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芦澤竜一 設計 全室レイクビューのセトレマリーナびわ湖で唯一無二の建築と食を愉しむ


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滋賀県は守山市にあるセトレマリーナびわ湖に宿泊してきました。

とんでもなく久しぶりの滋賀県訪問でしたが、充実した時間を過ごすことができました。それもこれも「セトレマリーナびわ湖」のおかげです。

滋賀県は前々から訪問したいと思っていた美術館や建築、そして再訪したいと思っていた美術館があったので、滋賀県で建築とアートを巡る旅をしてきたので順次レポートします。

まずは滋賀旅の一番の目的だった「セトレマリーナびわ湖」からご紹介します。

芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る
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セトレマリーナびわ湖

名前が「セトレマリーナびわ湖」というくらいですから、びわ湖畔に位置する全室レイクビューのホテルです。さらに、名前にマリーナもついていることでわかるようにびわ湖畔のヤンマーマリーナ内に建っています。

マリーナ内には「ヤンマーサンセットマリーナ」という宿泊施設もあり、二つのホテルが隣同士で並んで建っています。

セトレは今回滞在した「セトレマリーナびわ湖」以外に、「ホテルセトレ神戸・舞子」、「セトレ ハイランドヴィラ姫路」、「セトレ グラバーズハウス長崎」、「セトレ ならまち」など6つのホテルがあります。

セトレグループのホテルが他のホテルと一線を画しているのは、「ただ泊まるだけのホテルは、もう終わり」と公式HPにも書かれている通り、その土地、風景、食材、人、対話を大切にしていることです。

具体的に言うとセトレマリーナびわ湖の場合、徹底的に滋賀県であり、びわ湖なのです。食はもちろんのこと、ホテルのマテリアルにもびわ湖の葦が使われていたりします。

ただ、宿泊するだけでは得られない滋賀県、びわ湖を五感で体験することができました。

滋賀旅するのならセトレマリーナびわ湖はおすすめです。

セトレマリーナびわ湖の設計 芦澤竜一

まず、ホテルの建築について。

建築家芦澤竜一の設計で2013年に竣工しました。

芦澤竜一は横浜生まれで早稲田大学を卒業後安藤忠雄建築研究所を経て独立。現在は大阪で芦澤竜一建築設計事務所を主宰しています。

セトレの系列ホテルでは、ホテル セトレ神戸・舞子を皮切りに、セトレ ハイランドヴィラ姫路、セトレ マリーナびわ湖、セトレ ならまちの建築を手掛けています。

セトレのコンセプトでもあるサウティナブルな建築に多数関わっています。

外観  芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲内部の廊下のくねくねでもわかるのですが、客室は全室微妙に形が異なっています。

右:チャペル 左:ホテルのドイツ壁 写真:建築とアートを巡る

外壁はコンクリートと土によるボコボコとしたドイツ壁です。これがまるで燕の巣のようだなぁと思って眺めていたら本物の燕が飛んでいて、びっくりしました。どこかに本家の燕の巣があるのでしょうね。

ドイツ壁だけでなく内装にも土の壁が多用されていて、エントランスロビーの床は三和土の土間、レセプションのバックのオレンジ色の壁は大津壁、レストランには版築壁があります。

これら土壁は、竣工から10年経過してとっても良い味を出していました。もしかしたら竣工時よりも良い感じなのかも!?

