報
兵庫県淡路市夢舞台1番地 MAP
淡路島 安藤忠雄 建築巡り旅 その1 本福寺水御堂はこちらを参照ください。▼