滋賀県守山市にある伊勢遺跡の遺構レプリカやジオラマ、映像など遺跡に関する資料などを展示する施設が2023年11月に開園しました。
この施設はコンペにより平田晃久が設計を手掛けています。
まだ開園して1年にも満たない施設に滋賀旅の際に立ち寄ってみました。
PR伊勢遺跡史跡公園
この伊勢遺跡は、東西約700m、南北約450m、面積にして約30haにも及ぶ広大な遺跡で、弥生時代の「國」の成り立ちを知るうえで全国的にも非常に貴重な場所です。
その貴重な遺跡を未来の世代にも伝えるため、また歴史を学ぶ拠点として、近隣住民の方々が楽しめる憩いの場として、公園の整備が進められ2023年に平田晃久の設計による伊勢遺跡史跡公園遺構展示施設を含む公園が開園しました。
展示施設の外観
本当に何の変哲もないごくごく普通の住宅街にそれは突然現れます。知ってていかないと辿り着ける場所ではありません。偶然通りかかるような場所ではなく、本当に普通の住宅街にあるからです。
▲亀の甲羅のような大きな楕円形の屋根ですっぽり覆われている展示施設。この外観からは内部がどんな様子なのか全く窺い知ることはできません。
▲とりあえずぐるっと一周してみました。屋根の下はガラスになっていて内部が見えるようになっています。
公園といっても特に何かあるわけではなく、芝生にこの展示施設とベンチがあるだけです。
どんなふうに遺跡が保存されているのか興味津々で内部に入ります。
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展示施設の内観
いよいよ内部へ。ここは入場無料なので開館時間内であれば誰でも入ることができます。
中に入ってびっくりする空間が広がっていました。
亀の甲羅のようなドーム状の外観から想像できない内観です。なんと、床近くまで垂れ下がっている天井は木だったのです!
それもランダムに削られていて不思議な模様を作り出しています。さらに、不思議さに拍車をかけているのは床のリフレクションです。
▲足下にあるのが伊勢遺跡です。ガラスの床を通してレプリカの遺構を見学することができるようになっているのです。
リフレクションの正体はガラスの床でした。
周囲から覗き込むのではなく、ガラス床の真上から見ることができるのでそのスケールが体感できるようになっています。
▲杉の無垢材は、ぼこぼこと立体的に削られているのですが、映像を投影する場所だけは、そのランダムな凹凸がフラットに削られていて白く塗装されています。
映像が流れていないと部分的な塗装と仕上げに違和感を覚えます。
▲横から見た映像エリア。最初はフラットにするだけで映像が可能という前提で進めていたけれど、投影したら見えないため、白く塗装したんだそうです。
また、映像が見やすいように壁のガラス部分には暗幕が簡易的に取り付けられていました。
▲フラットにされたエリアに映像が投影された時の様子。映像はもちろん伊勢遺跡についての映像です。
係の方が映像見ますか?と聞いてくれます。見ますと返答すると映像を投影してくれます。ループで常に流れているわけではありません。
伊勢遺跡について
伊勢遺跡については専門のHPなどで確認していただくとして、ここで見られるものを紹介します。
▲ガラス床の上から見られるレプリカはブルーの部分です。
そして、ガラス床の奥に進むとジオラマが展示されており、1/120のスケールでどんな建物がどのように配置されていたのかがわかります。
スタッフの方の話だと建築目当てに訪問する方が結構いるということでした。その多くは東京から来るんだそうです。
建築学生の方も多いとか。
私も例に漏れず完全に建築目的での訪問でしたが、遺跡の見学もジオラマも興味深く鑑賞しました。
見学にはそれほど時間がかからないので、滋賀県守山市付近に行くことがあれば見学してみてもいいでしょう。
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今回の滋賀旅▼
基本情報
伊勢遺跡史跡公園
開館時間:9:00 – 17:00 休館日:火曜日、年末年始 入館料:無料 住所:滋賀県守山市伊勢町80番地 MAP アクセス:JR栗東駅から徒歩で約13分、無料駐車場あり |