これについては、セトレアリーナびわ湖の言葉を借りると”経年劣化”ではなく”経年美化”だそうで、まさに時間がマテリアルの本来の美しさを際立たせているかのようです。

今は少なくなった土壁の種類をたくさんみられるので、まるでショールームです。建築好き、インテリア好きにはたまりません。

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セトレマリーナびわ湖の客室

まず、客室からご紹介します。私が今回宿泊したのは2階のハリウッドツインルームです。

2階は客室が6室、3階は8室で全部で14室だけ、しかも全室びわ湖が見えるレイクビューで、バルコニー付きのスペシャルなホテルです。

客室 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

客室のマテリアル

▲客室内は床がフローリング、壁はベッドのある方はコンクリート壁、その逆側はレストランと同様に土が地層のように積み上がっている版築壁です。それら床壁のマテリアルは全てバルコニーまで続きます。

開放的なバルコニーの先には緑化された庇があってその先に雄大なびわ湖と続きます。客室から空と緑と水の全てを見ることができるのです。

部屋にはテレビが一応ありましたが1秒も見ていません。テレビなどが置いてある客室内デスクとミラーは木と黒いスチールのオリジナル(多分)。鏡の枠の黒いスチールのシャープなデザインがぬくもりのある版築壁の甘さをおさえ、落ち着きのある空間に仕上がっていました。

ちなみにバスルームは微妙に色味の違うタイルが全面に貼られ、大きな鏡がある洗練された空間でした。客室のウッディさとバスルームのミニマルさのギャップ萌えです。

客室に置かれていたカップ&ソーサーはKIGIの信楽焼ブランドKIKOFでした。しかも我が家にあるカップと同じ!

客室 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

客室のアート

客室のアートは太田三郎の切手シリーズ。

アートがその存在を主張しすぎないものの、コンセプトはしっかりしている現代美術作品です。東京都現代美術館などに所蔵されています。

んーー!これはかなり渋いセレクト!客室に入りアートを見てすぐにここは本物だ!と確信しました。

客室 太田三郎 《Seed Project》芦澤竜一設計 セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

意外とホテルの客室のアートでそのホテルの知的レベルのメッキが剥がれることは少なくありません。多くの人が集うロビーなどの共用部には立派なアートがあっても客室は?だったりすることは多々あります。どことは言いませんが。

まぁ、大抵の人はそんなこと気づかないので、重きを(予算を割かない)置かないのでしょうけれど、セトレはコンセプトや目指すものがはっきり、きっちりしているので、アートにもきちんとコンセプチュアルな作品が飾られていました。

ブランドものの香料のキツいアメニティが置いてあるよりも私はこちらの方が数倍嬉しい!(ちなみにサスティナブルの観点からアメニティやペットボトルの水などの提供はありません)

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セトレマリーナびわ湖のラウンジ・ライブラリー

特筆すべくことが多すぎて、特筆にならないのですが、セトレマリーナびわ湖には宿泊者なら気軽に利用できるラウンジとライブラリーがあります。

ここももちろんレイクビューです。

ラウンジ 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲自分でスペシャルティコーヒーの豆を選び、豆を挽いてハンドドリップでコーヒーを淹れることができます。夜でも朝でも。

いつものように自分でコーヒーを淹れるのは同じだけど豆は地元で焙煎した特別なコーヒー豆、窓の外には琵琶湖。スタッフが常駐してコーヒーを淹れてくれるラグジュアリーなホテルが ”非日常” なら、ここではいつもとちょっと違った ”異日常”を体験して欲しい。そんなコンセプトが感じられます。

コーヒー豆は地元守山市の米安珈琲焙煎所のスッキリ朝用とまったり夜用の2種類のブレンド。夜と朝と2回いただきました。

▲ラウンジでは指定の時間になるとスイーツやフードの提供があります。これも宿泊者なら自由にいただけます。

他にドリンクやお酒、ナッツなどが常時置かれていて自由にいただくことができます。ラウンジの食べ物や飲み物は部屋に持ち込むこともできます。

食の充実はすなわち旅の充実です。味の記憶は旅の記憶に繋がります。←これ重要!

ライブラリー 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲黒いスチールでデザインされた書棚には、様々なジャンルの書籍があって宿泊者は自由に手に取ることができます。

棚の上に象徴的に置かれているのはル・コルビュジエの作品集です。

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セトレマリーナびわ湖のルーフトップテラス

部屋のバルコニーからもびわ湖を眺めることは可能ですが、もっとすごい景色が見られる場所があるんです。

ルーフトップテラス 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲屋上に設られたルーフトップテラス。びわ湖からの風を受けてゆったりとした時間を過ごせる空間です。

屋上は全面緑化され一瞬自分がホテルの屋上にいるのを忘れてしまいそう。

高校生の時に古本屋で見つけた西武美術館の1977年の展覧会図録を購入したことをきっかけに、その存在を知って衝撃を受けた今は亡きオーストリアのアーティストであり、建築家でもあったフンデルトヴァッサー。

古本屋で買った図録には、クセの強いフンデルトヴァッサーの絵画とともに、有機的な曲線で構成され屋上緑化された建築模型がたくさん掲載されていました。そんなことをふと思い出したり。

遠い記憶を呼び戻してくれるのも旅の良いところかもしれません。

もちろん帰宅して古い古い図録を引っ張り出して眺めたことは言うまでもありません。

セトレマリーナびわ湖のチャペル

ホテルの横に何やらロールケーキのような不思議な形の建物があります。

これは結婚式などに利用されるチャペルです。

チャペルですが、MUSIC HALLと名付けられています。と言うのもこのチャペル空間自体が巨大な楽器なのです。

チャペル 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲チャペルへの導入はコンクリートの閉塞的な空間。

チャペル 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲閉じられた空間を抜けてチャペルの中に入ると、水平線が眼前に広がります。

この空間の天井に貼られたハープの弦が、びわ湖の風が抜ける時に音楽を奏でるのだそうです。これは聞いてみたい!

しかし、自然と建築が奏でる音楽はそう簡単には聞けないみたいです。諸条件が重なった時に初めて聞くことができる、まさに建築の神様からの贈り物なのです。

あぁますます聞いてみたい!

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セトレマリーナびわ湖の夕食

ホテルステイでの楽しみのひとつに「食」があります。

味や香りは記憶とリンクしていますから、美味しいものを食べた場所は印象に残ります。

ディナー 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲信楽焼のプレートは滋賀県の形。滋賀県の形のプレートにちゃんとびわ湖が型取られていました。

びわ湖でとれた小鮎やとうもろこしのジュレのようなポタージュ?がとっても美味しかった!

ディナー 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

▲これは目にも涼しく味も美味しい美しい一品。きゅうりと白身魚とじゃがいもによるおしゃれな冷菜でした。

メインは魚の包み蒸し。紙ではなく透明なフィルムで包まれていたのが衝撃でした。

メインのお肉はもちろん近江牛、最後に海鮮ご飯と美味しいデザートでもう大満足。

食材はもちろん魚醤などの調味料も地元のものが使われており地産地消です。

さらに印象的だったのが、献立に書かれているメニューから想像する料理と全く違うものが運ばれてくる驚きです。予想の斜め上をいく料理が運ばれてくるので、毎回いい意味で裏切られまくりで楽しいディナーでした。

セトレマリーナびわ湖の朝食

夕食もラウンジのフードも大満足でしたが、朝食もすごかった。

朝食 芦澤竜一設計  セトレマリーナびわ湖  写真:建築とアートを巡る

とはいえ、朝からそんなにたくさんは食べられない。そんな女性の声を反映した夢のような朝食なんです。

木製のオリジナルのボックスに入った料理は”ちょっとづつたくさん!”←これ理想です。

スープや豆料理、サラダやベーコン、スムージーにジャム。キッシュも美味しかった!

この朝食は部屋でもいただけるし、夕食をいただいたレストランでも食べられます。チエックインの時にどちらで何時にいただくかを決められるのが嬉しいです。

私の旅は常に”建築とアートを巡る”です。

滋賀県の建築とアートを巡る旅はまだまだ続きます。▼

基本情報

セトレマリーナびわ湖

滋賀県守山市水保町1380−1 ヤンマーマリーナ内 MAP

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